バート・ヴィンプフェン Bad Wimpfen

バーデン=ヴュルテンベルク州
ハイルブロナー・ランド地方
人口約7,500人


概要

ドイツで最もシルエットの美しい木組みの町と言われている。
カラフルな木組みの家々や中世の面影の残る石畳の街並みがとても美しい町だ。
ネッカー川沿いの街ハイデルベルクHeidelbergの上流56kmに位置する古城街道沿いにある小さな保養地。

町は、下の町 Wimpfen im Tal と、上の町 Wimpfel am Berg の二つに分かれていて、シルエットが美しいのは上の町だ。
上の町には12世紀にシュタウフェン王朝の宮廷が築かれ、後には商業の中心として繁栄した中世の佇まいが残る町並みが広がっている。
第二次世界大戦では大きな戦災を免れたため、歴史ある古い建物が多く残されている。

バート・ラッペナウと並んで、バート・ヴィンプフェンはハイルブロナー・ランドにおける二番目の公認塩水鉱泉保養地である。
1835年に保養ホテル・マチルデンバートが建設されてから、多くの人が訪れる湯治場に発展してきた。近代的なウェルネスの施設が整っている。
製塩業が興り、丘のふもとにはルートヴィヒスハレの塩田が広がっている。塩田の開発は、この地方全体、とりわけ旧参事会聖堂を中心に形成されたバート・ヴィムプフェン・イム・タールの町に富をもたらした。

現在バート・ヴィンプフェンのある場所には、紀元前450年ごろにはケルト人、西暦85年ごろにはローマ人が住んでいた遺跡が見られる。町の名前は「山の城壁」を意味するケルト語に由来する。「ヴィンプフェンの神の国」とも呼ばれているが、これはローマ人が残していった多数の神の彫像群によるもので、シュタインハウスSteinhaus(石の家)の歴史博物館に展示されている。
今日の町のシルエットはシュタウフェン朝時代に建てられた建造物によるもの。
13世紀初めにシュタウフェン家が建設したの居城跡が残っている。

バート・ヴィンプフェンへのアクセス

フランクフルト中央駅Frankfurt(Main)Hbf から特急ICEまたは快速列車REで約40~50分
マンハイム駅 Mannheim Hbf着、乗り換えて
ステュットガルトStuttgart方面行き普通列車REで1時間~1時間半
バート・ヴィンプフェンBad Wimpfen 着

ハイデルベルクからは直通で40分~80分(時刻によって所要時間に差がある)

バート・ヴィムプフェン・アム・ベルク Bad Wimpfen am Berg

マルクト広場 Marktplatzを出発点として散策するのがおすすめだ。
広場に面してツーリストインフォメーションがある。

皇帝の城館の廃墟 Kaiserpfalz

市庁舎の後方に孤立する形でそびえ立っている「青塔Blauer Turm」がまず目に入る。
この塔は、1200年ごろ建てられ、19世紀まで監視塔として使われてきた。塔の頂からは、市街地とネッカー川の流域を一望のもとに見渡すことができる。
塔よりさらに遠<にある、歯状装飾のある切妻(IB世紀)を持ったシュタインハウスSteinhausと呼ばれるロマネスク様式の家には、古代ローマからの町の歴史をたどる歴史博物館がある。シュタインハウスはシュタウフェン家の女王が居住していたとされるところで、20世紀に至るまで貯蔵庫として使われていた。
シュタインハウスを見下ろす眺めの良いテラスから、階段を8段降り、城壁の下に沿って進むと、右手にロマネスク様式の小アーケード列が見えてくる。
旧宮殿の回廊の明かり取りの役割を果たしているこれらの小アーケードに施された、凝りに凝った装飾は、ホーエンシュタウフェン家の人々の建築家としての才能を想起させる。ロマネスク建築は、ホーエンシュタウフェン家の時代に絶頂期に達したのである。
城壁に沿って歩き続け、右手の階段をのぼって城壁を越え、王家の避難場所だった「赤い塔 Roter Turm」の下の突端まで行く。
石造りのアーチ Arkaden の跡がある。ここはかつての宮廷広間だったところだが、現在はその建物はなく、北側の壁とアーチだけが残されている。アーチの一つ一つの柱には異なる模様が施されていて、最も美しいロマネスク建築の一つに数えられている。
中心部に戻り、ホーエンシュタウフェン門Hohenstaufentorをくぐっで、修道院通りKlo stergasseまで行く。
周りを庭で囲まれた木骨組の家屋が建ち並ぶ修道院通りKlostergasseを行くと、左手に、外側に設けられた回廊でそれとわかる、昔の公衆浴場Badhausが見えてくる。
(歴史博物館は月曜日と冬季は閉館)

