レンツブルク Rendsburg
シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州
人口:約29,000人
概要
キールKielの西36km。
レンツブルクは、アイダー川Eider沿いの町で、アイダー川を越えてデンマークへ続く大街道上に位置するため、北ドイツの戦略上の拠点のひとつとされてきた。
16世紀の市役所と13世紀の聖マリア教会を中心に身を寄せあうように家々が集まっている旧市街は、昔はアイダー川の中の島だったところ。
今では、17世紀にこの地を守るために作られた二つの防塞地区に、その両側を囲まれている。
1895年に完成したキール運河と旧市街に挟まれた南側のノイヴェルクNeuwerk地区は、中央に広大なパラーデ広場Paradeplatzがあり、そこから放射状に街路が伸びているのが特徴的なところ。
レンツブルクの南側には、ヨーロッパで最も長い鉄道橋 Eisenbahnbruckeがある。
運河の下には長さ640mの自動車のトンネルがあり、平行して歩行者用には、1278mのエスカレーターや動く歩道が併設されている。世界最長の歩行者トンネルといわれている。
第2次世界大戦では戦災は軽微であり、1955まで英軍が占領していた。
レンツブルクの旧市街地は中州に市庁舎と聖マリア教会を中心に木組みの家が残り、南の新市街は放射状の整然とした区画に公共建物や要塞の残りが残っている。
レンツブルク鉄道橋 Rendsburger Hochbrucke
ユトランド半島を経てスカンジナビア半島へつながる重要な鉄道路線の一部である。
ユトランド半島の根元部分で北海とバルト海を横断するキール運河に架かる鉄橋。
キール運河には大型の外航船が航行するため、その航行を妨げないため線路を水面から42mほど持ち上げる必要があった。
レンツブルクの街の中心地はキール運河のすぐ北側にある。街の中心地に駅を設置すると、そこからキール運河までの僅かな距離で42mも高度を上げることは不可能であった。
そのため、レンツブルク市街地で円形のループ線を設置し高度を上げていくことになった。線路は東側エーレンルンデ地区をループ状に一周して駅と鉄道橋をつないでいる。
ループ線は長径が約1.7km
こうして1913年に高さ42m、長さ2486mの鉄道高架橋が完成した。
さらに橋からロープで吊り下げられた巨大ゴンドラの輸送橋が移動し,4台の車両と60人の歩行者を輸送することができるようになっている。
レンツブルクへのアクセス
キールKiel Hbfから普通列車REで約30分、ほぼ30分間隔
市街地
小さな町で歩いて散策できる。駅から旧市街までも数分にある。
市庁舎とマリエン教会を中心に広場ができている。南のNeuwerk地区は広いParadeplatzを中心に要塞の跡が残る。
見どころ
市庁舎
1566年の建造。
正門上に1609市章を飾り、市長室は絵画で飾られ一般公開されている。
2時間毎に鐘が鳴らされる。
マリエン教会 St.Marien Kirche
1286年の火事で焼失した後、1278年にゴシック様式で再建された。町で最古の建物。
1454年に西塔を付け加わった。
宮殿広場 Schloss platz
宮殿は現在病院。
行進広場 Parade Platz
新市街要塞拡張の中心で要塞の建物が残る。
文化センター Kultur Zentrum
南火薬庫と兵器庫跡に歴史博物館・印刷博物案・図書館がある。
市壁
1852~1922年に壊され、石材は売られ土砂は埋立に使われ、跡地は道路と荷揚場になっている。