サン・セバスチャン San Sebastian
サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の中継地。
気候もよく、ハプスブルグ家の王妃マリア・クリスティーナが19世紀に夏の避暑地として以来、高級リゾート地として脚光を浴びることとなった。リゾートとして当然のことながら美味なる食べ物も豊富になっていった。
今や世界の料理界を牽引する「世界一美味しい街」と言われる。
周囲を小高い山に囲まれたビスケー湾の良港で貿易で栄えていたが、1813年ナポレオン軍の侵入で町は大半が炎に包まれた。現在の残っているのはモンテ・ウルグルの下の旧市街だけである。しかしフランス的香りの漂うところもある。
モンテ・イゲルドとモンテ・ウルグルに挟まれた美しいコンチャ湾の入口には小さなサンタ・クララ島が横たわり、海沿いのビーチは美しい遊歩道がコンチャビーチからピコ・デル・ロロ、オンダレタビーチへと2km続いている。
モンテ・ウルグルの上にはモタ城Castello de la Motaがあり、ふもとの旧市街から歩いて20分ほどとなる。城の上には高さ10mのキリスト像が町を見下ろしている。
サン・セバスチャンは「ピンチョス」と呼ばれるフィンガーフード発祥の地と言われている。バスク版オープンサンドといったところで、バルと呼ばれる立ち食いレストランで、手軽に食べられ、安いので観光客にも人気がある。旧市街を中心に約300件のバルがある。
国内線が毎日マドリッド、バルセロナと運行されている。
もっとも近い国際空港はフランスのビアリッツ・アングレット・バイヨンヌ空港(32km)である。
グループで旅行する場合には、ヴァンやバスを手配することになるが、車はフランス側の方が高いので、スペインの車を手配した方がいい。
スペイン領土に限定すればビルバオ空港(117km)となる。
サンセバスティアン空港 Aeropuerto de San Sebastian(IATAコ-ド EAS)
東15kmのオンダリビアに位置する。
サンセバスチャン空港・サンセバスチャン市内は直通バスで約30分。
マドリッド/チャマルティン駅からから7時間、1日4~5本運行
バルセロナ・サンツ駅と1日2往復、高速列車が運行されている。約6時間半かかる。
バスク内の短距離移動の場合は私鉄のEuskotrenもあるが、運行本数が少ない。
また私鉄のEuskotrenでフランスのHendaye駅まで行くと、フランスの国鉄駅が隣接している。
路面電車はない。
路線バスが唯一の公共交通機関だ。旧市街と新市街(セントロ地区)を隔てる広い並木道Alameda del Boukevard沿いに発着場がある。
2階建てオープンデッキバス
市内を一巡している。1日券を買って途中の下車ポイントで降りることもできる。
発着地は大人12eur。
プチトラン
これは途中下車なしで、約1時間足らずで市内1周する。大人5eur
どちらも、広い並木道Alameda del Boukevardがウルメア川に突き当たる橋のたもとにある。
街は3つの地区に分かれる
ピンチョスを食べるバルが密集している。中心の広場はコンステシオン広場(憲法広場)で、旧市街一帯は道幅が狭く、車の走行ができない。
昼時の13時から15時半ごろ、夕食時の18時~23時ごろはどこの道もごった返していて、にぎやかだ。午後の遅い時間は比較的ガランとしている。
いわゆる新市街である。
多くのブティック、ファッションの店が並ぶ地域。
旧市街からウルメア川の反対にある住居地域。
旧市街の中には、3星以上のホテルはない。ペンションタイプばかりだ。終日車の進入ができないので、荷物の取り扱いにも苦労する。
セントロ地区のホテルから旧市街地区へは、近くても500mほど歩く。治安はさほど悪くないので、歩いても危険を伴うことはない。
タクシーがあまりないので、遠くから旧市街などに来ると、帰路に手間取る。
限りなく旧市街に近くのホテルがおすすめだ。
コンチャ湾を挟んでモンテ・ウルグルと対している。麓からケーブルカーが15分おきに運行されている。ここからのコンチャ湾の全景は絵葉書にもしばしば使われる景色だ。
車でも頂上まで行ける。入場料が要る。
ケーブルカーは冬季は水曜日が定休日。
海に突き出た2つの丘の1つで、海に向かって右側の丘。市内中心地から散策コースで20分、丘の上にモタ城 Castello de la Mota があり、イエス・キリストの像が立つ。
モタ城から下りてきて麓にこの美術館に立ち寄るといい。バスクの民族品やエル・グレコの作品などが展示されている。
宮殿内の庭園からはラ・コンチャ海岸やサンタ・クララ島が一望できる。
19世紀、ハプスブルグ家の王妃が側近のために建築したもの。
ハプスブルグ家の紋章が見られる。ハプスブルグ家はかつてスペイン国王も輩出している。
宮殿は現在スペイン国王の別荘として使われている。
市内中心部にサンセバスチアンカテドラルの前に、街の守護聖人を祀った守護聖人が立っている。兵士の守護聖人でもある。
バスク出身の兵士は中世の十字軍でも活躍し、ヨーロッパ最強と言われてきた。
捕鯨は12世紀ころから始まったと言われている捕鯨の歴史を伝えている。
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サンセバスチアンは捕鯨の町として知られていた。町の高台にはクジラの見張り台も残っている。当時は、クジラの舌が貴族向けの高級食材として、その他の肉は沿岸の町の人々に流通していた。さらにクジラの油が燃料やろうそくの油としてヨーロッパ各地に輸出されていたという。