バート・ヴィムプフェン・イム・タール Bad Wimpfen im Tal

聖ヘテロ・聖パウロ司教座教会 Stiftskirche St.Peter und Paul

カール=ウルリヒ通りCarl Ulrich-Strasseの先のバート・ヴィムプフェン・イム・タールにある。
ゴシック様式のこの教会は、前身のロマネスク様式の建造物であった、驚くほど粗々しいヴェストヴェルク(西正面付属建造物を残している。
中庭回廊Kreuzgangは、次第に無味乾燥になっていくゴシック様式の変遷を見せてくれる。
13世紀の東の回廊は、三つないし四つの葉形刳(くり)込み模様を持つすべての窓の輪郭の端正さと、その彫刻装飾によって、ゴシックの「最盛期」を示している。
すでに角張った輪郭を持つ北の回廊は、1350年頃のもので、15世紀末に造られた西翼は、図式的な特徴を示しており、理性的なルネサンス様式への移行の兆しがうかがえる。

バート・ヴィンプフェンの周辺の見どころ

自動車・科学技術博物館 Auto und Technikmuseum

シュタインヴェークSteinwegを経て西に25km。ジンスハイムSinsheimにある。
この博物館は、機械で動くあらゆる種類の機器を驚くほど大量に集めている。
最初の建物の中では、今世紀初頭の威風堂々たる農業用トラクター、蒸気機関車、最高級の自動車(ブガッティ、メルセデスなど)ならびに、量産方式で製造された最初のグライダーであるリーリエンタールLilienthai号(19世紀末)を復元したものなどを見ることができる。二番目の建物は、主として軍用機材(戦車、大砲、航空機)の展示にあてられている。

ネッカー川渓谷 Neckartal

バート・ヴィムプフェンの下流でネッカー川は、オーデンヴァルトOdenwald の砂岩質の山塊を横切り、数々の城がそびえる樹木の生い茂った斜面の間を流れる。河川輸送の大動脈であるライン川とつなかっているため、この川の交通量は多い。
車で周遊すると74km所要約4時間ほどのドライブになる。

グッテンベルク城 Burg Guttenberg

この城の山側はおそろしく大きな防御城壁で守られている。
城内には、好奇心をそそる古文書と美術工芸品のコレクションがある。
18世紀の植物標本叢書は、本の形をした92の木製展示箱の中に植物標本が収められているもの。マント姿の聖処女を描いた装飾衝立(15世紀)も注目に値する。
主塔から見るネッカー川の眺めが素晴らしい。

ホルンベルク城 Burg Hornberg

ネッカーツィメルンNeckarzimmernを起点に1.5km。 ぶどう畑に覆われた小さな丘の頂にあるこの城塞は、その高い円筒形の主塔のために、遠くからでもそれとわかる。城の一部は博物館に改造されており、1562年にここで生涯を閉じたゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンGotz von Berlichingenの鎧兜を見ることができる。塔からは、ネッカー川渓谷を遠くまで見渡せる眺望を楽しむことができる。

ヒルシュホルン・アム・ネッカー城 Hirschhorn am Neckar

城は、二つの谷の間の要塞化された尾根の上に建てられている。テラス(レストランになっている)または塔(121段の辛い階段を登る)からの、蛇行するネッカー川と緑豊かなその谷間を見渡す眺望は雄大そのものである。

ネッカーシュタイナハ Neckarsteinach

集落を見下ろす四つの城で名高い景勝地。

ディルスベルク Dilsberg

ネッカーグミュントNeckargemundから45km。 「Burgrine (城塞廃墟)」の標識に従って進み、城の廃墟にたどり着く。
97段の階段を登った塔の上からは、弧を描いて流れるネッカー川を見渡すパノラマが楽しめる。
城の対岸、ネッカー川右岸を通って、ハイデルベルクへ行く道の眺めはじつに素晴らしい。

ネッカースウルム Neckarsulm

東南に10km。
昔のドイツ騎士団の城が、ドイツニ輪車・自動二輪車博物館Deutsches Zweiradmuseumになっている。ドイツでの二輪車発展の基礎を築いたNSU工場の近くにあり、二輪車の進歩の跡を起源からたどることができる。















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