ウシュマル Uxmal

概要

ウシュマル遺跡はメリダの南約80km。
ユカタン半島にはマヤ文化の遺跡が多く残されているが、代表的な遺跡のひとつがウシュマルの遺跡群。古都メリダを基点にウシュマル、チチエン・イッツアーの2大遺跡を回るのがポピュラーな「ユカタン王国・文化と歴史ルート」になっている。
中心に配置された綿密な格子とモザイクを持つ「総督の館」、高さ32mの「大ピラミッド」、さらに、それよりも高い38mの「魔法使いのピラミッド」、「矩形の尼僧院」など修復が進んだ建造物が多く、見学には最低2時間は必要。また、夜には遺跡をライトアップした「光と音のショー」が開かれる。

ユカタン半島特有の潅木の密生地を縫って、メリダから南へ約80km。
7世紀初頭に栄え、上部の過剰なまでの幾何学模様や、モザイク装飾が特徴である古典期末期のプウク様式と、トルテカの影響を受けた後古典期の建造物が見られる、
「ウシュマル」は7~12世紀頃に栄えたもので、雨やトウモロコシの収穫を祈願した文様が多く見られる。

プウク地方最大の都市遺跡。プウクとはマヤの言葉で丘陵を意味し、ウシュマル、カバー、サジール、シュラバク、ラブナなどの遺跡を結ぶ道はプウク・ルートと呼ばれている。

高度な技術による三角形のマヤ・アーチが見られ、長い鼻、大きく丸い眼の雨の神チャックをモチーフとした装飾が目立つ。丸みを帯びた高さ38mの神殿は占い師のピラミッドと呼ばれ、急勾配の階段の上に神殿がある。ほかにも尼僧院、老女の家、亀の家、鳩の館、統治者の宮殿など、建造物には奇妙な名前が付いている。
建物の中央にマヤ・アーチのある統治者の宮殿は、10mを超すテラスの上にさらにテラスが重なり、多くの部屋があり、正面は美しく複雑な装飾が見られる。亀の家の上部に、亀と思われる像が彫られているのが名前の由来。雨の神チャック同様に、亀は水の使者と信じられ、雨乞いのために祀られたと考えられている。マヤ暦では、亀は長寿、永遠と生命のシンボル。地質が石灰岩のユカタンは川がなく、水は貴重だった。地下水の浸食でできた泉がセノーテだ。(08観光局資料)


ウシュマルへのアクセス

陸路

ウシュマル遺跡はメリダ南約80km。車で1時間~1時間30分ほど。 カバー遺跡はウシュマルから18km東南約20分、サイル遺跡はさらに5km南。
ラブナ追跡はサイルからさらに10kmほど先。


ウシュマルの見どころ

魔法使いのピラミッド Piramide del Adivino
壁画で鍾われた巨大な建物
入口を入ってすぐ目に入る高さ38mの巨大なピラミッドで、丸みを帯びた柔らかい建物。急勾配を昇った上部に神殿があり、壁面はびっしりとモザイク状の壁画で覆われている。

総督の館 Polacio del Gobernador
高台から堂々と遺跡を見渡す
偉大な支配者だったチャン大王が使っていたとされる、遺跡内で最も風格に満ちた建物。
遺跡全体を見回せる高い場所にあり、矩形の尼僧院方面の眺めが素晴らしい。
雨の神チャックの顔、ヘビ、雷などの文様、疑似アーチなど、レリーフが壁面に多く見られる。

矩形の尼僧院 Cuadranqulo de las Monjas
尼僧院と名づけられた宮殿
中庭を取り囲むように東西南北4つの矩形の建物が周囲に建つことから、スペイン人に「尼僧院」と名づけられたが、実際には儀式が行われた宮殿と推測されている。
双頭のヘビ、トウモロコシなどの文様とともに、御神輿のようなレリーフが壁面に見られる。

球技場跡 ここで生死をかけた戦いが繰り広げられた。
矩形の尼僧院と亀の家の間に挟まれたスペースは、フェゴ・デ・ペロタが行われた「球技場」。これは遊びというよりも宗教的な儀式として生死をかけて行われていた、サッカーに似たボールゲーム。
総督の館の西側にある「大ピラミッド」の項上はウシュマルで最も高い地点。遺跡の全容と周囲のジャングルの眺望が広がる。


ウシュマル周辺の遺跡

カバー遺跡 Kasbah

(参考資料:観光局)