ドイツ/ハンブルグ・エリカ街道・北ドイツ
ロストック Rostock †
(メクレンブルク・フォアポメルン州)
人口：約270000人
- ドイツ統一以前、旧東ドイツで唯一のパルト海から世界に開かれた重要な港であった。
- ドイツ北東部最大の街で、誇り高き港湾都市として海運、造船の中心地となっている。
- 中世から残った文化遺産は第二次世界大戦でほとんど破壊されてしまった。
- さらに、戦後社会主義国になって造船所の労働者のための住宅建設などを優先したため都市計画が複雑になってしまっている。
- 統一後、少しずつ中世の町の家並みなどが再生されてきている。
- ロストックには1419年に創設された北ヨーロッパ最古のロストツク大学があり、輝かしい歴史を物語つている。
現在1万1000人の学生がここで学んでいる。
アクセス †
- 空路
ドイツの主要都市との国内線、EU域内との路線などの定期便が就航している。
ビジネスラインとして機能しているので、週末は減便される。
一方、スペイン南部のリゾート地への便などは週末にしか運行されない。
- 空港：
ロストツク・ラーゲ空港 Rostock Laage(空港コード：RLG)
ロストック市内から南約30km
バス#116、#127
http://www.rostock-airport.de
- 鉄道
ハンブルグ中央駅Hamburg Hbf.から急行ICで2時間、2時間間隔。
ベルリン中央駅Berlin Hbf.から3時間30分。1時間間隔。
特急ICEは2時間40分だが、運行本数が極端に少ない。
- フェリー
数社の船会社の便が北欧諸国方面に運航されている。
船はヴァルノウ川東岸の港に到着・出航
港から市内まではバスとトラムを利用する。
- スカンドライン Scandlines
ロストック〜デンマーク・ギッサーGedser、2時間、1日7便運航(季節・曜日により増減がある）
ロストック〜スウェーデンのトレレポリTrelleborg、5時間45分、1日3便運航(季節・曜日により増減がある）
http://www.scandlines.de
- TTライン TT−Line
ロストック〜スウェーデンのトレレポリTrelleborg、5時間30分、1日4便運航(季節・曜日により増減がある）
http://www.tt-Line.de
- シリヤ・ライン Silja Line
ロストック〜タリンTallinn〜ヘルシンキHelsinki、24時間、週3便運航(6~9月上旬）
http://www.silja.com
見どころ †
- 聖母マリア教会 Marienkirche:
ツィーゲンマルクトZigenmarktに面している。
ロストックにあった4つの大きな教会のうち、唯一第二次世界大戦を無傷で生き延びた教会。
1290年建造、1398年に天井が崩壊した後、南北に長い袖廊が増築された。
十字形の堂々たるパジリカ会堂である現在の建物は、15世紀後半に施された改修工事の結果であり、それ以前は14世紀のホール式教会であった。
その規模からいって、北ドイツ最大の教会のひとつに数えられる。
現在の建物は18世紀末のもの。
中央祭壇の後ろの高さ12mの1472年製の天文時計は、毎朝、手でネジが巻かれる。
毎日正午と深夜12時に時計のドアが開いて、12使徒の6人（ユダは締め出されている）が出てきてイエスの周りを回る。
時計の文字盤は1643年に遣り直されたもの。2017年まで通用する日付曜日などの暦が組み込まれている。その年のイースターの日付まで示される。
洗礼盤Bronzetaufkessellは精巧なブロンズ製品である。4人の男が支える形で、キリストの生涯のさまざまな情景に飾られている。
バロック様式のオルガンは1770年製。
教会には高さ50mの塔があり、207段の階段を上って町全体の景色を眺望することができる。
- 市庁舎 Rathaus：
新市場広場Neuer Marktに面する。
上階にアーケード階廊を持つ、本来のゴシック様式の煉瓦の切妻造りの建物3棟からなっており、建物が崩壊した後、1727年に前面にバロック様式のファサードが付け加えられた。
広場の反対側には切妻造りの正面を持つ美しい家々が立ち並んでいる。
2001年ヴァルデマー・オットーが制作した海をテーマにした噴水がある。
- クレペリン通り Kropeliner Strasse:
