ドイツ/ミュンヘン・アルペン街道・バイエルン地方
ミュンヘン Munchen †
バイエルン州州都
人口:約130万人
- バイエルン州は、ドイツの中で最も面積の広い州。その州都ミュンヘンはドイツ第2の都市。アルプスからさほど遠くないところで標高520mに位置している。
「ドイツの隠れた首都」「最大の村」「イザールのアテネ」「ビールと芸術の街」など数々の愛称を持つ南の都。
- 南ドイツで最も重要な経済圏でもある。
日本でも人気のあるBMW車の本社はここミュンヘンにある。
バイエルン州は小麦などの大農業州だったが、
戦後の復興から再びドイツ有数の繁栄する産業都市になり、ここ数年来、この地域ではハイテク産業が著しく発展している。
その一方で職人仕事も重要な役割を果たし続けている。
手工芸国際見本市Handwerksmesseは、毎年2400人近い出展者を記録している。
- 1972年には夏のオリンピックが開催され、南の明るさとバイエルンのローカルカラー、美しい建物が独特の景観と雰囲気を作り出している魅力的な街。
- ミュンヘンの名前はイザール川の僧院(僧を表すドイツ語メンヒ)に由来していることからか、ミュンヘン市の紋章は、小さなお坊さんのマークだ。
- 第一次世界大戦による敗戦で中には、ミュンヘンも他のドイツの都市同様、飢餓で瀕死に陥り、さらに第二次世界大戦中には爆撃のため20万人以上の犠牲者を出している。
そして再建復興の節目に1972年夏のオリンピックが開催されたが、選手村がテロリストに襲われ、選手が人質にされて17人が殺されるという悲劇で、祭典は幕を閉じた。
- ミュンヘンはお祭りでも有名で、大ビール祭の「オクトーバーフェスト」は、昔バイエルン皇太子の結婚を祝して競馬が催され一般市民も参加する民俗祭となったのがその由来。醸造業者や民族コスチュームの大パレードがある。
ちなみに、名前はオクトーバーだが、毎年10月の第1日曜を最終日とする。
よって祭の大半は9月にあたるので注意。
また、春には「ファッシング」とよばれ、市内いたる所で行われる派手な舞踏会も名物。
- ミュンヘンを州都とするバイエルン州には全国の3分の2の醸造所があり、軽くて喉ごしのよいサラッとしたビールが特徴。
変わったところでは、女性に人気のある小麦でつくったヴァイツェンビーア Weizenbier 。
レモンを浮かべて飲む爽やかなもので、酵母の浮いている少し濁ったものは、ミットヘーフエ Mit Hefe で、肌がきれいになるといわれる。
- 芸術の都ミュンヘンには、劇場が約70、美術館・博物館も約50あるといわれる。
多数の作品を収蔵し大規模な展示を行うものから、独自のコンセプトを持った小規模なものまで多様だ。
- ミュンヘンは周辺に観光地が多いので、長く滞在して電車やバスで身軽に日帰り旅行がお薦めだ。
アクセス †
- 空港
ミュンヘン国際空港(フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス空港)Flughafen München Franz Josef Strauss(空港コード:MUC)
ミュンヘン市内の北西約28km
中央駅と空港駅間は近郊列車Sバーン(Sl、S8)で40分、20分間隔
バスは中央駅横〔右サイド)のアルヌルフ通りの発着となる。45分、20分間隔。
いずれの道路も渋滞することが多いため、所要時間が不安定なので、鉄道利用がお薦めだ。特に朝夕は渋滞がひどい。
タクシーも中心地までは 45〜50かかる。
http://www.munich-airport.de
- 鉄道
フランクフルト中央駅からは特急ICEで3時間40-55分。ほぼ1時間間隔。
フランクフルト空港駅からの便はない。
東欧方面からの列車も多い。
ウイーンから特急約5時間、ミュンヘン・ザルツブルグ間は特急OECで約1時間30分。
ミュンヘン中央駅から、片道ほぼ1時間で行くことができるところとして、
フュッセンFussen(•ノイシュヴァンシュタイン城 Schlos Neuschwansteinなど)
ガルミッシュ・パルテンキルヒェン Garmisch Partenkirchen(ツークシュピッツZugspitzeなど)
プリエンPrien(キーム湖 Chiemsee、ヘレンキームゼー城 Schloss Herrenchiemsee など)
ニュルンベルクNürnberg
レーゲンスブルクRegensburg
さらに、2時間圏内には
