ポーランドの概要
国 名
ポーランド共和国
英語名=Republic of Poland
国コード
ISO 3166-1=PL/POL/616,
NET=.pl,
IOC=POL
プロフィル
ポーランドは東西ヨーロッパのほぼ中央部に位置し、自然が残された、緑豊かな平原が広がる国である。そのため東西南の3方を大国に囲まれて、侵略されやすい位置にあり、何度も国をしょめつさせられている。
10世紀に国家として認知され、16世紀から17世紀にかけてポーランド・リトアニア共和国を形成。旧都クラクフが、ヨーロッパで最大の王国として君臨した中世の栄華を伝えている。
18世紀、4度にわたり国土が隣国のドイツ、オーストリア帝国、ソヴィエト連邦によって分割され消滅していた。
第一次世界大戦後の1918年に独立したが、第二次世界大戦時、西側からナチス・ドイツに、東側からソビエト連邦からに侵略され、再び国土が分割された。
国のほぼ中央部に位置するワルシャワでは、蜂起も起こり、市民の凄まじい抵抗もむなしく街は完全に崩壊され、多くの人々が政治犯として犠牲になった。市内には当時の痛ましい惨事の現場がそのまま史跡となって残され、記念碑が建てられたりもしている。
戦後1952年、ポーランド人民共和国として国家主権を復活したが、
東西冷戦時代の中では、ソ連の管理下で共産主義国とし最大で最も重要なソ連の衛星国の一国となり、政治的にも東側諸国の一員となった。
1989年、ソ連の崩壊に伴い、東西の壁が崩壊し、ほかの東欧諸国とともにされ、民主化により共和国となった。
平原の広がるポーランドは農業国ではあったが、小規模自作農による混合農業が主体であり、寒冷地でもあり、生産性は高くなく、食料の一部を輸入している。
ソ連による支配下で重工業化が進められ、鉄鋼、機械、化学、造船、食品加工がおこなわれていたが、1989年の市場経済の導入で競争力を失い、インフレと倒産で混乱し、95年にはデノミがおこなわれた。
その後はドイツなどからの外資の導入が進み、経済は少しずつ回復・成長を続け、2004年EUの加盟を達したが、財政再建を急いだため失業率が上昇していった。
コペルニクスが地動説を発表するなど、クラクフ大学を中心に文化が育まれた。
ピアノの詩人ショパンの祖国で、ワルシャワを中心に、ゆかりの地が随所にある。
また、放射線の発見者キュリー夫人もワルシャワ生まれで、生家がワルシャワ市内に博物館として残されている。
国のシンボル
国 旗
上は白色、下は赤色と上下二層に分けられている。
白は実直さや善、また赤は勇敢の象徴する。
国 鳥
鷲。ポーランドの紋章にもなっている。
鷲は神々しい鳥とされ、勇敢さや優れた能力を象徴とされてきた。今のポーランドの位置にあったポラニェ国の建国者レフが鷲を紋章に選んだという伝説による。
国 歌
ドンブロフスキのマズルカ Mazurek Dąbrowskiego
ユゼフ・ヴィビツキ Józef Wybicki 作詞。
「ポーランドは未だ滅びず(Jeszcze Polska nie zginęła)」の名でも呼ばれる。
当初、この歌は「在イタリアポーランド軍団の歌」として知られていた。
1797年、ユゼフ・ヴィビツキが町から出征していくポーランド軍団のために書いた詞だった。この歌詞がマズルカのリズムで歌われると、またたく間に軍団全体に広まり、その後も愛唱され続けられた。
国 土
北部でバルト海に面している。国土の平均高度は170mで平原地帯は100m。中央部はビスワ川の流域地帯である。南部国境にズデーテン、カルパチアなどの山脈が走り、最高点は標高2500m。
7つの国と国境を接している。
西でドイツ、南でチェコとスロヴァキア、東でウクライナ、ベラルーシ、リトアニアと接していて、北東ではロシアの飛地カリーニングラードとも国境を接している。北はバルト海に面している。
