フランス
食事・料理 †
レストランのカテゴリー †
レストランには一流高級店から一般までさまざまある。
- フランス料理店 Restaurants francais
予約が必要な高級レストランから気軽に入れる庶民的な店まで数多くある。
ミシェランガイドブックで星がついている店は限られているが、いずれも人気店で予約が必要。お値段もそれなりに高い。
昼と夜の時間営業しているところと夜だけのところがある。
- ブランスリー Brasserie
レストランとカフェの中間的存在。
レストランと違い、昼と夜の境がなく常時食事することができる。
- ビストロ Bistrot
もとはブドウ酒を売る店のことだった。
比較的気軽に入れる居酒屋風レストランといった感じのところが多い。
- 日本料理店
パリを除けば、その数は非常に少ない。
日本人の板前のいるところが少なくなり、アジア各国の人が料理している店も少なくない。
衛生観念の違いから生ものの扱い方が異なるため、リスクが生まれる。できるだけ火の通っているものを選ぶように心掛けよう。
日本料理店リスト
- 中華料理店
大都市だけでなく、中小の都市へ行っても1店くらいはある。ベトナム料理やタイ料理と合わせて出す店も多い。
食事時間 †
- 地方や季節によって違うが、昼食がただい12時から14時、夕食は20時から23時くらいが一般的だ。
- またレストランは昼食、夕食の時間帯しか開けていないが、サンドイッチ、オムレツ、サラダなどの軽食はカフェやブラッスリーでは時間に関係なく食べることができる。
メニュー †
- どの店も入り口に必ずメニューが出ていて料理と値段が分かる。
- 日本でいうメニュー(品書き)は、ラ・カルト(la Carte) と言う。
- メニューというと、コースになった定食の意味になる。
- 「メニューください」というと、品書きを欲しいと言っているのではなく、定食を注文したと受け取られる。
利用方法 †
- 公共の場での喫煙は法律で禁止されており、レストランでは喫煙者席を別にしている
- レストランでは予約をしていても、していなくても、勝手に客席に着くことはできない。入口で案内を待つ。こちらの人数を伝えると適当な席に案内してくれる。
- ビストロやカフェでは空いている席に勝手に座れるが、それぞれのテーブルには専属の係のウエイターがいるので、たまたま傍を通りかかったウエイターを呼び止めても相手にしてくれない。
- 勘定も係のウエイターに直接席にいて支払う。日本のように勝手にキャッシャーに行くのではない。
- カウンターで立って食べたり飲んだりするのと、椅子に座るのでは料金が違う。
- 現在ではウェイターを呼びかけるときに「ギャルソン」はほとんど使われていない。
「ムッシューMonsieur!」というのが普通。ウェイトレスの場合は若ければ{マドモワゼルMademoiselle!」、おばさんなら「マダムMadame!」。
服装&マナー †
- 星のついているレストランの場合には、スーツ、ネクタイ、ワンピースなどの服装が好ましい。スーツ着用を義務付けているところもある。店の雰囲気を壊さないためである。-ポロシャツ、ジーンズ、スニーカーなどは避けなければないけない。
ブラッスリーなら有名店でもラフな格好で大丈夫だ。
- 大きな話し声なども周りの人に不快感を与えるのでご法度。アルコールが回って声が大きくなったら周りの人が注意すべきだ。
- ましてや、拍手などしてはいけない。
- テーブルに縦肘ついて食べる癖のある人には、同伴者が注意するといい。品がなくみっともない。
レストランでのオーダーの基本 †
(1)アペリティフ(食前酒)を頼む
高級レストランの場合:
ウェイターはまず、食前の飲み物(アペリティフ)のオーダーを受ける。
食事中に飲むワインとは違う。
シャンッパン(グラスで)、シェリー、ポルト、キールなど,ミネラルウオーターのバドアなどが一般的。シャンパンと混ぜたものを「キール・ロワイヤル」といい、人気がある。
キールはディジョン名物のカシスをブルゴーニュの白ワインに混ぜた飲み物。
また、食前酒を取らずに料理のオーダーをしても開始しても構わない。