ケーニヒス湖 Koenigssee
リンダウ Lindau(ボーデン湖Bodenseeなど)
- バス
- ロマンチック街道観光ルート
フランクフルト中央駅(駅横)・ミュンヘン中央駅(駅横)間を往復している。
ロマンチック街道沿いの町を経由するが、観光バスのように町の案内はない。
ローテンブルグでは少し停車しているが、あわただしい。
季節により、運行計画が変わる。フュッセン発着とミュンヘン発着がローテンブルクで乗継になることがある。
ドイツ・ツーリング社Deutsche TouringヨーロッパバスEuropabus。
http://www.deutsche-touring.com
ミュンヘン市内の交通機関~ †
ミュンへン市内の旧市街地を中心と室地区は、歩いてみて回ることができる。
中央駅前の歩行者専用の広い道になっている。
街が大きいので、効率よく見て回るには、路面電車トラムや地下鉄Uバーンを利用した方がいい。
Sバーン、Uバーン、トラムとバスは一元管理されていて、チケットは共通になっている。
マリエンプラッツ駅を中心として、リング状に16区間に地域が分けられている。
「リング」の数が多い程、中心から遠く、乗車代も高くなる。
観光地の多くは3リング以内にある。
回数券と一日・3日パスがあるが、回数券は行き先によって、必要枚数が異なるので、トラムやバスでは乗るときに行き先を告げスタンプを押してもらうといい。Sバーンやバーンでは駅の表示を見てパンチを入れる。
知らずに乗り越して車内検札にあうと旅行者でも無条件で罰金を科せられる。
旅行者はパスが便利だ。
パスは1日有効券と、3日有効券に分かれ、それぞれに、4リンクしか使えないものと、16リンクまで全区間使えるものがある。
パスには一人用(シングルチケット)と5人(大人2人+子供3人)まで使えるもの(パートナーチケット)がある。
1-Tages-Single Ticket1日シングルチケット(4リングまで有効)7.50
1-Tages-Single Ticket Gesamtnetz1日シングル全範囲チケット13.00
3-Tages-Single Ticket3日シングルチケット(4リングまで有効)17.50
3-Tages-Single Ticket Gesamtnetz3日シングル全範囲チケット32.00
ミュンヘンウェルカムカードMunchen Welcome Card(パートナー5人まで):
1-Tages-Partner Ticket1日パートナーチケット(4リングまで有効):12.50
1-Tages-Partner Ticket Gesamtnetz1日パートナー全範囲チケット:25.50
3-Tages-Partner Ticket3日パートナーチケット(4リングまで有効):23.50
3-Tages-Partner Ticket Gesamtnetz3日パートナー全範囲チケット:48.00
さらに、長期滞在者向けのチケットもある。
IsarCard?イザールカード
1週間用と1ヶ月間用がある。
週間用は、月曜から日曜までの1週間の有効、週の途中に購入しても、日曜までの有効。
1ヶ月間用は、月初めから終わりまでの1ヶ月有効、月の途中に購入しても、月末までの有効。
それぞれ2〜16リンクまである。
リンクのMAP
http://www.mvv-muenchen.de/web4archiv/objects/download/1/tarifplan04vorne.pdf
料金は変更されることがある。(参考資料:ミュンヘン交通局)
ミュンヘン市内の見どころ †
ミュンヘン市内には見どころが非常に多い。
短い滞在しかない場合には、少なくとも
ドイツ博物館
アルテ・ピナコテーク
だけでも見ておきたい。
- 新市庁舎 Neunes Rathaus
新市庁舎前のマリエン広場 Marienplatz がミュンヘンの中心となっている。
1867年から1909年に建てられたネオ・ゴシック様式の建物。
ここにあるドイツ最大の仕掛時計は、毎日午前11時になると10分間作動する。
等身大の仕掛け人形 Munchner Kindl が結婚式と謝肉祭の設定で踊る。
高さ85mの塔にはエレベーターで上ることができる。
マリエン広場の中央にマリア柱像Mariensauleが立つ。
1638年にスウェーデン軍からの解放を記念して建てられたもの。
柱の先端にある黄金のマリア像は1590年に作られたもので、聖母教会Frauenkircheに安置されていたもの。
