オーストラリア

オーストラリアのワイン

最近、チリや南アフリカなど南半球で採れるワインの評判が高くなり、生産量も急増している。オーストラリアも生産量は世界のトップ10に入り、輸出量はフランス、イタリア、スペイン、アメリカ合衆国に次ぐ、世界第5位にまでなっており、今後も好調な伸びが続くと思われる。

オーストラリアのワインの歴史は約200年と浅いが、当然、移民の歴史と関連が出てくる。祖国から苗と技術を持ち込むと同時に、自らが消費者となって、オーストラリア人のワイン文化を作り上げていった。
オーストラリアワインの最大の特徴は、ブドウ品種が持つ香味を最大限に現わしていることで、概してフルーティで飲みやすい。
また、国土が広いために、ワインの種類はスパークリングからシェリーやポートタイプの酒精強化ワインまで多岐に及んでいるのも特徴。かつては酒精強化ワインの割合が高かったが、現在はテーブルワインが主流になってきている。オーストラリアワインは手軽な価格帯のものが多いが、熟成タイプの高級品も生産している。

<主な産地と特徴>

ノーザン・テリトリー以外の6つの州で生産されているが、大まかにいうと、南オーストラリア州が生産量の約半分。ニュー・サウス・ウェールズ州とビクトリア州がそれぞれ4分の1から5分の1程度を占め、西オーストラリア州、クイーンズランド州とタスマニア州はわずかなシェアしかない。

南オーストラリア州

オーストラリアワイン全体の約50%を占める最大の生産地域。1830年代から40年代にかけて、ドイツから移民したシレジア人により、ブドウ栽培が始められた。
(代表的産地)

ニュー・サウス・ウェールズ州

オーストラリアワイン発祥の地。
(代表的産地)

ビクトリア州

19世紀にフィロクセラ病の被害などから壊滅的な打撃を受けたが、近年復興を成し遂げた。シェリー、ポルト、トカイ、マスカットなどの酒精強化ワインなども生産される。
(代表的産地)

西オーストラリア州

地中海性気候で、オーストラリアのワインの生産地の中では最も気温の高い地域。
(代表的産地)

クイーンズランド州

イタリアからの移民がブドウ栽培を始めたが、主に生食用であった。現在はシラーズなども植えられ、小規模ながらワイン生産が行われている。

タスマニア州

19世紀に試験的な栽培が始まったが、気候が涼しく、ブドウの栽培には不適と考えられていた。現在では規模は小さいが、上質のワインが生産されている。

ワイナリー巡りの現地ツアー>

観光の拠点となる都市では、ワイナリー近郊のワイナリー巡りのツアーが出ている。 まずは、主要都市と近郊の生産地の組み合わせは覚えておこう。

ワインの収穫時期

ブドウの収穫の時期は、北半球とは逆となる。
主要な産地では、収穫期にたいてい華やかなイベントが行われる。