食前酒ののどを潤しながらメニューを見て選択する。
前菜、主菜の注文を受ける。そして必ずそのあとに飲み物を聞いてくるので、好みのワインなり、ミネラル・ウォーターなりを頼む。ワインはソムリエが注文を取りに来る。
ブラッスリーの場合:
お客さんが気軽に食べるために来ているのであまり片張らない。
前菜と主菜、それにワインを同時に注文する。ミネラルウオーターもその時に注文する。前菜はなくてもいい。
(2)料理のメニューを選ぶ
次は座っているテーブルの係の給仕によってメニューが渡される。通常、オードヴルとメインから1品ずつ選ぶ。しかし、フランス語を習ったことがない人はガイドブックを見ながらかろうじて判別できても、発音が難しい。指差しで頼めばよい。最近では英語や日本語のメニューを置く店も増えてきた。
- オードヴル(Hors d'OeuvreまたはEntrée)
サラダ(Salade):季節(Saison)のサラダ、オマール海老(Homard)のサラダ、ペリゴール風(Perigourdine)など
魚介類:鮭のマリネ(Saumon Marine)、鮭の燻製(Saumon Fumé)、帆立のグリル(Coquille St. Jacques Grillee)、牡蠣(Huître)(冬季のみ)など
- メイン(Plat)
通常、魚介類と肉類に別れて表示されている。料理名は、調理法、魚・動物の名前の組み合わせが基本形となる。
料理方法:焼く(Grillé)、炒める(Poêle)、煮込む(En Sauce)など。
魚介類:鮭(Saumon)、すずき(Bar)、鯛(Daurade)、鱈(Cabillaud)、あんこう(Lotte)、ひらめ(Sole)など。
肉類:牛(Boeuf)、仔牛(Veau)、仔羊(Agneau)、鴨(Canard)、鶏(Poulet)ホロホロ鳥(Pintade)など。季節によって鳩(Pigeon)、野鳥類(Gibier)なども出てくる。肉料理はその肉の部位が表記される。
仔牛だけは内臓など特種料理になる可能性があるので、注意が必要だ。
例えば、仔牛の腎臓料理(Rognon de Veau)、仔牛ののど肉料理(Rie de Veau)など。
デザートに関しては、パイなどパティスリー(温製)のみ、この時点でオーダーするが、それ以外はメイン終了後のオーダーとなる。
(3)ワインの選択
料理の注文の後は、ワイン選びとなる。二人での食事の場合、赤または白1本で十分で、あえて白から始めて赤に替える必要もない。また、メインが魚だからといって白ワインに固執する必要もない。その逆に肉料理だから赤と限定することもない。ソムリエに相談してお好みのものをオーダーすればいい。フランス人はたいてい赤ワインを飲むため、リストにも赤が断然多い。
ミネラル・ウォーターもこの時点でオーダーする。
レストランによって貯蔵しているワインが異なるので、銘柄で覚えてもあまり意味がない。ソムリエの力を活用しよう。各地方でおおよその区別ができるので、例えば白ワインならロワール地方、ロゼワインならプロヴァンス地方、赤ワインならブルゴーニュ地方またはボルドー地方のものから予算に合わせて選ぶといい。ワインの値段は日本同様に市販価格の3倍くらいになっている。
(4)チーズ/デザートは好みで
メインを食べ終えると、「チーズ(フロマージュ Fromage)はいかが?」と言ってくる。いろいろな種類のチーズを持っきて選択するようになっている。いらなければ、デザートの選択になる。
パティスリー(Mille Feuilles、Charlotteなど)、アイスクリーム(Glace)、シャーベット(Sorbet)赤いフルーツ(Fruits Rouges 季節が限られる)などが代表的だ。
デザートの後にコーヒーの注文がくる。満腹でデザートをカットしたい場合コーヒーだけでも構わない。通常、セットメニューでもコーヒーは付いていない。
ちなみに日本料理店で出す食後の日本茶は、コーヒーと同じで有料の場合が多い。
(5)勘定
食事がすべて終了したら、「L'Addition, S.V.P. ラディション・スィル・ヴ・プレ(会計)」と言う.
