グラナダ Granada
概要
マドリッドから434km、マラガから127km、セビーリャから261km、バレンシアから541km
人口:約30万人
市街は海から7km内陸に入ったところで、さまざまな時代の遺跡が混在している。
イスラムの街らしく、道路は入り組んでいるが、教会建築も多い。
市内からは一年中雪が残るネバダ山脈(シェラ・ネバダ Sierra Nevada)が見える。
最高峰ムラセーン(3482m)など3千メートル級の山々が連なり、冬はスキー場として賑わうところである。
この雪解け水が、グラナダ周辺の土地を潤す。グラナダは水に恵まれた土地である。
アクセス
空路
国内線のみ、マドリッドとバルセロナとの間毎日各2~4便運行
鉄道
いずれからも大変不便なところである。
マドリッドからも新幹線AVEルートから外れていて、最寄りのコルドバなどで乗り換える。
所要約4時間半、週末は運休。
バス
マドリッド南ターミナルから5時間、コルドバから2~3時間,いずれも1日8~10本ある。
空港
アルミーヤ空港 (GRX)
市の中心からマラガ方向に17km
見どころ
アルハンブラ宮殿 Alhambra
イスラム宮殿の中で最も美しく、最も古く、最も保存状態が良いものとされている。
現在残る王宮の主要な建物の多くは14世紀のイスラムの王の下で増改築されたものである。
22代続いた王がアルハンブラ宮殿の拡張、装飾を続けていったが、強力なキリスト教勢力のもとでは戦わずしてこの宮殿を明け渡さざるを得なかった。戦闘に絶えられる堅固な城塞ではなく、享楽の宮殿として造営されつづけてきたものが、ついに1492年にキリスト教徒の手に渡ってしまった。
アルハンブラ宮殿ではシェラ・ネバダから流れ来る豊富な水を巧みに利用して、様々な噴水や水のせせらぎを作り、涼しさを演出している。
宮殿には3つの部分に大別される。
アルカサーバ
王宮
ネラリーフェ
入場について
一日の入場人数が400人と制限されているので、入場時間が指定される。
5~9月は欧州内の学生が休みのため賑わうえ、観光客も多いので、かなり先の時間になってしまうことがある。時間的に十分な余裕が必要になる。
グループの場合には、現地旅行会社(ローカルオペレーター)を通してあらかじめ予約しておいたほうがいい。
なお、夜間見学も行われている。夏は火、木、土曜の週3日で、冬は土曜日だけ。
アルバイシン地区 Albaicin
アルハンブラ宮殿の向かい側の丘の地区で、グラナダの古い街並みが残されている。
丘の頂き、サン・クリストーバルSan Cristobalまで行くとアルハンブラ宮殿の全景が見られる。特に夜間はライトアップされていて美しい。
-白い漆喰の壁に花を飾ったパティオの中で夜にフラメンコのショーなどが催されるのもこの丘のある古い町で、地元のナイトツアーではフラメンコのショーの帰路にイルミネーションを眺めることができる。しかし、個人でこの丘へ行く場合には安全のためにもタクシーを利用したほうがいい。
サクラモンテのロマ族の穴倉住居はフラメンコなどのショーを見せてくれるところとして知られているが、今は浮浪者のたまりとなっており、きわめて危険な地域となっている。
その他の見どころ
カテドラル Catedral
サン・ファン・デ・ディオス博物館 Museo San Juan de Dios
カルトゥハ修道院 Monasterio de la Cartuja
王室礼拝堂 Capilla Real
作曲家ファリアの家 Casa Manuel de Falla
近郊
グアディクスGuadix
洞窟住居群
略史
西ゴート族の小さな町に、711年イスラム教徒がジブラルタル海峡を越えアルハンブラの丘に定住して以来、イベリア半島はイスラム化が進み、
城壁を建設し、イスラム文明は次々に開花していった。9世紀にコルドバのカリフ王国衰退後はグラナダは徐々に勢力を伸ばし、1238年には頂点を極めるまでになっていった。
そのグラナダ王国はジブラルタルからムルシアまで配下に治める強大なものだったが、1492年にカトリック両王に降伏するまでイベリア半島に残る唯一のイスラム王国の首都だった。
カトリック両王はキリスト教徒によるレコンキスタ(国土回復運動)の後もこの地を重要視し、新たな建物の建設をしたため、グラナダは都市として繁栄を続けていった。