ドイツのソーセージいろいろ
ドイツは寒い地方で、食肉の加工品が普及している。
ソーセージ、ハム、ベーコンなどがあげられるが、いずれも食肉を腐らないように塩漬けするのはほぼ同じだが、そのあとの過程によって違いが出てくる。
ハムやベーコンが塩漬けにした豚肉をボイルしたり、燻製にするが、
ソーセージは肉を塩漬けしてひき肉にし、練ってから羊の腸に詰める。
ソーセージは豚肉が主流だが、地方によっては牛も使われ、ミックスされる場合もある。
豚肉でもいろいろな部位が用いられる特殊なものもある。
ドイツではソーセージが地方や村ごとに味や形状も違うため、種類も大変多い。
限られた村でしか食されていないものもあるが、主要な都市では大体その地方で広く食べられているものが出回っている。
食べ方は、路上の屋台で焼いてパンに挟んだり、ポテトなどと一緒に食べられたり、レストランでオーダーすることもある。
ドイツのソーセージの主なもの
フランクフルター Frankfurter
フランクフルト生まれの細長い茹でソーセージ。
日本では細長いのはすべて「フランクフルト」称しているが、若干違う。
チューリンガー Tueringer
ドイツのほぼ中央部、旧東ドイツの地域に位置するチューリンゲン地方生まれ。
焼いてパンに挟んで食べるのが一般的で、週末の繁華街や、スポーツイベント会場周辺の屋台で売られている。
ニュルンベルガー Nuernberger
バイエルンの北部のニュルンベルクが発祥。
手の指くらいの大きさで、日本ではウインナーソーセージとして売られる形状のものだが、主に焼いて食べる。
レストランでは、8~12本くらい出てくる。
コーブルガー Coburger
ニュルンベルクに近いバンベルクから少し北へ行ったコーブルクCoburgで食べられている長い焼きソーセージ。
ミュンヒナー・ヴァイスヴルスト Munchener Weisswurst
仔牛肉を使った太くて白いソーセージで香草を混ぜる。
バイエルンの名物料理にひとつだ。
燻製をしていないため保存が利かないので、昼食に出てくることが多い。
屋外より、レストランで食するもので、湯の中に入れられて出てくることもある。さらの取りだして皮を向いてマスタードをつけて食べる。
カレー・ソーセージ(クリー・ヴルスト)Curry Wuerst
焼いた太長いソーセージを輪切りにして、その上にケチャップを掛け、さらにカレー粉をまぶしたもの。
ソーセージ本体にカレー粉が入っているわけではない。
トルコなど中東から移住してきている人たちが持ち込んだ味で、移住者の多いベルリンなどで多く出回っている。
ボックヴルスト Bockwurst
フランクフルターより粗めに挽いた豚肉を使ったソーセージですこし柔らかめ。
北の地方ではニンニクを入れたりする。
ビーアヴルスト Bierwurst
牛肉を挽いて脂肪を混ぜ、ガーリックなどの香辛料を加える。
サラミよりやわらかい。
文字通りビールに合う。
ブルートヴルスト Blutwurst
豚肉の背脂と血のソーセージ。血だけで作られることもある。
時には牛または子牛の血を使うこともある。保存が利かない。
ツンゲンヴルスト Zungenwurst
ブルートヴルストの肉の代わりに舌Zungeを使ったもので、 切り口に血の黒と舌のピンク、脂肪の白が見えるソーセージ。
レバーヴルスト Leberwurst
良質の豚や牛のレバーと仔牛肉または豚肉をペースト状にすりつぶし、 豚の腸に詰めて弱火で茹でるもので、日本ではレバーペーストと呼ばれている。
ドライソーセージ Rohwurst Dauerwurst
一般にサラミといわれるもの。
キプロス島の古都サラミスが発祥地と言われる。
腸詰めにした後で冷燻して乾燥させる。
生ハムKatenschinkenやベーコンSpeckもこの種類に属する。
メットヴルスト Mettwurst
脂肪のない豚の挽き肉のソーセージで。サラミより水分が多いが、3週間から1ヶ月保存できる。