それぞれのテーブルの係は決まっているので、サービスも勘定もすべてその同じウエイターがテーブルで行う。
伝票をはさんだバインダーを持ってくる。お金を渡すと、いったん下がっておつりを持ってくる。チップ分を残して(あるいは足して)バインダーを返す。
サービス料は含まれているのが普通だが、チップは1テーブル5〜10ユーロで十分。支払いは自分のテーブルで済ませるのがしきたり。 ~
カード払いの場合も別に置いていく。
名物料理・食材 †
フランスは食材の豊富な土地で、市場へ行くとその種類の多さに驚かされる。季節感を大切にし、旬のものが絶えず手に入るため、人工的な栽培や加工したものがほとんどない。
農薬の使用が制限されているので、高い品質のものが食される。スーパーで売られている食品も防腐剤が加えられていないので新鮮そのものだが、その分、消費期限が短く、期限を越えると腐敗が早い。牛乳などは注意が必要だ。
- エスカルゴ
養殖のカタツムリをガーリックバターを塗ってオーブンで熱する。前菜として食べる。特産地のブルゴーニュ地方では、教会や家々を飾るモチーフにもなっている。
*フォアグラ
アルザス地方とペリゴールからミディ・ピレネー地方にかけて一帯が特産。太らせたガチョウや鴨の肝臓で高級食材。テリーヌとして前菜に、グリルしてメインコースで食べる。
- トリュフ
フォアグラ同様、ペリゴールからミディ・ピレネー地方の特産。高級な料理に少しばかり添えてあることが多い。香り高いキノコの一種で、かしわの木の根元の地中に生え、秋に赤から黒色に変色し風味が出てくる。収穫は12〜2月。見つけるのが至難の業で、鼻のいい犬や豚を使って探す。
- 野禽類
うさぎ、きじ、鹿、ホロホロ鳥など。秋になると狩猟が解禁になり、ハンターが山で獲ってきて市場に持ち込む。いつもと変わった味覚を楽しむと結構贅沢な料理である。
- チーズ
フランス各地で特色のあるチーズが作られ、スーパーでも市場でも売り場には数え切れないほどの種類がある。ワインと同様にAOC(原産地呼称管理制度)がある。
カマンベール;フランスで最もポリュラーなチーズのひとつ。ノルマンディー地方の特産品だったが、今ではフランス各地で量産されている。
ブルーチーズ;ミディ・ピレネー地方のロックフォールチーズは特に有名である。
- カキ
大西洋に面したブルターニュ地方のカキは冬の名物で、収穫されてその日のうちにパリのレストランの店先に並ぶ。主に生ガキとして食する。グラタンなどにも使われる。
- ムール貝
大西洋岸の港に上がってくるムール貝はカキと同様に冬の名物になっているが、ワインやマスタードなどを使ってクックして食べたり、カキなどと一緒に貝類の盛り合わせ(Fruits de Merフリュイ・ド・メール)としてレストランで食べられている。
- ホワイトアスパラガス
5月に市場に出てくるもので、マヨネーズなどこってりしたクリームソースをかけた大きなアスパラはメインディッシュとして賞味されている。
- ブイヤベース
マルセイユの郷土料理。古くからの港町で漁師が新鮮な海の幸を使った魚介類のスープ。魚介類はそのままの形で煮込み、サフランやトマトで味付けする。
南仏のツアーでは一度は供されるものとなっている。
- クレープ
冬のパリの風物詩で、街角の屋台やカフェの店先で丸い鉄板で焼いている。
材料はそば粉でブルターニュ地方が郷土料理。そば粉の薄いパンケーキといったところだ。
ハムやチーズを包むスナック風のギャレットとジャムやクリームを包み込む小麦粉の甘いクレープがある。