スペインのホテル事情
スペインのホテル事情
スペインのホテルのクラス分けは5段階あり、星の数1つから5つまでで評価されている。マドリッドやバルセロナには5つ星の非常にレベルの高いホテルがあって、収容力もある。両都市とも、国際会議・見本市、スポーツイベントなどが頻繁に開催されるので、その期間に当たるとなかなか予約が取れない。ルームレートもFair Periodといって、特別に高くなる。デポジットの条件もきつくなる。
通常の日本のツアーなどで利用しているのは3~4星クラスが多い。このレベルでもFair Periodではレートが高くなる。
こういうFair Rateの期間をはずしてスケジュールを組んだり、出発日を決めたりするようにしないと、旅費が高くなるだけでなく、現地でも混雑によるオーバークッキングなどの被害やサービスの低下を受けるリスクが伴う。
地方都市で最も難しいのは、毎年行われるセビリアの春祭り、パンプローナの牛追い祭り、バレンシアの火祭りといったスペイン3大祭りなどである。祭りの中には開催期日が決まるのが前年12月頃というものもあって確保が難しい。
こういう地域へ旅行するツアーでは、旅行業者がホテルが確保できていなかったり、とんだ遠隔地になったりすることが少なくない。しっかりホテルが確保されているツアーを選ぶ方がいい旅が出来る。
パラドール
全国各地にある古い城や修道院を国が改築し、国営の宿泊施設として運営をはじめたもので、旅行者には人気がある。雰囲気、レストランの料理、サービスすべてが洗練されている。
現在は民営化されたが、レベルは変わらない。古城や修道院だけでなく、貴族や荘園主の館、地方の豪邸などを増改築したものもあって、その数は増えているが、どこも変化に富んでいてスペインらしい旅行を楽しむことができる。いずれも部屋数が多くなく、普通のホテルより割高感がある。それでもなかなか取れない。特に観光的に人気のある都市とその周辺のパラドールは早くから満室になってしまう。
決して安くはなく、朝・夕食もパラドール内でとらないと交通費がかかってしまう。
パラドールの特徴は、その多くが古城や修道院といった建物で、同じレベルの部屋を複数予約することが難しいということだ。
パラドールによっては、本館に隣接して観光客用にたくさんの同じレベルの部屋を増築しているところもある。こういうところだと、あまりパラドールに泊まっているという実感がわかない。
もう一つの特徴は、市街地から離れていることだ。街を散策しようと思ったりするとタクシーなどで往復しないといけない。
どのロケーションを選択するか
ヨーロッパの中小都市の多くは、旧市街と新市街にエリアが分かれている。
旅行者は車で旅行していない限り、手軽に市内を散策するときにホテルが市街地にある方が便利だ。中世の風情を残す旧市街には観光ポイントも多く、手軽に食べられるレストランもたくさんある。この旧市街地のホテルはどこも建物の外観が変えられないため、古くて小さい。スペインでは2星レベルが多い。内装はきれいになっているが、エレベーターがないところもある。レストランもなく市内へ食べに行く。
旧市街地は終日車が入れないところが多く、チェックインする旅行者は一番近い道路から荷物を引いてホテルまで歩かないといけない。
新市街地には3-5星クラスが多い。ホテル周辺はスペインの風情より、ヨーロッパのどこにもある街並みの中に位置する。
旧市街地に隣接する3-4星レベルが使いやすい。ツアーでは結構離れたところにとることがある。同じレベルの部屋数が多いホテルを選ぶ谷根にそうなるし、バス移動するのに便利だからだ。
ネット予約での留意点
世界中をカバーするインターネットでの予約サイトが多くなっているが、最大クラスのBooking.comなどはかなり小都市までカバーしている。
たくさんあって、どのホテルがいいなどんなことを基準に選択したらいいのか迷ってしまうほどたくさんある。
旧市街地を選択する場合には、まずロケーションをMAPで調べる。その中で予算に合うものをいくつか候補に挙げ、それらの写真をよく見比べる。スタンダードの部屋のサイズ、バスルームなど。加えてエレベータやエアコンの有無などをチェックする。
ネット予約では朝食が別になっていることが多い。朝食の値段も比較する。
予約にはクレジットカードが必要だが、現地での支払いは現金でも構わない。
気に入ったホテルがあっても、満室に予約できないこともある。そんな場合に、そのホテルの英語名をgoogleなどで検索して、アドレスをゲットして直接ホテルの英語で予約を申し込んだら結構取れる可能性もある。特に、小グループで旅行する場合、複数の部屋を確保しようとするとなかなか確保できない場合がある。ホテルがネット予約サイトにフリーセールで出している数は限定されていて、ホテルはもっと部屋を持っている場合がある。
ホテルに直接する場合、チェックインの日時、泊数、部屋数を連絡すると、予約を受けてもいいよという返事が来る。それに対して、こちらから、提案された料金で予約お願いしますという返事をしておかないと予約したことにはならない。その場合に、クレジットカードの番号、有効期限、セキュリティ番号(裏面の3桁数字)を連絡しなければならない。
ホテルと直接交信してもとれない場合は、本当に満室ということになる。
料金はヨーロッパの各中小都市の3-4星クラスではネット予約と直接予約ではそれほど変わらない。