ナヒチェヴァン自治共和国 Nakhichevan
概要
アルメニアとイラン、トルコに囲まれたアゼルバイジャンの飛び地となっている自治共和国。
イランとの境界にはアラクス川が流れ、その反対側の山脈によってアルメニアと国境を介している。
旧約聖書にでてくる「ノアの方舟」が流れ着いたとされるアララト山を抱くナヒチェヴァンには、多くの方舟伝説が残されている。
非常に乾燥したこの地域には、多くの塩埋蔵があることでも知られている。
ナヒチェヴァン自治共和国内の見どころ
ノアの墓 Noah's Grave
8世紀から12世紀に建造された、方舟伝説に登場するノアの記念碑。
20世紀初頭になって内部が地元の画家により美しい写真や絵で装飾されたが、それが後に再発見され建物の上部が付け加えられた。
伝説によると、都市の中で標高が高い地点であるこの場所に、ノアの墓が造られたと伝えられている。
岩塩坑 The Salt Mines
中心部から10キロ程の場所にある、ぜんそく治療のための岩塩坑。
ここでは投薬ではなく、洞窟に浮遊する塩の微粒子を吸引するという治療法が行われている。
「7人の眠り男」の洞窟 The Cave of the Seven Sleepers
映画「エフェソスの7人の眠り男」の舞台にもなった美しい洞窟。
コーランに記述されているキリスト教迫害の話だが、ある者はこの洞窟で309年もの間眠っていたという逸話も残されている。
この洞窟はイスラム教徒だけでなく、キリスト教の神話の地としても知られ、6世紀頃から多くの巡礼者が訪れている。
スネーク山 Snake Mountain
平原の中にぽっかりと突き出た標高2415メートルの山。山頂にある裂け目は、ノアの方舟によってできたという伝説が残されている。
モミネ・ハトゥン廟 Mausoleum of Momine Khatun
1187年に当時の統治者であった君主の后であるモミネ・ハトゥンのために建てられた霊廟で、「アタベク・グムバズィ」とも呼ばれている。
ガリスタン廟 Gulistan Mausoleum
アラス川の程近くにある小さな緑の谷間に建つ、繊細な幾何学模様が印象的な赤色砂岩でできた霊廟で、複雑な12面体構造をしている。
アゼルバイジャンの至宝と呼ばれる重要な建造物である。
カラバラ廟 Karabaglar Mausoleum
カラバラという小さな村にある霊廟。12世紀から13世紀に建造されたと見られている。
円形のこの霊廟の表面は、この時代の建築によく見られる12の半円を描き、カーペットのような色彩豊かな模様で覆われ、光沢のあるミルキーホワイトの碑文と、色鮮やかなトルコ石があしらわれている。かつてこの村には10,000の住宅、40のミナレットを持つ70のモスクと霊廟があり、この建物も中央の入口にあるミナレットに続く複合施設の一部だったと考えられている。
クダフェリン橋 Khudaferin Bridges
アラス川の北と南を結ぶ橋。
12世紀に造られた最初の橋は、15の径間を持つ長さ200メートル、幅4.5メートル、最高地点の高さは10メートルあり、橋の部分には川の石と焼きレンガ、土台には御影石が使用されていた。二つ目の橋は13世紀に建造され、最初の橋よりも小さい長さ30メートル、幅6メートルで、橋の最高地点の高さは12メートルある。
ハティンの墓 Momuna Khatin Tomb
ナヒチェヴァンの西にある、高さ34メートルの壮大な記念碑。
12世紀初頭にアゼルバイジャンの建築家によって建てられた。
地下には、十角形をした墓所があり、墓を造らせたハティンの妻と息子もそこに眠っている。
オルドゥーバード山と岩絵 Gamigaya Rock Drawings
オルドゥーバード山は、古代の神聖な神々の一つと考えられている。この山には、紀元前4千から千年のものと見られる岩の表面を傷つけて線刻描画したペトログリフが残されている。
ハーン・パレス Han Palace of Nakhchivan
カルバリ・ハーン・カンガリによって18世紀に建築された、東洋の建築様式の宮殿。20世紀初頭まで、ハーンの居城として使用されていた。
(wikitravelより)