ヨーロッパ/スロバキア
歴史 †
スロバキアは906年大モラビア王国が滅ぼされて以降、約1千年に渡る長い間、ハンガリーの一部となっていた。16世紀には、ブダペストを含むハンガリーの領土の大半がオスマン‐トルコの影響下にあったため、1536年に遷都されたブラチスラバで戴冠式が行われていた。
第一次世界大戦後(1918年)、両国は連邦を組んでチェコ・スロバキア共和国として独立。しかし、チェコ中心主義に不満を持ったスロバキアは1939年独立を宣言しドイツと保護条約を結び、チェコはボヘミア・モラビア保護領としてドイツの支配下に入る。第二次世界大戦後、再びチェコ・スロバキア共和国として独立。共産党による社会主義政策が進められる。1989年、民主化を求める反政府デモにより共産党政権が倒れ、新体制となった。しかし、その後の政策をめぐりチェコとスロバキアに亀裂が生じた。
1993年、連邦制を解消し、スロバキアがチェコから分離独立。それぞれが別々の共和国となった。
世界遺産 †
- ヴルコリニェツ(文化遺産 1993年)
中世の雰囲気を伝える伝統的家屋の村。
10〜12世紀、スラブ民族の集落ができたスロバキア中部のヴルコリニェツ。以来継承されてきた伝統的な建築工法による18〜19世紀の木造家屋45戸が残され人々が生活している。石を積んだ土台に丸太を組んで土壁に漆喰を塗り、入母屋づくりの屋根が特徴的。現在、老朽化のため維持が難しい状態となっている。
- バンスカー・シュティアヴニツァ(文化遺産 1993年)
中世に栄えたスロバキア最古の鉱山の町。17〜18世紀の最盛期には、火薬による岩盤爆破や蒸気機関による坑道掘削などを開発し、鉱山技師養成学校も開設されていた。
- スピシュスキー城とその関連文化財(文化遺産 1993年)
12世紀に町を見下ろす丘の上に築かれたスピシュスキー城は、東方からタタール人(モンゴル人)の侵入に備えたもの。1780年の火災により現在は廃墟となっている。また、城下町として繁栄したスピシュカ・カピトゥラは、聖マルティン聖堂をはじめ多くの歴史的建造物が保存されている。
- バルデヨフ市街保護区(文化遺産 2000年)
完璧に保存された中世の要塞都市。
ポーランドとの国境近くに位置し、13世紀に交易都市として発展。14世紀から造られた市壁により要塞都市となり、旧市街には聖エギディウス聖堂など後期ゴシック様式の建築物が保存されている。