- 聖ベーター教会 St Peterskirche
新市庁舎の反対側、マリエン広場の南端にある。
高さ92mの長方形型の塔には297段の階段で上ることができる。
- フラウエン教会 Frauenkirche
ミュンヘンのシンボル。
赤く巨大な屋根、そして99mと100mの2本の玉ねぎをのせたような塔が立つ。
1488年に完成した後期ゴシック建築様式。
南塔からはバイエルンの山並みを望むことができる。
- アルテ・ピナコテーク Alte Pinakothek
アルテ(古い)に対してノイエは(新しい)の意味。
この2つの美術館は、通りをはさんで向かい合うようにして建っている。
アルテ・ピナコテークは、14世紀から18世紀の貴重なヨーロッパ絵画が収集されている世界でも有数の美術館。
ドイツの画家デューラーの『四人の使徒』や、フィリッポ・リッピの『受胎告知』、レオナルド・ダ・ヴィンチ『聖母子』、ペーター・ブリューゲル『怠け者の天国』、ラファエロ『カニジアーニの聖家族』など必見の作品は数多い。
1998年の7月にリニューアルされている。
- ノイエ・ピナコテーク Neue Pinakothek
19世紀から20世紀の欧州絵画彫刻が展示されている。
モダンな建物は戦災を受けて建て直されたもの。
明るく観やすい展示室は、すべて1つのフロアに置かれている。
フランス印象派では、マネの『アトリエでの朝食』をはじめ、ルノアール、モネ、ドガなどの作品が並ぶ。
後期印象派では、ゴーギャン『キリスト生誕』、セザンヌ『自画像』、ゴッホなど。
また、20世紀初頭の象徴主義ユーゲントシュティールの画家たち、クリムト『音楽』や、フランツ・フォン・シュトゥック『罪』、ホドラー、セガンティーニなど。いづれも巨匠とよばれる画家たちの作品が数多く収蔵されている。
- モダン・ピナコテークPinakothek der Moderne
新しくできたドイツの最大の現代美術館。
芸術の館Haus der Kunstの西翼に設置されているもので、州立現代美術館から名称変更したもの。
ガラスとコンクリートを使ったモダンな建物、
20世紀と現代における美術・デッサン・彫像・写真・ビデオ等に関する展示。
ダリ、ピカソ、ウォーホル、マティスといった近代の芸術家たちの作品もある。
- ドイツ博物館 Deutsches Museum
1925年から一般公開されている歴史ある博物館。
さまざまな科学技術をテーマにした内容は、さすが物づくりの職人の国ドイツ、を感じさせる。
すべての展示される点数は1万数千点にもおよぶ。
実物の展示が多く、実際に触れるようになっている。その種類も、蒸気機関車やUボート、ライト兄弟の飛行機、メッサーシュミットの戦闘機など大人から子供まで楽しめてしまうものだ。ミュージアムショップも充実している。
- 聖ミヒャエル教会Michaelskirche:
十字交差部の左の袖廊に、ナポレオンー世の皇后ジョゼフィーヌとその前夫・ボーアルネの子であるウージェーヌ・ド・ボーアルネEugene de Beauharnaisの墓がたっている。
地下聖堂は君主の墓所Furstengruftで、バイエルン国王ルートヴィヒニ世も含めて、ヴィッテルスバッハ家の君主30人が葬られている。
- レジデンツResidenz
マックス・ヨーゼフ広場の北端にそびえ立つ。
バイエルンの支配者たちが1385年から1918年まで住んでいた、巨大な宮殿。
内側にカイザーホーフ宮殿Kaiserhof、アポテーケ一宮殿Apothekenhof,ブルンネン宮殿Brunnenhofと、小さめの礼拝堂宮殿Kapellenhofとグロット宮殿Grottenhofなどがある。
- レジデンツ博物館 Residenz
バイエルン王家ヴィッテルスバッハ家の宮殿内の一部は公開され、歴代のバイエルン国王が収集した美術工芸品を約130室に展示。
あまりに大きいため、開館を場所によって午前と午後に分けている。
- レジデンツ宝物館Schatzkammer der Residenz
レジデンツ博物館の入口から入る
ヴィッテルスバッハ家が世界中から集めた財宝の数々を展示。
- 旧王宮劇場Alte Residenztheater
レジデンツ内に、ヨーロッパ最高レベルのロココ様式の、旧王宮劇場もある。
- バイエルン国立劇場 Bayerisches Nationaltheater:
1811年から1818年にかけて、現在と同じ場所に建てられた最初の国立劇場.
