ハイルブロン Heilbronn
バーデン・ヴュルテンベルク州ハイルブロナー・ランド地方
人口:約12万人
概要
ハイルブロンはワインの都市またはケートヒェンシュタットとして知られている。後者は、この都市が、劇作家ハインリヒ・フォン・クライストの戯曲『ケートヒェン・フォン・ハイルブロン』によって有名になったためである。
ハイルブロンはドイツの赤ワイン生産地域ナンバーワンの中心地で、ネッカー川に面して51Oヘクタールのブドウ栽培面積がある。
ヴァルトベルク山の斜面にある全長6kmのワインパノラマ道を歩けば、ブドウ栽培の事情がよく分かり、歴史を物語る遺跡を見ることができる。
ワイン・ヴィラ・ハイルブロンで芳醇なワインをしっかりと試飲されるといい。
毎年9月に市庁舎の前で開かれる「ハイルブロン・ワインビレッジ」では飲み比べもできる
。
30のワイン醸造業者や組合が300以上のワインとセクトを披露する。
古きハイルブロンは第二次大戦で多くは破壊されてしまったので、戦後に修復され若い装いになっている。いくつかの重要な歴史的建造物は爆撃をまぬがれ、キリアン教会やゲーテの作品「ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン」に出てくるゲッツの塔と呼ばれる市防御施設などの建物は再建された。
ハイルブロンの名を知らしめたのは、劇作家ハインリヒ・フォン・クライスト(1777‐1811)の世界的名作である戯曲「ハイルブロンのケートヒエン」の主人公ケートヒエンである。
愛慕する人に絶対の献身をなす清純可憐な典型的ドイツ娘を主人公ケートヒエンとして,クライストがその若々しい夢や憧憬や情感を吐露しつくしたロマンティックな騎士劇である.
クライスト自身はハイルブロンに足を踏み入れたことはなかったという。
ハイルブロンでもっとも人気のある人物となっている。
市内にある14世紀ゴシック様式の石造りの建物がケートヒェン・ハウスと呼ばれているが、 1843年にガイドブックがそう紹介して、以来そう呼ばれているという。
ハイルブロンの町や近郊を巡るネッカル川の遊覧船もある。
ハイルブロンへのアクセス
フランクフルト中央駅Frankfurt(Main)Hbfから特急ICEでマンハイムまで37分
マンハイムMannheim HbfでステュットガルトStuttgart行きに乗り継いで
ハイルブロン駅 Heilbronn Hbfまで普通列車で1時間15分。
ハイルブロンの市街地
中心地のマルクト広場に面していたり、その周辺に歴史的建造物は集中している。
ハイルブロンの市街地にはたくさんの塔がある。
ボルヴェルク塔とネッカー川沿いのゲッツ塔は中世の都市防衛施設の遺構である。ジュルマー通りのハーフェンマルクト塔は、かつてのハイルブロン・フランチェスコ会修道院の修道院教会の塔であり、1688年に修道院が破壊された後、塔だけが再建されたものである。見るべき塔はこの他に12世紀に都市の高台側を監視するためにヴァルトベルクに造られた見張り塔がある。シュヴァインスベルクの展望塔は、1886年に歴史的な外観で建てられた。ゲネラール・ヴェーファー塔は、第二次世界大戦当時のトーチカである。
ハイルブロンはまた、噴水や記念碑が数多く建てられている。
市内には50以上の噴水がある。
記念碑には、多くの戦争記念碑、難民記念碑、旧シュタインボック強制収容所記念碑、安楽死政策の犠牲者追悼碑、1985年にヴァルトハイデで起こったロケット事故の犠牲者の追悼碑などがある。
ハイルブロンの見どころ
市庁舎
マルクト広場にある。戦後の建てられたものだが、装飾性の高いすばらしい天文時計がある。 1580年にイザーク・ハプレヒトが製作した天文時計の内側の円は、太陽、月、火星、水星、木星、金星、土星の天体で曜日を表示する。 真ん中の円に12の黄道十二宮の動物シンボルで表されている。 外側の円には、日、週、月が出て、時間は一時間毎に示される。 トロンボーンを吹き、鐘を数える回転する天使、頭を突き合わせる金色の雄羊、出窓で鳴く雄鶏が、劇を演じる。
中庭には戦没者記念館が設けられている。
キリアン教会
13世紀の建造。
ハイルブロンで最もよく知られたプロテスタントの教会。
1529年に完成した西塔は、アルプスの北側で最も重要なルネサンス建築と讃えられている。ハンス・ゼイファー作の彫刻によるマリア祭壇も15世紀に作製された重要な保護文化財である。
ハイルブロンは、1528年にヨハン・ラハマンによって宗教改革がなされて以降、キリアン教会を中心に福音主義信仰が広まった都市である。
現在、プロテスタントは住民の約38%と多数派を占めている。カトリック信者は24%、その他少数のユダヤ教、イスラム教徒である。