メルゼブルク Merseburg
ザクセン・アンハルト州
人口:約34,000人
概要
10世紀末以降司教座が置かれ、1658年から1738年までザクセン・メルゼブルク公爵の居住地であったメルゼブルクは、今世紀初頭以来工業都市として大いに発展した。
1938年、市の南に建設されたブーナBunaの巨大コンビナート(合成ゴム、石油化学)が長い間そのシンボルとなっていた。
最も興味深い記念建造物、すなわち大聖堂と城は、ザーレ川Saaleを見下ろす丘Dombergの上に集まっている。
古いドイツ語で書かれた文書としては最古のもののひとつである、10世紀のメルゼブルクの呪文が有名である。
2編から成る中世の魔法、呪文、あるいはまじないである。これらは古高ドイツ語によるドイツ異教信仰の現存する唯一の実例として知られている。
呪文は1841年、9世紀もしくは10世紀に書かれたフルダの神学の写本からゲオルク・ワイツによって発見されたが、呪文が成立した年代については説が分かれている。
写本はメルゼブルクの大聖堂の図書館に保存されており、これが呪文の名の由来となっている。
メルゼブルクへのアクセス
ベルリン中央駅 Berlin Hbfから特急ICEでハレ駅Halle(Saale)Hbfまで約1時間15分。
ハレ駅で乗り換えてメルゼブルク駅 Merseburg Hbfへ普通列車REで8分。
ほぼ1時間間隔。
見どころ
大聖堂 Dom
洗礼者ヨハネと聖ラウレンティウスを祭る教会で、ロマン主義時代に製作古れたオルガンが教会音楽を奏でている。メルゼブルク大聖堂の宝物も見応えがある。
この建物からは三つの異なる時代をはっきり見分けることができる。
地下聖堂は最初に建てられたロマネスク様式大聖堂の証人であり、正面ポーチ、交差廊、内陣および後陣は、13世紀前半に改修されたもので、初期ゴシック様式の特徴を示している。さらに1500年から1517年にかけてロマネスク様式の身廊が改造され、身廊の網状ボールトと、ほっそりした8角柱はゴシック様式に属している。
説教壇(1514~1526)は精巧・豪奢な彫刻に飾られているが、これは後期ゴシックの製作物の特徴である。
内陣にシュヴァーベン王ルードルフKonig Rudolf von Schwaben (1080年没)のブロンズの墓碑プレートBronzegrabplatteがある。細工の精巧さは注目に値する。
城 Schloss
しばしば改修の手が加えられたこの建物は、東翼の後期ゴシック、北と西の翼棟のルネサンス様式、西翼上階のバロックなど、実にさまざまな様式を見せている。