カナダのワイン †
高緯度にあるカナダでもワインは生産されている。生産地はナイアガラ周辺と、B.C.州のオカナガン・バレーが代表的で、ワイナリー巡りの現地ツアーもある。
ツアー中の食事の際にでも、試してみるとよいだろう。
生産地 †
フランスなどヨーロッパのワイン生産国と同様に、カナダでも品質基準の証明として、VQA(Vintner’s Quality Alliance)という生産地呼称を採用している。
- オンタリオ州
Niagara Peninsula (ナイアガラ半島)
Pelee Island (ピーリーアイランド)
Lake Erie (エリー湖)
- B.C.州
Okanagan Valley (オカナガン・バレー)
The Similkameen Valley(シミルカミーン・バレー)
Vancouver Island (バンクーバー島)
The Fraser Valley (フレーザー・バレー)
上記が主な生産地ということになるが、生産量ではナイアガラ半島が断トツで、カナダワインの約8割を占めると言われる。しかし、近年ではB.C.州のワインも注目浴びており、オカナガン湖周辺に位置するバーノン、ケローナ、ペンティクトンといった町には40を超えるワイナリーがある。
また、その他にもケベック州南部、イースタン・タウンシップス地方でもワインが生産されている。
(アイスワイン)
カナダのワインと言えば、アイスワインが有名だ。
完熟して木になったままの状態で凍結したブドウを使った、濃縮された甘さと香りのあるデザートワイン。マイナス8度以下を記録した日の深夜から明け方にかけて手で摘み取るため、生産量が少ない。
世界でもドイツ、オーストリアの他にはカナダでしか生産していない稀少価値があるので、おみやげとしてもよい。ナイアガラ周辺には専門店があり、ミニボトルでも販売している。
カナディアン・ウィスキー †
「世界5大ウィスキーとは、………とカナディアン」とウィスキーの分類では名前は挙がってくるものの、今ひとつメジャーではないのがカナディアン。ライ麦を主原料にした香味の強いフレーバリングウイスキーとトウモロコシを主原料にしたベースウイスキーのブレンドによって作られる。
軽い口当たりが特徴で、ウィスキーが苦手な人にも飲みやすいと言われ、「マンハッタン」などカクテルのベースにも使われている。蒸溜所巡りが旅のテーマにもなっているスコッチのシングルモルトとは対照的。クセのある酒が脚光を浴びる昨今では、この軽さはマイナス材料なのかもしれない。
以下にカナディアン・ウィスキーのブランドの一例を挙げる。主要ブランドは日本の大手メーカーが販売しているものもあるので、おみやげとしては違うブランドか、同じブランドでも日本で販売されていない種類を買うのがポイント。有名ブランドは大量生産のイメージが強いが、現地に行けば限定バージョンに巡り合えるかも。
- カナディアンクラブ Canadian Club
日本で最も知られているカナディアンのブランド。オンタリオ州ウォーカーヴィルに本社があるハイラム・ウォーカー社が製造元。日本ではサントリーがメインラベルの他に、12年もの、ブラックラベルを販売。他にも少量生産の「シェリー・カスク(シェリー樽で熟成させたもの)」などいくつか種類があって、一部は日本の酒販店が直接輸入している。
- クラウン・ローヤル Crown Royal
オンタリオ州のシーグラム社が製造。イギリス国王ジョージ6世がカナダを訪問した際に献上品として作られたのが由来。
日本では、同じくシーグラム社製のシーグラムV.O.、セブン・クラウンとともにキリンが販売している。
- アルバータ・プレミアム Alberta Premium
カナディアン・ロッキーの雪解け水とアルバータ州の上質なライ麦を使用。
アルバータ・スプリングス10年、キャリントンとともにアサヒが販売している。
- マッギネス・ホワイト・カナディアン McGuinness? White Canadian
トロントにあるマッギネス社はハイラム・ウォーカー、シーグラムに次ぐカナダで3番目の規模のメーカー。ホワイト・カナディアンは無色透明の珍しいウィスキー。
- フォーティ・クリーク・バレル・セレクト Forty Creek Barrel Select
伝統的な銅製の単式蒸留器で蒸留し、シェリー樽で熟成。製造元のキッティングリッジ・エステートワインズ&スピリッツは、ブランデーやアイスワインも手掛けている。
- ロット No.40 Lot No.40
オンタリオ州のコルビー社が製造。バーボン樽で8年以上熟成させた逸品。製造工程が描かれたラベルが印象的。