イタリアのホテル事情
イタリアのホテル事情
イタリアの財政悪化が進み、各都市や観光地ごとに、「宿泊税」{滞在税}(Tourist Tax)なるものを徴収するようになっている。
都市によって金額は若干異なるが、1泊につき1人当たり1ユーロが平均的相場となっている。だんだん値上がりしていく方向にある。
ユーロ通貨になる前は、イタリアはヨーロッパの中では比較的宿泊料が低かった方だが、近年は他の国よりむしろ高くなっているところも少なくない。
格安ツアーのホテルは今まで以上にレベルを下げるか、ロケーションを中心地から遠くにするかしないと価格を維持することが難しくなっている。
高騰する食費に対応するために、昼食などは郊外のお土産屋が隣に設けたレストランで破格の料金で食べさせるようにしているものもある。土産のショッピングの時間を長くするためなので、こういったところで昼食を食べさせていることは、旅行プランを作る日本の旅行会社が知らないこともある。限られた予算で手配会社にオーダーするから食事にしわ寄せが来てしまう。
こういった格安ツアーの食事をして、本場のイタメシを語ると格安で行ったなと思われ恥をかくからご注意のほど。
世界有数の観光立国で世界中から観光客の一年中たくさん訪れている。
各都市とも宿泊施設は決して少なくないが、古い建物は変えることができないため増築ができず、新しいホテルの数も増えない。
大都市では郊外に近代的なホテルがいくつか誕生しているが、旅行者の増加には追い付いていない状況にある。
旧市街地のホテルは便利だが、同じ部屋が少なく、グループで宿泊する場合など部屋の大きさやデザインがまちまちになることが多い。特にツインベッドルームは極端に少ない。
大部分はダブルベッドだ。
フィレンツェのように旧市街の中心部はタクシーが送迎する場合以外はバスでも進入することが出来ない。スーツケースなど大きな荷物は自分で運ばなければなくなる。
北部の大都市ではほとんど一年中フェア(見本市)や国際会議が催されているため、一般の旅行者の宿泊が極端に制限され、加えてFair Period Rateで宿泊料金も高騰する。
とくにミラノがひどく、ツアーでも確保できていない場合が多い。
大きなイベントのある時期を避けて出発日や日程を決めないと高い旅行費用でサービスも悪い旅行になってしまう。
ヴェネチアは夏季シーズン中、あまりに観光客が増えてしまって、道路は身動きできなくなるほどになり、水上バスは長い列を作って待たなければ利用できない。市民生活にも影響が出て困っており、島へ入る人数を制限するような対策が検討されている。
宿泊を伴う観光客を優先して島の中に入れるなどの対策が検討されている。
「知られざる小さな街々を訪ねる」などというツアーがあるが、小さな街には部屋数の多いホテルはない。もちろん部屋のサイズやレベルも均一ではない。
旅行会社はあらかじめ一定の集客を期待して募集する。相当の航空便の座席を手配し、ホテルの確保を現地の手配会社にオーダーする。長年の経験でご夫妻の参加が多いので、1部屋に2人ずつとし、何人かのシングル希望を予想する。ところが集客していくうちにシングル希望が増えてしまう。部屋の数で締め切ることは最低催行人数に足りなくなってしまうため、予定に達するまで予約を受けてしまう。ホテルのキャパシティを超えてしまい、予定したホテルではなく、隣接する町に変更せざるを得なくなる。
そういうリスクを覚悟してツアーに参加すべきである。
夏季と冬季の境目にヨーロッパ旅行する場合には、ホテルでの滞在の時にも防寒具が必要になる。
暖気と寒気が押し合いしていて、天候が不安定になる。ヨーロッパの古い建物はオイルでボイラーを温め、温水を各部屋の急騰しているから、かなり寒くならないと暖房用のボイラーを焚かない。
まさか部屋までが寒いとは誰も教えてくれなかったと、風邪を引いてしまうこともある。
航空運賃の比較的安い時期で、4月と10-11月がご注意だ。
一方、イタリアの旧市街のホテルでは、まだ冷房設備の無いホテルも少なくない。
ヨーロッパの多くの国で、一部のリゾートエリアの大きな都市は別として、季節はずれのリゾート地は閑散としていて、寒風が吹いてお土産店もレストランも殆ど閉まっている。