トビリシ Tbilisi (首都)

人口約140万人

概要

マルコポーロが「絵に描いたように美しい」と讃えた町。
クラ川の河畔に広がる。三方を山や小高い丘に囲まれている。気候は温暖で、年間の平均気温は13.2℃。

トビリシがジョージアの都になったのは6世紀。
以来、シルクロードの交易拠点として栄えてきた。
この町は、アジア、中央、ヨーロッパのちょうど真ん中にある。だから、いろいろな民族や物資が集まってきた。
そんな魅力的な町だから、他国の攻撃を繰り返し受けてきた。そのたびにトビリシの人たちは頑丈な要塞を築き、必死になって戦たのだが、残念ながらローマやペルシャ、モンゴル、ロシアなど、大国の支配を受けることもしばしばだった。
でも、その一方、外からやってきた人々はいつも新しい文化と繁栄をもたらした。
だから、「客人は神様からの使い」ということわざが生まれた。
トビリシの人々の「不屈の精神」と「もてなしの心」それを象徴するするのが、町を見下ろす丘の上の立像「ジョージア母の像」である。右手には剣、左手には歓迎のワインの杯を持っている。
長い歴史の中で、人々がかたくなに守り続けてきたものが2つある。それは、ジョージア語とジョージア正教である。
ジョージア語は、変わったアルファベットだ。
言語学的に見ても、ほかに類を見ない特有の言葉だという。他国の支配下にあった時代も人々はジョージア語を決して忘れなかった。

ジョージア正教

ジョージアはキリスト教を国教に定めた世界で2番目の国である。
みんな信仰心が篤く、教会の前を通るたびに十字を切るのが習わしになっている。

アクセス

空路

ジョージアに入国する場合、モスクワ、キエフ(ウクライナ)、イスタンブール、ウィーン、フランクフルト、パリ、ロンドン、プラハ、テヘラン、エレバン、バクーなどからトビリシ空港への直行便が就航している。

日本からのこれらの空港での乗り継ぎには、乗継時間が長い場合もある。便や曜日によっては、同日乗り継ぎもできない空港もある。

空港

トビリシ国際空港 Tbilisi International Airport(空港コードIATA=TBS)
(旧名ノボ アレクセーエフカ空港 NOVO ALEXEYEVKA)

トビリシ市内へのアクセス
空港は市内から東約17kmに位置する。
タクシーで市内まで約40分US$約10。(メーターがないので乗車前に交渉)
37番の赤いバスが地下鉄サムゴリ駅経由で鉄道駅まで走っている。

鉄道
トビリシ駅から、アゼルバイジャンのバクー、アルメニアのエレバン行きの列車がある。

長距離バス
中央バスターミナルからは、バクー、エレバン、トルコのイスタンブルなどへ国際バス路線がある。

市内の交通

地下鉄
2路線あり、トビリシ駅前のヴァグズリス・モエダニ駅が乗換駅。

路線バスや乗り合いタクシーもあるが、行き先表示がすべてジョージア語で旅行者にはわかりにくい。

近郊へは、タクシーをチャーターするのがおすすめだ。
英語が通じないので、ホテルでオーダーするといい。

市街地の特徴

街はムトゥクヴァリ(クラ)川に沿って北西から南東に広がっている。
旧市街は全域が歴史保存区域で、19世紀以前からの街並みが今も残されている。
北はバラタシュヴィリ通り~プーシキン通り~タヴィスプレバ広場、南はアバノトゥバニの辺りで、中心はタヴィスプレバ広場となる。

広場から北は帝政ロシア時代以降に発展した欧風の新市街で、北西にのびるルスタヴェリ通り沿いには国会や銀行、劇場などが並ぶ。クラ川の東側のマルジャニシュヴィリ広場やトビリシ駅のあたりは下町となる。

市街地の西方には、標高727mのムタツミンダ山が南北に連なる。
山頂からは市街地を眺望できる。

ムスタヴェリ大通り Rustaveli Avenue
トビリシの新市街の目抜き通り。19世紀の初めにつくられ、市庁舎や共和国議会、オペラ劇場、国立博物館などをはじめ、銀行、航空会社、お土産店などが連なる。
共和国広場(レスプブリカ)から自由広場(ダヴィスプレバ)に至る。

