ワルシャワ Warszawa (首都)
概要
1596年にクラクフから遷都されたポーランド共和国の首都。第二次大戦末期、ナチス・ドイツの占領軍による圧政と市民の抵抗、そして徹底的な破壊が行なわれた街でも知られる。現在見ることができる旧市街は、驚くほどきれいに昔の姿を残しているが、これらはすべて戦後復興期に市民の手により復元されたもの。この忠実な復元はまさに執念とも言えるほどだ。
市内を流れる川;ヴィスワ川
ヴィスワ川の東西に広がるワルシャワだが、見どころは西岸に集まっている。旧市街の中心となるのは旧市街市場広場で、中央には街のシンボルとなる人魚像が立つ。カフェや民芸品店などでにぎわう広場周辺には、かつての姿に忠実に再現された建物が並んでいる。
旧王宮から南へ、クラクフ郊外通り?新世紀通りを経由しワジェンキ宮殿まではかつて「王の道」だった。このエリアには、聖十字架教会など見どころが多い。また、偉大な音楽家で知られるショパンにまつわる観光スポットも街のあちこちに点在する。
空 港
フレデリック・ショパン空港(空港コードIATA=WAW)
旧名オケンチェ Okecie 空港。
市街から約10km。交通手段は市バスかタクシー。
市内交通
ワルシャワ市内には地下鉄が1路線あるが、旅行者にとって便利なルートではない。
バスとトラムが市街を網羅していて、これは慣れれば実用的である。切符は共通で、キオスクか停留所脇の自動券売機で購入する。
タクシーはメーター制だが、不馴れな旅行者相手にはメーターを倒さなかったり、ボラれることも多く、評判が悪い。流しを拾うよりもホテルで呼んでもらった方がよい。
見どころ
(旧市街市場広場)バルバカン Barbakan
旧市街市場広場Rynek Starego Miasta を取り囲む赤レンガに城壁の一角にある15?16世紀の美しい砦。火薬庫や牢獄として使用されていたが第二次大戦で破壊され、戦後に復元された。
旧王宮 Zemek Krolewski
クラクフからワルシャワに都を移したジグムント3世が住居とした。戦渦で破壊されたが、ワルシャワの歴史の象徴として復元が進められた。現在は博物館となっていて、内部を見学することができる。建物の近くにはジグムント3世の像も立っている。
キュリー夫人博物館(生家) Muzeum Marii Sktodowskiej Curie
日本人にもよく知られているノーベル賞学者キュリー夫人の生家。現在は博物館として公開されており、夫人の研究に関する資料や実際に使った道具などが展示されている。
キュリー夫人は、放射線元素の研究を行い、1903年に夫の科学者ピエールとともにノーベル物理学賞を、1911年にノーベル化学賞を受賞している。
聖十字架教会 Kosciot Sw. Krzyza
音楽家ショパンの心臓が埋められていることで知られる教会。第二次大戦中に教会はドイツ軍に爆破され、ショパンの心臓も持ち出されたが、戦後の再建が進められ1945年、教会本堂にある石柱の下に戻された。教会の向かい側にはコペルニクス像が建っている。
ショパン博物館 Muzeum Fryderyka Chopina
ポーランドを代表する音楽家フレデリック・ショパンの自筆の手紙や楽譜など貴重な資料を収蔵する博物館。17世紀のバロック様式の建物の1・2階が博物館として公開され、3階はコンサートホールになっている。
文化化学宮殿 Palac Kultury I Nauki
地上37階、高さ234mの高層ビル。ポーランド化学アカデミーやテレビ局、劇場などが入っている。「スターリンからの贈り物」として1952年から4年かけて建造された。過去の暗い時代のものとしてイメージが悪く、市民からはいろいろと皮肉られている。
ワルシャワ蜂起記念碑
ワジェンキ公園 Park Lazienkowski
1766年から約30年間かけて造られた公園。園内にはポニャトフスキ王の夏の宮殿として使われたワジェンキ宮殿 Palac Lazienkowski が建っている。第二次大戦中の破壊や美術品の強奪など数々の歴史を経て、現在では国立博物館分館として公開され、17?18世紀美術を展示している。なお、ワジェンキは「浴場」を意味し、かつて園内にあった離宮の浴場の素晴らしさから名づけられたといわれている。園内にはショパン像も建てられている。
郊 外
ヴィラヌフ宮殿 Plac Wilanowski
ワルシャワ南の郊外ヴィラヌフ Wilanow にあるバロック様式の華麗な宮殿。17世紀末のポーランド王ヤン3世ソビエスキが夏の離宮として建てたもの。豪華な内部装飾や調度品など館内の展示も充実しているが、天気がよければ池やバラ園が配された庭園の散策もおすすめ。なお、開館時間内でも入場制限されることがあるので、できれば午前中に訪れた方がよい。