ヤークストハウゼン Jagsthausen
バーデン・ヴュルテンベルク州ハイルブロナー・ランド地方
人口:約1,800人
概要
ヤークストハウゼンは伝説的な「片腕の騎士」(ゴットフリード・フォン・ベルリヒンゲン Gottfried von Berlichingen)(1480年~1562年7月23日)の生誕地。
中世ドイツの騎士である。戦争で片腕を無くすが鋼鉄の義手を付けて戦い続けたことから「鉄腕ゲッツ」の異名を誇った。
史実の人物としてよりもゲーテが24歳の時に書いた戯曲ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲンを書いたことにより、この騎士の名前は永久に残ることになった。
騎士ゲッツは1480年にベルリッヒンゲン家の城で生まれた。ゲッツがランツフートの継承戦役で失った片腕にはめていた義肢は、現在、城内博物館に展示されている。
ゲーテの作品ではかなり美化されて英雄として描かれているが、史実では決闘と称した強盗、恐喝、追いはぎを繰り返して財産を築き強盗騎士と揶揄されたほどで、血の気が多く戦いには首をつっこまずには居られない性分だったという。
彼の生きた時代は「最後の騎士」と呼ばれた神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世の時代であり、騎士が衰退していく時代であった。
ヤークストハウゼンには、3つの城と2つの領主館がある。これらの建築は周辺の歴史的な農場や住居とともに、魅力的な雰囲気を遺している。
ヤークストハウゼンでは夏の間この世界的戯曲を上演している。
アクセス
公共交通機関を利用すると不便だ。
ストゥッツガルト駅Stuttgart Hbfからアーレン駅Aalen Hbfまで特急ICで約50分。
アーレンからバスで約20分。
バス簿頻度が少なく、ほぼ2時間間隔。
ボフィンゲンBopfingenでバスの乗り継ぎもある。
見どころ
ヤークストハウゼン城(ゲッツの城)
14世紀から15世紀に遡る歴史的な城館であり、ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンが幼少時代を過ごし、後年、特にゲーテの史劇「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」でその名を知られる。
現在の建物は、1876年から78年に、ウルムの聖堂建築家アウグスト・フォン・バイアーにより改築、増築がなされたものである。
1950年以降、この建物は夏)の野外劇の舞台装置として用いられている。
ゲッツの城の城館博物館には、ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンの本物と言い伝えられている鉄の義手やローマ時代の遺物がある。
1994年以降、ヤークストハウゼンでは毎年、著名な芸術家の作品を展示する彫刻展示会が催されている。
赤い城(ローテ・シュロス)
1572年に建設された。18世紀にファサードとマンサード屋根が増築され、現在の外観となった。
白い城(ヴァイセ・シュロス)
1792年にネオバロック様式の領主館として建設され、広い庭園が付属している。
ゴシック様式で造られた8角形の塔を持つ福音派ヤコブス教会は、15世紀に初めて記録されている。
旧町役場
1513年の木組み建築。地区の中心にあるもう一つの町役場は、市の泉とともに、より新しい建物である。
地区の中心部には、ローマ浴場の考古学的遺産と野外博物館がある。
ヨハネス教会
オルトハウゼン地区にある。ヨハネス教会ができる前、すでに13世紀に建てられた礼拝堂が同じ広場にあり、ヴィッデルンの聖母教会が管轄していた。
ヨハネス教会は1408年に建設された。その後、司祭館が崩れてしまい、オルンハウゼンでは宗教儀礼が執り行えなくなってしまった。
このためベルリヒンゲン家は、ヤークストハウゼンからオルトハウゼンに聖職者を補充させた。
現在までオルトハウゼンにはヤークストハウゼンから聖職者が派遣されている。
この教会にはローマ時代の祭壇石、1668年のキリスト十字架像、1796年のメツラー・オルガンがある。
最も古い鐘は1510年製である。聖具室への入り口近くに、1408年にラインハルト司教によって建設された旨の、石工の書き込みが遺されている。
フリードリヒ・クラプフ博物館
旧町役場にある。2000点以上のローマ時代の出土品が展示されている。