コンスタンツ Konstanz
バ一デン・ヴュルテンペルク州ボーデン湖畔
人口:約8万2000人
概要
ドイツ、スイス、オーストリアの国境となるボーデン湖がライン川に注ぐ西の端に位置する町で、湖畔のなかでは最も大きい町。
ライン河に注ぐ西端部分ではボーデン湖は湖の大部分の本体部分をオーバー湖Oberseeとその延長部のギザギザの岸をもつ下側の湖ウンター湖Unterseeに分かれている。
この2つの湖をつなぐ細い海峡部の両岸に広がっているのがコンスタンツの町である。
町の中をライン川が横切っており、川の南側(左岸)に旧市街Altstadtがある。
この地に最初に移住したのはケルト人のようだが、今日でもはっきりと住んだ跡が分かるのはローマ人である。堅固な要塞がコンスタンツの象徴のひとつとなっている。砦の一部は地下の博物館になっている。
ローマ帝国の時代から宗教都市としての重要性を持った町であった。
コンスタンツはまた北アルプスで最大の司教の管轄区でもあった。最も栄えたのはがこの地で開かれた1414~18年である。
3人の教皇(教会顕職者)が正統を主張して争い、そのため大分裂に至った教会を再統一しようと、1414年から1418年にかけて、宗教会議(コンスタンツ会議)が開かれた。
長引いた論争の結果、3人の教皇主張者のうち2人(グレコリウス12世、∃ハネス23世)は、退位の意志を表明した。
スペインに逃げたベネディクトウス13世のみが頑強な態度を取り続けた。
結局1417年に、マルティン5世が統一ローマ教皇に選出され、教会大分裂(シスマ)に一応の決着がつけられた。
宗教改革者であり、プラハ大学学長でもあったヤン・ブスJan Husは、その説教の中で教皇の優位を否認し、いくつかの宗教儀式の意味を疑う発言をしていた。
1414年にヤン・ブスはコンスタンツ会議に呼び出され、異端の判決を受け、生きたまま焚刑に処された。
チェコではプロテスタンティズムの先駆者であったフスは、国民的英雄として敬われている。
また飛行船の発明者ツェッペリン伯はコンスタンツ生まれで記念碑が和議の館Konzilgebaudeの庭に建てられている。
コンスタンツは小規模の工業でもある。
1966年に建てられた大学があり、この町に住み約7人に1人は学生である。
アクセス
鉄道
空港のあるところからコンスタンツへはスイス・チューリッヒの方が近い。
スイス・チューリッヒ中央駅から空港駅経由でから急行ICNで約1時間20分、1時間間隔。
ドイツと・スイスの鉄道の駅がバーンホフ広場Bahnhofp1atzで隣接している。
交通機関
鉄道駅がボーデン湖の港に隣接している。
ボーデン湖のフェリーはここから発着している。
ゲステカルテGastekarte
コンスタンツ市内のホテルに宿泊する客にはゲステカルテGastekarteをもらえる。
市内のバスの滞在中何度でも自由に乗降できる。
1日乗車券 Thurgauer Tageskarte
ボーデン湖周辺のコンスタンツKonstanz、ザンクト・ガレンSt.Gallen、シャフハウゼンSchaffhausenの三角地帯をつなぐすべてのバス、鉄道、定期船(フェリー)に1日中自由に乗れるもの。スイスやドイツの郊外へ行くのに便利だ。
コンスタンツとブレゲンツBregenz(オーストリア)間を結ぶ定期船。
船会社:ヴアイセ・フロッテ Weisse Flotte
3月から11月初旬運航
メーアスブルクMeersburg(30分)、フリードリヒスハーフェン(1時間45分)、リンダウLindau(3時間30分)に寄港。
ウンター湖 Unterseeの定期船
船会社:ライン・スイス船舶会社 Schweizerischo Schiffahrtsgesellschaft Untersee und Rhein
シヤフハウゼンSchaffhausen行き、
ライヒェナウ島経由スイス行き、シュタイン・アム・ラインStein am Rhein行き(3時間)
バス
各方面とも季節や曜日によって発着頻度が異なる。
メーアスブルクMeersburg(35分)
フリードリヒスハーフェンFriedrichshafen(70分)
ライン滝(15分)
ボーデン湖 Bodensee(コンスタンツ湖)
東西に細長く、スイス、オーストリア、同つに接している。
湖の西端のドイツ・コンスタンツKonstanzから東端のオーストリア・ブレゲンツBregenzまでは46kmある。
-湖の外周は約273kmで、南部のスイス領は72km、東部のオーストリア領28km、残りの北西部173kmはドイツ領である。
幅は最長で14km,最深部は250m。
-冬期は濃霧に覆われることが多いが、そのほかの季節は四季折々の美しい景色が楽しめて、リゾートに訪れる人たちに人気のところとなっている。
(交通機関)
ボーデン湖に接する国の鉄道はドイツのメーアスブルクMeersburg以外はほとんど湖畔に駅がある。
湖畔に近い山々にはロープウエイもあってアルプスの眺望も楽しめる。
湖上には定期船・フェリーが就航しており、3月から11月の初めは、主要な町と町の間を頻繁に発着している。一日に何度も便が出ていて大きめの町ならどこへでも行ける。
コンスタンツの見どころ
主な見どころは旧市街地区に集中している
湖側から旧市街を眺めるには、観光船がおすすめ。
和議の館 Konzilgelbaude (宗教会議会場)
1388年に建てられたかつての倉庫や貯蔵庫だったが、1417年教皇マルティン5世を選出した教皇選挙会場に使われた。
現在はコンサート・ホール。内部見学は不可。
ツェッペリン(1838-1917)の記念碑Denkmal des Grafen Zeppelin
和議の館の向かいにあるヨット・ハーバーに臨む公園にある。
飛行船の設計者ツェッペリンは1838年に、公園の北へ行ったところにある小島(インゼルInsel)で生まれた。
大聖堂 Munster
わずかな高さではあるが、旧市街で最も高い地点にある。
建築が11世紀から19世紀にまで崩壊と再建が繰り返されたため、さまざまな建築様式があ現れている。
コンスタンツ会議もかつてこの大聖堂で開かれたことがある。
円天井は17世紀に、石のバルコニーに置かれているパイプオルガンはルネッサンス期に
主祭壇はバロック時代に、尖塔は19世紀に新ゴシック様式でというように変化している。
正面玄関右手の階段から、教会塔の展望台に上がって市内と湖を展望できる。
市庁舎 Rathaus
ルネサンス建築で、ファサードは、町の歴史をテーマにした絵で飾られている。
中庭には、16世紀の優美な建物(母家)が、二つの丸い塔にはさまれて立っている。
ロスガルテン博物館(Rosgartenmuseum)
昔の製肉商のギルドギルド会館Zunfthausだった建物で、
草を食むトナカイを描いた旧石器時代の有名な彫刻や、生き生きとした挿絵入りでコンスタンツ宗教会議の雰囲気や当時の町の日常生活を描いたウルリヒ・リツヒェンタールUlrich Richentalの編年史(1440年)のコピーなどが見どころ。
月曜休館。
周辺の見どころ
ライヒェナウ島 lnsel Reihenau
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マイナウ Mainau
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メーアスブルク Meersburg
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