南部のカルパチア山脈を除くと、国土の大半を平坦なポーランド平原が占めていて、国土の4分の3が海抜200m以下である。
南部は山岳地帯で、タトラ山脈にはポーランドで最も高いリシ山(標高2499 m)がある。
南部の国境近くにはカルパティア山脈(タトラ山脈、ベスキディ山脈(英語版)を含む)やスデート山地(ポーランド語およびチェコ語でスデーティ (Sudety) を含む)がある。
ビアウワ川が国の中央を流れる。
西側のドイツとはナイセ川で国境を接し、南のチェコとはスデート山脈スロバキアとはカルパチア山脈と国境を接している。
面 積
31万2685km2(日本の83%)
政治形態
政 体=共和制
独立年月日
1918年11月11日、ロシア帝国から。
1989年のソ連邦崩壊まではソ連の傀儡政権となっていた。
EU加盟
2004年5月から
首 都
ワルシャワ Warsaw (人口約180万人)
地方自治
16県からなる。(1999年から)()内は県都
1,ヴァルミア・マズールィ県 Wojewodztwo warminsko-mazurskie(オルシュティン
Olsztyn)
2,ヴィエルコポルスカ県 Wojewodztwo wielkopolskie(ポズナン Poznan)
3,シフィェンティクシシュ県 Wojewodztwo świętokrzyskie(キェルツェ Kielce)
4,ポトカルパチェ県 Wojewodztwo podkarpackie(ジェシュフ Rzeszów)
5,マウォポルスカ県 Wojewodztwo małopolskie(クラクフ Kraków)
6,クヤヴィ・ポモージェ県 Wojewodztwo kujawsko-pomorskie (ブィドゴシュチュ Bydgoszcz)
7,ルブシュ県 Wojewodztwo lubuskie(ゴジュフ・ヴィエルコポルスキ Gorzow Wielkopolski)
8,ウッチ県 Wojewodztwo łódzkie(ウッチ Łodz)
9,(ルブリン県 Wojewodztwo lubelskie(ルブリン Lublin)
10,マゾフシェ県 Wojewodztwo mazowieckie(ワルシャワ Warszawa)
11,ドルヌィ・シロンスク県 Wojewodztwo dolnoslaskie (ヴロツワフ Wrocław)
12,オポーレ県 Wojewodztwo opolskie(オポーレ Opole)
13,ポドラシェ県 Województwo podlaskie(ビャウィストク Białystok)
14,ポモージェ県 Wojewodztwo pomorskie(グダニスク Gdańsk)
15,シロンスク県 Wojewodztwo śląskie(カトヴィツェ Katowice)
16,西ポモージェ県 Wojewodztwo zachodniopomorskie(シュチェチン Szczecin)
国 民
人 口=約3,850万人
民 族
ポーランド人約95%
そのほかドイツ系、ベラルーシ系、ウクライナ系など。
言 語
ポーランド語
ポーランド語は、ラテンアルファベットを基本とする32文字からなっている。
補助記号を用いた文字が9種類ある。
A,a(a ア)とĄ,ą(ą オン)、C,c(ce ツェ)とĆ,ć(cie チェ)、E,e(e エ)とĘ,ę(ę エン)、
L,l(el エル)とŁ,ł(eł エウ)、N,n(en エヌ)とŃ,ń(eń エィン)、O,o(o オ)とÓ,ó(u ウ)、
S,s(es エス)とŚ,ś(eś エシ)、Z,z(zet ゼット)とŹ,ź(ziet ジェット)とŻ,ż(żet ジェット)
なお、Q q , V v , X x は外来語にしか用いない。
宗 教
ローマ・カトリック(人口の約88%)
ほかにポーランド正教会(東方正教会)、プロテスタントなど