アルトエッティング Altoetting
バイエルン州
人口:約13,000人
概要
ミュンヘンの東90km、オーストリアのザルツブルクの北65km。
ドナウ川の支流イン川 Innのほとりに佇むバイエルン州の古都。
町の中心部をイン川支流のメルン川が流れている。
この町は、カトリック教徒巡礼の地として知られている。
わずか人口1万数千人程度の小さな町だが、ドイツ最大のカトリックの巡礼の地であるだけでなく世界中から、毎年100万人ほどのカトリック教徒が巡礼に訪れる場所である。
このアルトエッティングの町の中心となるのが、カペル広場 Kapellplatz。
この広場に面して建つ小さな教会が、慈悲教会 Gnadenkapelle。
この教会をめざして、世界中から巡礼者が押し寄せる。
教会の礼拝堂に祀られた「黒い聖母マリア」を訪れることで有名である。
元来、ドイツというとプロテスタントが主流の国だが、バイエルン州はイタリア文化の影響が濃く、基本的はカトリックの勢力圏となっており、少し前、ローマ法王だったベネディクト16世はアルトエッティングからイン川 Inn をこえて東に少し行ったマルクトルMarktlという町の出身でもある。
この慈悲教会礼拝堂は8角形ををしており、西暦700年頃にできたという。
そして、この礼拝堂の奥に立つ70cmほどの大きさの木製(シナノキ)で作られたこの聖母子像がある。訪れる人々の目的の中心は、この「黒い聖母マリア」への参拝である。
訪れる人々の目的の中心は「恵みの礼拝堂」にある「黒い聖母マリア」。シナノキで作られたこの聖母子像は時代の経過と共にろうそくの煤などで黒くなっていったことからこのように呼ばれている。
この彫像は1330年頃に作られましたという。そして1489年に事故で重体になった男の子が聖母マリアに祈りを捧げて助けを求めた後に生還するという奇跡が起きた。それ以降、奇跡をもたらすマリア像として、この像をお参りすることが、巡礼の目的となったという。
1670年、聖母子像を安置した祭壇には銀の荘厳な装飾が加えられた。聖母子像の向かいには歴代のバイエルン王らの心臓が納められている。
なかでも、有名なのがノイシュヴァンシュタイン城を建てたルードヴィッヒ2世の心臓も保管されている。
まさに「バイエルンの(信仰の)心臓」と呼ばれているものである。
(内部は撮影禁止となっている)
この礼拝堂の周囲の壁面には、数世紀に渡って巡礼者が「願いがかなって感謝」の気持ちを表した奉納額が2000枚ほどぎっしり掲げられている。
バロック建築物が並ぶカペレ広場 Kapellplatzでは例年12月になると伝統的なクリスマスマーケットが開かれる。大都市の華やかさはないが、昔ながらのクリスマスマーケットが楽しめる。
アクセス
鉄道
ミュンヘンからはローカル列車で1時間45分、ほぼ1時間間隔ミュンヘン中央駅 Munchen Hbf.から70分
Muhldorf(Oberbay) 乗り継ぎ(20分ほど)
Altoetting まで15分
日帰りする場合には帰路の時刻を運行本数が少ないのであらかじめ確認しておく必要がある。
見どころ
慈悲教会 Heilige Kapelle(Gnadenkapelle)
聖マッダレーナ教会 St. Magdalena
聖コンラド教会 Kapuzinerkloster St.Konrad
聖アンナ教会 Basilika St. Anna
パノラマ Jerusalem Panorama
町の中心より少し外れたところにある施設。
エルサレムの全景を表すパノラマ用の建物が造られ、大きな回覧式の絵画にイエスの十字架道行きが描かれている。
一人の信者が1903年に作ったもの。