スペイン

スペインの王室

 現スペイン国王フアン・カルロス1世は、フランスからの流れを汲むスペイン・ブルボン家の人である。王位継承戦争に勝利したブルボン家は18世紀からスペインの統治を行っていたが、1931年、国内の共和主義運動を受けてアルフォンソ13世は国外に逃れた。その後、内戦、フランコの独裁時代を経て、1975年に孫のフアン・カルロス1世が再びスペインの国王の座に着くこととなった。
ロイヤルファミリーのプロフィールは以下の通り。

フアン・カルロス1世国王(1938年生まれ)

王室の亡命先であったローマで生まれている。父ドン・フアン(バルセロナ伯爵)の勧めで10才の時に単身スペインの出向き、フランコ将軍の元で教育を受ける。1975年、フランコの死去にともない、後継者として国王に即位。脱フランコ路線を歩み民主化を進めた。国際的にも高い評価を受けており、ノーベル賞の候補にも上がったことがある。190cmの長身でスポーツマンであり、64年の東京オリンピックにヨットの選手として出場している。子供たちも運動能力が高い。

ソフィア王妃(1938年生まれ)

元ギリシャ国王の長女で、1962年にフアン・カルロス国王と結婚。ソフィア王妃財団の総裁で、文化事業や福祉活動に尽力している。~

フェリペ王子(1968年生まれ)

国王夫妻の長男で、第一王位継承権保有者。皇太子は伝統的に「アストゥリアス皇太子」の称号を持っている。彼もまたスポーツマンで、92年のバルセロナ・オリンピックでは開会式の騎手を努め、ヨットの代表選手として出場している。

エレーナ王女(1963年生まれ)

長女で第二王位継承権保有者。英語が堪能で、教職免許も所得している。95年に結婚し、息子がいる。~

クリスティーナ王女(1965年生まれ)

次女。ニューヨーク大学で国際関係学を修了。ソウル・オリンピックでヨットの選手として出場し、開会式では旗手も務めた。97年にハンドボールのプロ選手と結婚した。

王室の役割と日本の皇室との交流

スペイン王室は立憲君主制のもと、日本の皇室と似た役割を果たしている。国際親善の一環として、諸外国を訪ねたり、ホストとして賓客を迎え入るのも、その一つである。フアン・カルロス国王夫妻とフェリペ皇太子は98年に日本を訪れている。また、日本の皇室からは、92年のセビーリャ万博およびバルセロナ・オリンピック開会式に皇太子が臨席。94年に天皇皇后両陛下がスペインを訪問。97年のクリスティーナ王女の結婚式には高円宮殿下が出席されている。