フィリピンの世界遺産

パラワン島スールー海、トゥバ夕ハ岩礁海洋公園(1993年自然遺産)

パラワン島から南東へ約180km離れたスル海にある3万3200ヘクタ−ルの広大な海中公園で、東南アジア最大といわれる珊瑚礁と珍しい生物が見られる。
南北2つの環礁(North&South Islets)から成り、西側のすぐ近くには高さ500mのサンゴ岩柱ジェシー・ビーズレイ(Jessie Beazley)がある。2つのリーフは、エダサンゴやソフトコーラル、熱帯魚や回遊魚の宝庫で、たくさんのダイビングポイントがある。環礁の砂州部分は海鳥の疲れを癒す憩いの場所になっている。
(アクセス)
マニラからパラワン州の州都プェルトプリンセサまで国内線で約1時間。セブ島からも便がある。そこから、トウバタハ岩礁へは、2月下旬〜6月上旬に催行されるダイビング・クルーズを利用する。4月と5月がベストシーズン。セブ島等からトウバタハを訪れるダイビング・クルーズが出ることもある。
フェルトプリンセサよりポートで12時間。

フィリピンのバロック様式教会群(1993年文化遺産);

16世紀、キリスト教の布教によって始まったスペイン統治。フィリピンの各地に、当時の景観を今に伝えるたくさんの教会がスペイン人によってバロック様式教会が建てられている。そのうち、マニラのサン・アグスチン教会、ルソン島のサンタ・マリア教会とパワイ教会、バナイ島のミアガオ教会の4ヵカ所が世界遺産に登録されている。地震が多い地形のため、頑丈な石造りの建物が特徴となっている。

ミアガオのサント・トマス・デ・ヴィリャヌエバ教会Miagao Church

バナイ島イロイロ郊外
1700年代に建てられた、レリーフが興味深い教会。白っぼい砂岩の正面部分にはココナツの木を抱え、幼きキリストを肩に乗せた旅の守護聖人クリストファーと古代アステカ芸術に似たタッチのパパイヤとグアバが左右に彫刻されている。当時は礼拝堂且つ砦の役目も果たしていた。左右の鐘楼はシンメトリーに見えるが、異なる修道士によって造られているので、よく見ると、異なった造りになっているのが分かる。
(アクセス)
マニラからイロイロまで国内線で約1時間。セブ島からも便がある。

パワイ教会 Paoay Church 

ルソン島ラワグ郊外
フィリピン人デザインの数少ないスペイン・スタイルの教会。屋根の裾野に沿つて突き出ている角状のものは、スペイン統治時代以前、それもインドネシアのマジャバピト帝国の建築様式の影響を受けていると言われている。土曜日には教会の脇で、織物製品や手工芸品等のマーケットが開かれる。
(アクセス)
マニラからラワグまで国内線で約1時間。またはマニラから長距離バス・車で約10時間。

サン・アクスチン教会San Agustin Church~

1571年に基礎が造られ、1587〜1607年に完成したフィリピン最古のバロック様式の石造教会。マニラ市内のイントラムロス(城壁都市)にある。別名Church ofImmaculate Conception(聖母マリア)ofSan Agustin。戦争や地震、天災にも関わらず、イントラムロス内部にある建物の中で、唯一破壊を免れた奇跡の教会としても知られている。
(アクセス)ベイエリアから車で約15分、マカティ地区から車で約50分。イロイロ市から車で約1時間。

サンタ・マリア教会Sta.Maria Church

ルソン島ビガン南郊
18世紀建造。別名Nuestra Senora de la Asuncion(Our Lady of Assumption=聖母昇天)。教会全体を包む巨大な赤レンガが印象的。教会がある丘上までは石段を登ることができる。午後にお米のお菓子ピピンガが売られることもある。
(アクセス)ラワグから車で約2時間30分、ビガンから車で約40分。マニラから長距離バス・車で約7時間。

コル・ディレラの棚田群Banaue Rice Terraces (1995年文化遺産);

ルソン島北部のイフガオ州の州都バナウエにあるコルデイレラ山岳地域に広がる階段状の棚田。イフガオ族が2000年以上もの月日をかけ、厳しい斜面の山々を切り開いて造りあげたもので、一番低いところから上に段々に続く水田は天上への階段を思わせ、『天国への階段』、『世界8番目の不思議』と呼ばれる。
展望台から眺めるパノラマはまさに息を飲む迫力。
(アクセス)
マニラからバヨンボング経由の車またはバスで行くのが一般的で、約9〜10時間。バギオからボントック経由なら約10時間だが、雨季にはかなりの悪路となる。

プエルト・プリンセサ地下河川国立公園(1999年自然遺産);

パラワン島プェルト・プリンセサから西へ約80km、セント・ポール国立公園内にある地底川と洞窟が世界遺産。潮の干満の影響によって造られた地底川は、全長8.2km、天井の高さ6.5m、水深は潮の干満によって変わり、最大で14mにもなる。石灰岩洞窟の下を流れる世界最長の地下河。地底湖としては世界最大・最長。コウモリ、大トカゲ、珍種の蝶などが生息しており、ジャングル・トレッキングで探検を楽しむことができる。
(アクセス)
マニラからパラワン州の州都プェルトプリンセサまで国内線で約1時間。セブ島からも便がある。そこから地底川の玄関口であるサバンまではジープニーまたはコースターで約3時間。

ビガン歴史地区(1999年文化遺産);

イロコス・スール州の州都。16世紀のスペイン統治時代に建設された古き都で、東洋と西洋の混じりあった独自の町並みの一画が世界遺産に登録されている。1世紀頃のスペイン統治時代の建築様式が数多く残されていて、フィリピンのなかでも最もスペイン情緒あふれる街。
石畳の通りを、一頭建て二輪馬車のカレツサが走る姿は往年の古き往時を偲ばせてくれる。通りの両側には骨董品や民芸品等の土産店が並び、この地方で盛んな家具造りも見られる。
(アクセス)
ラワグから車で約2時間。マニラから長距離バス・車で約8時間。