オリテ Olite

ナバーラ州
標高 388m
人口 約4,000 人

概要

パンプローナから高速A-15または国道N-121を南へ30km。
オリテはローマ時代からある古い町。
中世の宮殿建造で、ナバーラ王たちのお気に入りの居住地となり、ゴシック様式の建築物が多い町となっている。

ローマ時代に築かれた城壁をサンチョ7世は砦に転用し、テオバルド1世とテオバルド2世時代に宮殿が造営された。テオバルドス宮殿である。これが旧宮殿で現在国営宿泊施設パラドールになっている。
1406年、カルロス3世がその隣りに新宮殿(パラシオ・ヌエボ)オリテ宮殿を建設。

見どころ

オリテ宮殿

15世紀、カルロス3世によってナバラ王家の居住地にふさわしく改修された。
築城様式は外国風で、13世紀の重々しい石積み建築と、15世紀末の、回廊や小さな中庭のある住居としてのゴシック様式城館との過渡的形態になっているが、これは、カルロス3世がフランスとゆかりの深い君主である(エヴルー伯で、マントの生まれ)ことに由来する。
造営には、ヨーロッパの北部から来た建築家だちとモーロ人の職人が共同してあたった。
15基ほどの塔が城壁を補強し、その後ろには屋上庭園が広かっていた。各部屋はアスレホ(装飾タイル)、彩色スタッコ、多色の寄せ木細工の天井といった装飾で輝<ぽかりたった。
16世紀のカスティーリャ王国によるナバラ侵攻後、閉鎖され荒廃するがままにされた。
20世紀になって国が宮殿の修復を始めている。

テオバルドス宮殿

ローマ時代に築かれた城塞のところにテオバルド1世とテオバルド2世時代に宮殿としたところ。現在は国営のパラドールとして使われている。

サンタ・マリア・ラ・レアル教会 Iglesia de Santa Maria la Real

かつて王家の礼拝堂だったゴシック様式の教会。
繊細な多葉形のアーケードがついたアトリウムに続く14世紀のファサードは、ナバーラのゴシック彫刻のみごとな実例である。
ポルタイユでは、タンパンのみ人物彫刻(聖母とキリストの生涯)がほどこされている。
主祭壇の上方には16世紀に描かれたレターブルがあり、ゴシック期の聖母像を囲んでいる。

サン・ペドロ教会 Iglesia de San Pedro

オリテ最古の教会。ロマネスク様式で建てられ、のちゴシック様式の拡張工事がなされている。
先細りで8角形の鐘楼がついているため、教会のフアサードの外観の印象は統一感に欠ける。
ポルタイユのアーチ形曲線は半円形刳形(くりがた)で強調されている。
両側についている2羽の鷲は、一方は猛々しい力(左、野兎を襲っている)、他方は優しさの象徴である。入口の左側廊には、15世紀に彫刻された聖三位一体を表す石がある。

周辺の見どころ

オリバ修道院 Monasterio de la Oliva

国道NA533と地方道C124で28km。オリバは最初期のシトー会修道院のひとつで、創建した修道士たちは、聖ベルナルドゥス(ベルナール・ド・クレルヴォー)存命中(12世紀)にフランスから来た人々であった。中世にはこの修道院の知的威光は絶大なものとなり、スペインからはるか離れた地にまでキリスト教思想を広めていた。所蔵していた宝物は、いまはすべて失われてしまったが、修道院には今もキリスト教建築の驚くべき純粋さが保たれている。

(教会 Iglesia)
12世紀末。ファサードは、17世紀につけられた三角形の上部飾りと小塔はあるものの、簡素そのもので、ポルタイユの完成された輪郭と2面のばら窓を最大限に利用して、まれにみる優美さをかもし出している。
内部空間は驚くほど奥行が深く、柱や多角形のリブが緻密に交差オジーブには、シトー会様式の厳格さがみられる。

(内庭回廊 Claustro)
15世紀末。開口部は類を見ない軽快な外観である。この建築はもとからの建物の上に被せてゴシック様式としたもの。

















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