ウルム Ulm
バーデン・ヴュルテンベルク州
人口約130,000人
概要
バーデン・ヴュルテンベルク州とバイエルン州の州境を流れるドナウ川(左岸)に面している。
アウクスブルクの西約70km、シュトゥットガルトの南東70kmにあり、
シュトゥットガルトとミュンへンを結ぶ大街道筋に位置し、古くから商業活動に適していた。
シュヴァーベン山地を下りてきたイラー川Illerがドナウ川に合流して大きな川になるところにできた町。
現代物理学の父、アルベルト・アインシュタインがが相対性理論を立てたのはベルリンであったが、生まれは1879年にウルムである。
1377年に始まった大聖堂の建築は1890年までかかった。
1641年には、ドイツで最初の市立劇場がオープン。
1810年ナポレオンによって周辺の国境が定められ、ドナウを境にウルムはヴュルテンベルク領となり、この頃新たに成立したノイウルムNeu Ulmはバイエルン領となる。
第二次世界大戦では街の3分の2が破壊されたが、戦後は大学研究都市、国際都市として発展を続ける。
ドナウ川の南側は人口5万1000人のバイエルンの街、新ウルムNeu-Ulmである。
ウルムから北へ35kmのところにある小さな町ギーンゲンGiengenで、ドイツが世界に誇るテディベアブランドぬいぐるみ人形のマルガレーテ・シュタイフが1902年に誕生した。
創業125周年を記念して、2005年に本社横にシュタイフミュージアムSteiff Museumがオープンした。
ウルムへのアクセス
鉄道
フランクフルト中央駅Frankhurt am/M Hbf.からミュンヘンMunchen方面行き特急ICEで約2時間30分。2時間間隔。
フランクフルト空港駅Frankhurt am/M Flughafen.からミュンヘンMunchen方面行き特急ICEで約2時間10分。2時間間隔。フランクフルト中央駅からの直通列車とは別のルートで走る。
ストゥッツガルトStuttgartからは同じルートとなるので、急ぐ場合にはストゥッツガルトで乗り継ぐといい。
ミュンヘンからはウルムまで約1時間15分。
ギーゲンへのアクセス
テディベアのシュタイフミュージアムSteiff Museumを訪れる場合には、
ウルムUlmからアスレンAslen行きでローカル列車で約30分ギーンゲン駅Giengen Brenz下車。ほぼ1時間間隔
駅から右に進むとブレンツ川の端がある。これを渡るとすぐ左にシュタイプ本社屋がある。ほぼ中央にミュージアムがあり、左手奥にアウトレットもある。
見どころ
ウルム大聖堂 Ulmer Munster
世界一高い塔を持つゴシック様式の大聖堂は、街の中心。
161mの塔へは768段の階段で上れる。
下り用の階段を降りてくると、教会内部を見学できる。
絵画、レリーフ、ステンドグラスなど精巧な美術品が多い。
市庁舎 Rathaus
1370年に百貨店として建てられ、1419年から市庁舎として利用されている。
壁面はフレスコ画で彩られ、南側の切妻壁にはウルムと取り引きのあった街の紋章と古いドナウ船が、東側にはアラビア数字で示された天文観測用時計がある。
市庁舎の中ではペルプリンガーのハンググライダーの複製が見られる。
隣接するマルクト広場Marktplatzには「いけすFischkasten」と名付けられた泉水がある。
聖霊教会 Heilig-Geist-Kirche
天を指す指の形をした鐘楼力て人目を引くこの近代的な教会堂は、市街の南西地区ウルムを見下ろす見晴らしの良い場所にある。
シュタツトハウス Stadthaus
大聖堂広場Munsterplatzにある。
1993年にアメリカ人建築家リチャード・メイアーが設計したもの。
ゴシック建築物の隣にモダン建築を建てると物議をかもしていた。
州の観光局などが入っている。
ウルム博物館 Ulmer Museum
町の有力者の館であった建物に設けられたもの。
ウルムの巨匠たちの作品を展示する。20世紀はピカソ、クレー、カンディンスキーらの作品もある。
パン文化博物館 Brotmuseum
大聖堂広場の北に、1592年建造のウルムの塩納屋Ulmer Salzstadel内に設けられている。6000年におよぶパンの文化・社会史がここに繰り広げられ、パンという室本食糧と、宗教、習俗、政治との関係を浮き彫りにしている。
穀物の粒からパンが作られる過程が、わかりやすく解説されている。
漁師地区 Fischerviertel
古い家並が残る一角で、毎年7月最初の月曜に、市長がシュヴェーアハウスSchworhausで1397の市の条例に忠誠を誓う。
アインシュタインの泉&記念碑
大聖堂から北東に約750m、ウルムに生まれのアインシュタインを称えた風変わりな噴水がある。
肉屋の塔Metzgerturm