共和国広場
広場に面してラディソンブルホテル・イヴェリアRadisson Blu Hotel Iveria が建つ。
トビリシの高級ホテルの一つ。
93年のアブハジア紛争以来、国内難民がほとんどを占拠していて、2~3階がかろうじて ホテルとして営業していた時代があった。

自由広場(ダヴィスプレバ )
中央の高い塔の上の金色の像が立つ。
ソ連時代には「レーニン広場」と呼ばれ、中央の塔にはレーニン像が立っていた。
独立後、レーニン像は倒され、国の守護聖人「聖ゲオルギオスの像」が据えられた。
この広場はトビリシの人たちの自由の熱い思いが詰まっている。

見どころ

シオニ教会 Sioni Cathedral

ジョージア正教会の総本山。6~7世紀に建造、何度かの再建を重ねて、現在の建物は13世紀に建てられたもの。
シオニの名はエルサレムのシオニ山からとられている。
ジョージアにキリスト教をもたらした聖ニーノの十字架が飾られている。1日中信者の姿が絶えないため数多くのイコンも飾られている。

トビリシ歴史博物館 Tbilisi History Museum

シオニ教会の隣にある博物館。19世紀のキャラバンサライ(隊商宿)の建物をそのまま利用している。トビリシから出土した陶器、手工芸品や歴史的町並みを再現したディスプレイなどがある。

アンチスハティ聖堂 Anchiskhati Church

5~6世紀に建造されたトビリシで最も古い教会。何度か改修されているが、現在まで原型を保っている。

ユーリ・アンドロポフの耳 Yuri Andropov's ears

共和国広場の隣、祝典広場Celebrations Squareにあるモニュメント。

カシュベティ教会

1910年にドイツ人建築家ビールフェルトにより再建された。中世グルジア建築の典型であるサムタヴィシ教会(1030年)をモデルにしているが、外壁などは外国の様式もみられる。

メテヒ寺院 Metekhi Church

ムトゥクワリ川に面した小高い丘の断崖に立つ教会。5世紀に建てられ、周囲の要塞はシルクロードのキャラバン隊を守る要塞でもあった。19世紀帝政ロシア時代には監獄として使われ、ゴーリキーも幽閉されていた。ソ連邦時代には劇場として使われていたこともあり、独立後の1991年に再び教会になった。
馬に乗ったワフタング・ゴルサガリの銅像が旧市街を見下ろす。
イベリア王ゴルサガリは5世紀末ムツヘタからトビリシに遷都した。
周辺にはアヴラバリと呼ばれる昔ながらの街並みを残した集落が見られます。

聖ダビデ寺院(ムタウミンダ山)

ムタツミンダ山の中腹にある18世紀創建の教会。ここはパンテオンとも呼ばれ、10世紀頃には古い教会があったものと考えられている。教会の周りにはジョージアの初代大統領、作家や芸術家の墓が集まっている。

ナリカラ要塞跡 Narikala Fortress

旧市街を見下ろす高台に位置し、新しい教会が建てられている。要塞は4~5世紀に建造され、その後何度も改修された。
1827年に火薬庫が爆発して多くの建物が失われた。 ナリカラ要塞跡には スルブ・ゲオルグ教会(アルメニア教会)の横から急な坂道を登る。

ジョージア母の像 Karklis deda(カルトゥリス・デダ像)

ソロラキの丘ナリカラ要塞の近くに立つ巨大な女性像。アマシュケリ作。
右手には剣を敵に向けられ、左手にはワインの杯を持っていて客人をもてなす精神を表している。

国立博物館(宝物館)

ルスタヴェリ大通りに面した、グルジアの歴史・民族資料を集めた博物館。地下には古代から紀元前の金銀製品を納めた宝物館がある。
開館 11~16時(月曜休み)

国立美術館 別名=国立芸術博物館

帝政ロシア時代はグルジア正教の神学校であった建物。スターリンもここの卒業生。
古代からのグルジアの美術品が収蔵されている。宝物館は別料金。3階にはピロスマニの作品が展示されている。
開館 11~16時(月曜休み)

トビリシ周辺の見どころ


ムツヘタ Mtskheta(世界遺産)