スペイン
トラブル対策 †
近年、スペインの治安状況の悪化が問題になっている。しかもそれは、日本人旅行者を狙った犯罪の急増を意味しているのである。あまり多く語ると旅行する気分が削がれてしまうかもしれないが、旅行業に身を置く以上は、やはり知っておかなければならない事実である。
最近の傾向として、金銭目当てはもとより、日本のパスポートが狙われている。アフリカ系の男たちに取り囲まれてパスポートを強奪される事件が続発。被害はマドリッドやバルセロナなどの大都市に集中している。
パスポートを取られるというのは、どういう状況かを考えて欲しい。パスポートはそうそうズボンのポケットなどに入れて歩くものでない。持ち歩くとしても、貴重品袋などに入れて服の中に身に付ける人が多いはずだ。それを奪うということは、スリなどの生温い方法ではなく、数人で「はがい絞め」あるいは殴打で「失神」させられるのである。
危険な場所 †
- 空港から市街へのバスターミナル^
特にマドリッドのコロン広場などは強盗に狙い打ちされている。
- 地下鉄駅
離れたろころから目をつけられ、乗り換え通路や出口付近で囲まれる。
- 公園
人気がなく、物かげができる場所が多い。犯罪者がどこに潜んでいるか、また引きずり込まれるかわからない。
これらの場所へは極力近付かないようにするべきだし、それ以外でも街を歩く時には十分な注意が必要だ。
対策 †
- パスポートを持ち歩かない。
まずホテルに着いたら、セーフティーボックスにパスポートを預けてしまうこと。スペインでは外国人に対して身分証明書(パスポート)の携帯を義務付けている。しかし、近年の状況を踏まえて、日本人は外出中はコピーと滞在(パスポートが保管されている)ホテルのカードを持っていればよいことになっている。
街でブランド品のバッグを持ち歩いたりしていると、貴重品が入っていると思われやすい。できるだけ手ブラで出かけること。大したものは持っていないことをアピールするために「スーパーのビニール袋に入れて歩け」とも言われているが、日本人観光客がみなエル・コルテ・イングレスの袋を持っていたら、それはまたそれで妙な光景だ。とにかく貴重品はホテルに預け、手ぶらに近い状態になれば、気にかけるのは財布くらいで、気分的に楽になれる。
- 移動にはタクシーを使う。
目的地がそんなに遠くなくても、タクシーを使おう。多少の出費で危険を回避できるなら、安いものだ。特に空港からホテルへ向かう場合など、大きな荷物がある時は注意。
地下鉄もあまり勧められない。マドリッドのソルやグランビアの駅のあたりは特に雰囲気が良くない。
そして、もし遭遇してしまったら、決して抵抗しないこと。もみ合いになると、必ず鋭いナイフでところ構わず切りつけてくる可能性がある。