フランス
ホテル事情 †
ホテルの格付け †
- フランスのホテルは、政府によりその規模や設備によって格付けがされている。
- その等級は星の数で表示され、星無しからから「1つ星」〜「4つ星デラックス」までの6段階に分けられている。そしてその等級はどのホテルでも玄関入口に必ず表示されている。
- 最近、4つ星デラックス表示を5つ星にするように変更されている。
- 一般的には星の数が増えるほど高級とされているが、格付けの対象はあくまで規模や施設が基準となる。
- 各等級により課税額も違うため、ホテルによっては設備は上級レベルに達していながら敢えて低い星にしているところもある。
- 荷物を運ぶポーターやドアマンがいるのは4ッ星クラス以上で、3ッ星以下では鍵を受け取り、スーツケースは自分で部屋へ運ぶのが普通になっている。
- レストランの「星」の基準は関係ない。
- レストランに星が「1つ」とか「2つ」とか言われることがあるが、フランスのタイヤメーカーのミシュランが発行しているガイドブックで独自に評価した基準で判定したもので、政府がホテルに格付けしているものとは何ら関係ない。
- ミシュランガイドブックにはホテルにも独自に行なっている星のランク付けがされているが、フランス政府の基準としているものとは違うので混同しないように注意しなければならない。
- 等級の概略は次のとおり。
- 1ッ星
最低7室あること。湯と水が出ること。全室の25%の部屋に独立した洗面設備があること。30人に一つのシャワーつき共同バスルームがあること。トイレのない部屋10質にひとつの共同トイレ(ワンフロアーに最低1ヶ所)があることなど。
- 2ッ星
1ッ星の基準にプラスして次の条件を満たすこと。
全室の40%がバスまたはシャワーつきであること。シャワーのない部屋の宿泊客20人に1ヶ所の共同バスまたはシャワーがあること。各フロアーに電話ボックスがあること。4階建て以上の場合、エレベーターがあること。従業員が外国語をひとつ話せること。客室内での朝食が可能なことなど。
- 3ッ星
部屋数が10以上あること。1ッ星、2ッ星の基準のほかにプラスして次の条件を満たすこと。
全室に専用の洗面設備があること。70%の部屋がバスまたはトイレつきであること。50%の部屋に専用トイレがあること。全室に電話があること。3階建て以上の場合、エレベーターがあること。従業員がフランス語以外の言葉を二つ1話せることなど。
- 4ッ星
1ッ星〜3ッ星の基準のほかにさらに次の条件を満たしていること。
90%の部屋にバスまたはシャワーがあること。90%の部屋に専用トイレがあること。2階建て以上の場合、エレベーターがあること。レストランがあることなど。
- 4ッ星デラックス
1ッ星〜4ッ星の基準に加えて次の条件を満たすこと。
全室がバスつき。サロンに作り変えられる寝室1〜2室を有するスィートルームがあること。
(観光局資料から)
ホテルの選択 †
(星の数よりロケーション)
- パリは町が大きく、ホテルのロケーションはとくに重要なポイントになる。
- 地区によっては治安上良くないところがあり、日中でも一人歩きでひったくりにあるようなところもある。
- 環状線(ペリフェリック)沿いにあるところでは交通事情が悪く、貴重な滞在時間を無駄にすることが多い。
- 概して、中心地へ入るほど料金は高い。
- フランスの地方都市では、駅が旧市街に隣接していて、駅前にホテルが集まっている。
- 中心地にはこぢんまりしたホテルが多く、郊外(インターチェンジ付近)にチェーンホテルが集まっている。
(ホテルのタイプ)
- ヨーロッパタイプ:
古くからの建物は外観部分をそのまま保存しなくてはいけないという法律上の規制があるため、内装だけをモダンに改装している。
パリ市内の4星以下のホテルは部屋がかなり狭い。
部屋のタイプは一様ではなく、ツアーなどで利用する場合には個々に部屋のタイプが異なる場合がある。
パリを含めフランスの南部以外はエアコン設備がないところが多い。近年の温暖化で各ホテルともエアコン設備を施しているところもあるが、スペースがないところも多く、そのままにしている方が多い。
- アメリカンタイプ
近代的な建物はパリ市内や地方の旧市街地では少なく、多くは町はずれや再開発地区になる。近代的な建物であっても必ずしもエアコンが完備されているとは限らない。3星以下にはエアコンはない。
料金体系 †
- フランスのホテルでは、フロントの目につく場所に料金を、部屋の中にはその部屋の料金を提示することが義務づけられている。
- 料金設定は各ホテルが自由に行えるので、高いホテルが4つ星クラスとは限らない。
- いずれのホテルも期間によってかなり細かく料金体系が区分されている。
- パリはイベントの多い都市で、その期間に合わせて料金が極端に高く設定されている。それでも満室状態となる。
- もっともホテルの確保の難しいのは、各種の見本市とファッションショウ、スポーツイベントである。
- 1月下旬〜3月上旬、5月上旬〜6月中旬、9月中旬〜11月上旬でこの時期はパ市市内は文字通り完売、近郊に宿泊せざるを得ない。特に10月1日をはさんで前後1週間は極度にひどい状態になる。
- 旅行の出発日はまず希望する都市のホテルを確保してから出発日を決めるべきだ。
- せっかくの旅行もホテル内の混雑で快適さを失うのは無駄だ。宿泊日を一両日ずらしただけで快適になる。
- 7〜8月はバカンスシーズンでイベントは全くなく、ホテル料金も比較的低い。
- 南部のリゾート地は逆にこのシーズンだけ極端に高い。
- パリのホテルは原則として朝食は付かず、別料金。
- 旅行代理店から手配する場合には朝食付きになる場合が多い。
- 4つ星はアメリカン・ブレックファスト、3つ星はコンチネンタルが多い。和食があっても追加料金がいる場合もある。
主なホテルチェーン †
フランスではホテルのチェーン化が進んでいる。同じホテルの建物であっても系列がたびたび変わり、ホテル名も変わることがある。
プチホテル †
- 3星以下のホテルで部屋数の少ないものを一般にプチホテルと称している。
- プチホテルやグルメホテルは雑誌などで紹介されると人気が出てくる。
- こういうホテルは旅行業者、ツアーオペレーターなどのエージェントの仲介を認めないホテルも少なくない。
- 旅行者がネットまたはFAXで直接手配をしないと受けてくれない。
- 旅行業者に依頼する場合には、通信費やあっせん手数料を別途支払うこととなる。この場合には宿泊料は全額ホテルに支払うようになる。
アパートメントホテル †
- フランスには長期滞在者のためのアパートメントホテルがあリ、チェーン化されている。主にリゾート地をカバーしているもので、ヨーロッパに人たちには人気がある。
- 地域によっても異なるが、大体一週間以上の宿泊が条件となっている。
- キチネットやリビングルームがついているところから1LKまで様々だ。
- パリ市内にもあり、3〜4泊以上というところもある。長期滞在者には便利だ。
ピエールバカンスPierre & Vacances Residence
http://www.pierreetvacances.com/
シタディンCitadines
http://www.citadines.com/
ピエール・バカンスは郊外やリゾート地にあってやや高級感があり、料金も高めだ。
シタディンの方は町の中心地に多く、概してエコノミータイプ。