ウィーンのオペラ座やミラノのスカラ座と同じく、国際的にも最も重要な舞台のひとつであった。2100の客席がある。
- テアティーナー教会 Theatinerkirdhe:
オデオン広場 Odeonsplatzの広場に西側に建つ。
- イギリス庭園EnglischerGarten?:
市街地に接しており、広い芝生と川と湖をもつ庭園で、18世紀の末、建築家に造営された。
中国風の塔Chinesischer Turmの周囲は700O人分の席を持つ野外ビアガーデンになっていて、夏には連日にぎわっている。
丘の上に円形神殿モノプテロスMonopterosからは、旧市街が望まれる。
- ニンフェンブルク城 Schlos Nymphenburg
バイエルン王ヴィッテルスバッハ家の夏の離宮として建てられた。
このドイツ最大級のバロックの城は、戦争による破壊も受けず美しい姿を残していて、「妖精の城」ともよばれている。
内部の豪華なホールや部屋を見学することができる。特に、美人画ギャラリー Schonheitengalerie はルートヴィヒ1世が愛した美女36人の肖像画が壁全体を飾っていて、観光客に人気の展示となっている。
正面の石段から庭園の大部分を見渡すことができる。
トラム17番、41番がルートとなる。
- BMW博物館 BMW Museum
オリンピック公園の北東に位置する。
その建物は、自動車の4つのシリンダーの形をしているBMWの歴史と技術を感じさせる博物館。過去のレースで優勝を飾ったマシンや、クラシックなモデルの展示はもちろん、最先端のテクノロジーを紹介したり、自動車の構造や未来の車社会への提言などBMWコンセプトでいっぱいの博物館だ。おなじみのロゴ入りグッズは、ミュージアムショップで購入できる。
- ジーメンスフォーラム博物館Siemensforum
モダン・ピナコテークの南東約350mにある、
ドイツを代表する電機会社ジーメンスの建てた5階建ての体験型博物館で、電子工学や超小型電子工学関連の展示がある。
- オリンピック公園 Olympiapark:
市内から北西5km。
1972年、第20回オリンピック大会が行われたところ。
数多くのスポーツ施設、プール、湖、野外劇場などがあり、ミュンヒェン市民によって利用されている。
高さ190mテレビ塔Olvmpiaturmの展望台からのアルプスの眺望もできる。
旅人が訪ねてみたいスポット~ †
- 大ビアホール・ホーフブロイハウス
新市庁舎広場から歩いて2?3分のところにある巨大ホールは、飲めない人でも一度覗いてみるといい。もちろん、そこで2リットルの大ジョッキで喉を潤してくればなおさら土産話となる。時折、中央のブラスバンドの音楽に合わせて大勢が乾杯をしたりする。こんなところでビールに名産のホワイトソーセージでもかぶりつくのは楽しい。9月下旬からのビール祭りの期間中はホテルのレートは」たっくなっている。
ミュンヘン近郊の見どころ †
- ダッハウ収容所 KZ-Gedenkstadte Dachau mit Museum
ナチスの収容所跡の博物館。
ミュンヘンから北西に行ったダッハウという街にある。
ユダヤ人や反ナチスの人達を強制的に収容するために、1933年に建てられた。
数万人といわれる犠牲者を出し悲惨な人体実験も行われた
点呼広場Appellplatzには国際共同体によって記念碑が建てられた。収容者たちが天候のいかんにかかわらず、朝夕2度点呼を受けなければならなかった場所である。
収容所の近くに焼却炉が立っており、その周辺が庭園墓地に整備されている。他の犠牲者たちの遺体はダッハウの墓地Waldfriedhofと、北東に2kmのライテンペルクLeitenbergの墓地に埋葬された。
)は、ミュンへンから(ライムLaim方面行きSバーン(S2)でダッハウ中央駅まで22分、20分間隔。駅前からは路線バス(724番、726番)。
回数券や1日、3日チケットの場合、チケットのリンク範囲にご注意。駅でしっかり確認のこと。
リンクの範囲なら、乗り換えバスも含まれている。運転手にスタンプの押された回数券チケットまたはパスを提示する。
- アマ湖 Ammersee:
標高533mの氷河のあとにできた湖
アマ湖を見下ろす200m近い高さのアンデクス Andechsの「聖なる丘Heiliger Berg」の上に建つベネディクト会修道院Klosterkirche。
修道院付属建物内に設置されたピール工場では、きわめて評判のよいヒールを、年に約7万hl生産している。
- 映画都市バヴァリア Bavaria−Filmstadt Geiselgasteig:
市内から南10km。
1919年、最初の映画がここで撮影された。それ以来バヴアリアのスタジオが誇りとする映画製作の伝統は長く、ヒット作も多い。この映画都市でつくられた映画のなかには、有名な「キャバレーCabaret」、「船Das Boot」、「果てしない物語Die unendliche Geschichte」などが含まれる。
Uバーンでシルバーホルン通りSilberhornstrasseで下車、トラム25番でバヴアリア映画村広場Bavariafilmplatz下車。