市庁舎からクレーペリン門まで、町を横切る歩行者専用道路、商店の立ち並ぶ目抜き通りである。
15〜16世紀のルネサンス時代からバロック時代にかけての中産階級の切妻造りの家々が、道の両側に立ち並んでいる。
82番地の階段状切妻の煉瓦造りのファサードが際立って目につくが、これは聖霊病院（15世紀末）の旧司祭館である。
- 大学広場Universitatsplatz
歩行者専用道路になっているクレペリン通りのほぼ中央にある。
若者でいつもにぎわっている。
広場の中心にプルネン・デア・レーペンスフロイデBrunnend der Lebensfreude（生きる喜びの泉）がある。
広場の南側には、青銅製の堂々たるブリエッヒヤー・フォン・ヴァールシュタット将帥像がある。
ワーテルローの戦いでナポレオンを破るのに一役買った人気のある軍人だ。
像の裏側にはゲーテの詩が刻まれ、ワーテルローの戦いを題材にしたレリーフもある。
この広場の周囲には大学の校舎が並んでいる。
- クレーベリン門 Kropeliner Tor:
一時は32もあった門は現在2つしか残っていない。
クレーペリン通りの西の端を閉じる形で建っているこの城門は、煉瓦造りの六層の建造物で、14世紀に建てられた。
内部は市立歴史博物館 Stadtgeschichtliches Museumとなっている。
旧市街の南端にはもう一つのシュタイン門Steintorがある。
- 海運博物館 Schiffhrtsmuseum:
模型、絵画、船具などの展示を通して、ヴァイキング時代から現代にいたる海運活動の歴史をたどることができる。
特に注目に値するのは、沿岸航行船の操縦室の実物大の復元と、ロストツク国際港の模型である。
- 文明歴史博物館 Kulturhisorisches Museum:
1270年、デンマーク女王マルグレーテが創設した聖十字架修道院Kloster Zum Heiligen Kreuzだった。3廊式身廊をもつ煉瓦造りのホール式建物。
この旧シト一派修道院には、宗教芸術と絵画のコレクションが収められている。
三王の祭壇画 Dreikonigsaltar（15世紀末）には中世のこの町の様相が描かれている。
- ペテロ教会
ゴシック様式の建物で、高さ117mの尖塔があり、何世紀にもわたって海の男の陸標となっていた。
この尖塔は第２次世界大戦で失われ、1994年に修復されている。階段かエレベーターで展望台まで上れる。
- ニコライ教会 Nikolaikirche:
ペテロ教会の近くに位置するロストック最古の教会。
周辺の見どころ †
- ヴァルネミュンデ Warnemunde:
ロストックの北11km。
ヴァルノウ川 Warnowの河口。
1323年、ロストック市がメクレンブルクの領主から買い取ったこのかつての漁師村は、今はパルト海の大港の海水浴場となっている。
ここの港はデンマーク,スウェーデンとのフェリーの発着地になっている。
ロストックRostockとはトラムが頻繁に運行されている。
- バート・ドーベランBad Doberan
人口1万4000人
ロストックの西約15km、
1171年に創設されたシト一会修道院を中心に発展したリゾートタウン。
かつてメクレンブルク公爵の夏の住居があった。
1294年から1368年にかけて建築された、旧シト一会修道院の大聖堂Munsterが見どころ。
北ドイツにおける煉瓦造りゴシック建築の最も美しい建物だ。
ここには蒸気機関車によるモリー狭軌鉄道 Molli Schmalspurbahnがある。
現在はメクレンブルガー・ベーダーバーンMecklenburger Baderbahn（��4150）が運営し、ハイリゲンダムHeiligendammと、キュールンクスポルンKuhlungsornへ運行している。
バート・ドーベランの中央駅から1日10本まで運行し、バー付の車両がある便もあるし、途中の景色も素晴らしい。
ハイリゲンダムまで10分、キュールンクスボルンまでは40分。割引料金と家族料金もある。
ロストックからヴィスマールWismar行き列車で20分。1時間間隔。
- キュールンクスボルン Kuhlungsborn:
ロストックから西に30km。
海水浴場と鉱泉保養地をかねる町。
数キロにわたる砂浜と松林のおかげで、バルト海沿岸でもっとも訪れる人の多いリゾートに数えられている。
