ノイブルク・アン・デア・ドナウ Neuburg an der Donau
バイエルン州
人口:約30,000人
概要
ドナウ河畔にある城郭都市。
ドイツ国内には「ノイブルク」という名の地名が複数あるため、それらと区別するために"an der Donau"（「ドナウ川沿いの」の意）が付けられている。 交通機関などでは
Neuburg(Donau) と表示されている。
ノイブルクの街はアウグスブルクの北東70km、ミュンヘンから北北西方向に100kmにある。
西から東へ蛇行しながら流れるドナウ川に面し、レオポルディネン島という中州がある地点のドナウ川の南岸（右岸）に旧市街が広がる。
ルネサンス様式とバロック様式の入りまじったこの小さな街は、石灰岩のなだらかな丘になっている。
紀元後1世紀、この地まで進出してきたローマ帝国の駐屯地が築かれ、その周囲に住民が住み始めたのが街の起源。
その後、ローマ帝国はさらに拡大したので、この駐屯地はさらに奥地に移されたが、住民だけは残った。
5世紀ににはゲルマン民族の度重なる襲撃のため、住民はドナウ川の南側に居を移す。この部分には岩山があったので、これを利用して最初の城砦を築かれた。
現在ある城は1530年から1545年にかけて、選帝侯オットー・ハインリヒによって建てられたもの。
通常、王の居住する城は敵の攻撃から遠い場所に城塞を構築して建てられるものだが、ノイブルクが他の城塞都市と違って、城が街の入り口に建っている。
ノイブルク（ドナウ）へのアクセス
ミュンヘン中央駅Munchen Hbf から
インゴルシュタット駅 Ingolstadt Hbf まで特急ICEで約20分、乗り継いで
インゴルシュタットからウルムUlm行きローカル線で一つ目、約5分
ノウブルク（ドナウ）Neuburg(Donau)
乗継時間にもよるが、所要時間約1時間、ほぼ1時間～1時間半間隔。
旧市街
駅から10分ほど歩くと、通称「赤い門」に到着する。
ここをくぐると旧市街が始まる。
旧市街の建物がみんなカラフルでさっぱりしている。木組みの白壁造りの古い面影はあまり感じない。
カール広場
広場の真ん中にはマリア像が立つ噴水がある。
広場に面して階段の立派なルネッサンス様式のノイブルクの市役所の建物が建つ。
アマリーエン通りAmalienstrasse
街のメインストリート。立派な建物が建つ通りで、州立図書館 Staatliche Bibliothek Neuburgもある。
ノイブルク（ドナウ）の見どころ
ノイブルク城 Schloss Neuburg
1530年から1545年にかけて、プファルツ＝ノイブルク公領初代選帝侯オットー・ハインリヒは、この街にその居住地を置くことにし,多額の費用を投じてノイブルクの中世居館をその地位に相応しいルネサンス風の豪華な宮殿の改築を命じ、20年以上の工事期間を経て作り変えた。
あまりの莫大な建造費のため、誕生したばかりのファルツ-ノイブルク領は破産してしまう。公爵領の財政状態が改善さてたのは、次の代になってからである。
二つの塔をもつ東翼は1665年から1668年にかけての建築である。
初期ドイツ･ルネサンス様式の二層の外廊に囲まれた中庭がある。
中庭の西正面は旧約聖書の諸情景を描いた絵で飾られている。
入口のアーケードは、フレスコ画（1543年）に飾られた礼拝堂Schlofckapelleにも通じている。
東翼の中には博物館Schlossmuseumがあり、新石器時代の遺物、プファルツ・ノイブルクPfalz-Neuburg選帝侯家の歴史、宗教芸術などを展示している。
城の西側に、ルネサンス末期の宮廷教会Hofkirche (1607～1627)がある。
豊かなスタッコ装飾に飾られた天井は反宗教改革時代のもの。バロックの中央祭壇（1752～1754）はJ.A.ブライテナウアーBreitenauerの作。彼はまた説教壇の作者ともみなされている。
ペーター・パウル･ルーベンス、ヤン･ブリューゲル(父)、アントニス･ファン･ダイクをはじめ120点余りのフランドル派の絵画を収集展示をしている。
2005年にミュンヘンのアルテ･ピナコテークのバイエルン州立絵画館支部の絵画館となっている。
宮廷教会 Hofkirche
市役所の横に建つ。
ノイブルクが小さな城塞都市であった10世紀の頃から、教会が建っていた。
オットハインリヒ公爵がプロテスタントに改宗したので、この教会をプロテスタント教会への改築を命じた。オットハインリヒ公爵の存命中には完成せず、その後、別の建築家が17世紀に作り直した。ノイブルクはバイエルン公爵に併合されてカトリック教の街になったので、この教会も現在はカトリック教会となっている。