ジョージアのワイン
ジョージアワイン
世界最古のワイン生産地の一つ。
世界最古のブドウの原種からグルジアワインが生まれた。
黒海とカスピ海にはさまれたコーカサス山脈南麓一帯は「ぶどう発祥の地」と言われている。ぶどうはコーカサス地方からメソポタミアで栽培されるようになり、そこでワインが作られ始め、そのワインはメソポタミア文明の源、チグリス・ユーフラテス川を下りエジプトにもたらされた。
クレオパトラはこの芳醇なジョージアワインをこよなく愛したと伝えられ、人々はジョージアワインを「クレオパトラの涙」と呼ぶようになった。
ジョージアワインは、フランス、イタリア、ドイツなどのワインとは全く異なった品種で、他の国ではみられない固有種である。
サペラヴィ種、アレキサンドリ種、白の辛口のムツヴァネ種などがある。
各地方のワインづくりも異なるが、技術的改善やヨーロッパからの新しい技術の積極的な導入している一方、伝統的醸造法を受け継いでいるものもある。
世界に知られた銘柄ワインは、数においても種類においても高い品質においても 、常に卓越したワインとしての地位を占めている。ヴィンテージワインも豊富だ。
特に有名なものとして「ツィナンダリ」、「テリアニ」、「ナパレウリ」、「ムクザニ」、「ムフラヌリ」、それにジョージア古来の伝統工房で作られる独特の形をした陶器のボトルに入った「フヴァンチカラ」、「キンズマラウリ」などがある。
ロシア人の甘口志向の影響で、従来やや遅摘みにして甘口にしていたが、ロシアとの関係悪化で経済制裁の一環として一時輸入ができなくなっていた時期から少し辛口が増えたが、再び輸入できるようになっているため、全体的にやや甘口のものが多い。
ロシアの高級官僚が重要顧客だったため、スパークリングワインやクリスタル瓶などものも出回っている。
ジョージアワインの伝統製法
いくつかのワイナリーが伝統的な醸造をして、独特の素焼きの陶器のボトルに詰めたワイ意を製造している。
「クヴェヴリ」と呼ばれる大きな卵型の素焼きの壺の中に、ぶどうを皮や種、茎ごと入れ、土の中に埋めて発酵、熟成させるという伝統的製法。発行が進むと、種や茎は底に沈み、上澄みだけを取り出す。6000年前より現代に引き継がれている方法である。
ジョージアワインの生産地域
主要生産地域として、
東部のカヘティ、南東部のカルトリ、中央部のイメレティ、北西部のラチャ・レチフミ、
黒海沿岸のグリアとサメグレロ、アブハシアとアチャラの6つの産地
があげられる。
中でも東部のカヘティは最大のワイン生産地は、ジョージア全体のほぼ７割の葡萄を生産し、ジージア産ワインとして市場に出回るワインの8割以上が生産されている。
カヘティはさらに24の地区に分かれ、そのうちの14地区がグルジア国立ワイン管理局による「原産地呼称指定地域（マイクロゾーン）」に指定されている。
グルジアワインの主要銘柄
(甘口ワイン）
フヴァンチカラ Khvanchkara
陶器製のボトルと普通の瓶詰めがある。
フヴァンチカラ地方で収穫されたアレクサンドゥレウリ種とムジュレトゥリ種をブレンド。遅摘みのぶどうからつくられ、やや甘さと酸味がオーク材の樽の中に溶け込んでいる甘口の高級赤ワイン。
国際コンクールで何度も金メダル・銀メダル４つを受賞。
キンズマラウリ Kindzmarauli
陶器製のボトルと普通の瓶詰めがある。
アラザニ川中流の北岸に面したクヴァレリ地区でサペラヴィ種だけを使用した銘品。
ダークルビー色のやや甘口の赤ワイン。古いオーク材の樽で１年以上熟成される。
旧ソ連邦時代クレムリン御用達、英国のチャーチル首相も絶賛したことでよく知られる。
アハシェニ Akhasheni
天然の甘口ワイン。色鮮やかな深みのあるルビーカラー。
たびたび国際コンクールで金メダル・銀メダルを受賞。
そのほか
「ウサヘラウリ」、「トゥヴィシ」、「テトゥラ」、「オジャレシ」、「チハヴェリ」、「プソウ」、「アプスヌィ」、「ルィフヌィ」、「アフメタ」、「アラザニ Alazani」
、「キシ Kisi」
などがある
（やや辛口ワイン）
ピロスマニ Pirosmani
アラザニ産の固有種でフルーティーな香りのサペラヴィ種を使用した、明るいルビー色のやや辛口の赤ワイン。
ジョージアで有名な画家ピロスマニ(映画にもなった）の名前をつけている。
そのほか
「トビリスリ」、「バラコニ」、「アナコピア」、「アグナ」、「サチノ Sachino」、「ムタツミンダ」など
(辛口ワイン）
サペラヴィ Saperavi
カヘチ地方のサペラヴィ種を使用。成熟した黒いちごの豊かな風味。なめらかなタンニンと程よい酸味が特徴。バランスのとれた辛口の赤ワイン。
ツィナンダリ Tsinandali
辛口の高級白ワイン。
カヘチ地方のクヴァレリ地区で収穫されたルカツィテリ種とムツバナ種を使用。
２～３年間オーク材の樽の中で熟成したやわらかな明るい淡黄色。
たびたび国際コンクールで金賞、銀賞を受賞している。
ジョージアニ
明るい黄金色。香り良い果実ブーケットとアロマ。
特定品種のもつ繊細で魅惑的な苦味。バランスの良い味。
ムクザニ Mukuzani
最優良銘柄の赤ワインのひとつ。柔らかな調和のとれた味。
そのほか
「エレチ」、「ガレジ」、「ゲラチ」、「カヘチ」、「ジミ」、「ボドゥベ」、「シュアムタ」、「ムツヴァネ Mtsvane」
などである。