ミクロネシア連邦

ヤップ島; YAP

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石貨やダンスの伝統が生きる島
ヤップ州はグアムの南西約800kmにある4つの島で構成されるヤップ本島を中心に、100を超える小島と環礁から成る。ミクロネシアの中でも古来の伝統をかたくなに守るヤップは、道端の巨大な石貨が今も使われていて、まるで時間が止まったままの世界にいるような錯覚を覚える島である。
 州都コロニアの町中では、たいていの人々が見慣れた服装をしているが、地元の村に帰ると昔ながらの下帯と腰巻きを着けただけの生活に戻る人もいる。
 何世紀にもわたって踏み固められた村を巡る石の小道を男たちは海岸沿いのファルー(メンズ・ハウス)へ集まってくる。女人禁制の昔ながらのこの小屋では男たちが集会をしたり、年長者が漁の方法を教えたりしている。村の首長は依然としてその社会的地位を保っており、カースト制度が現代に生き続けている。

地理

リーフに囲まれ、遠浅のビーチに恵まれている。 一般にヤップは1つの島のように思われがちだが、これはひしめき合う4つの島から成っている。もっとも大きいのがヤップ島で次いでガギール・トミール島、その北にマアプ島とルムング島。この4島を指してヤップ本島と呼んでいる。しかし最も北にあるルムング島だけは橋で繋がれておらず、首長の決定によって外国人の立ち入りが認められていない。
 ミクロネシアで海抜が高い島は火山活動によってできたものだが、ヤップ島はアジア大陸の大変動によって形成されたものである。そのためにミクロネシアの島にしては高原のような姿をしている。最も高い山はマタデ山で海抜180mしかない。ヤップ州の土地面積の合計は120km2、ヤップ4島でその84%を占めている。

石貨

 ヤップに残る伝説では、パラオのロック・アイランドの石灰岩を切り出し400kmの海上をカヌーで運んで、中央に穴をあけて石貨を作ったとされている。石貨は直径50cmから3mもあるが、大きさで価値が決まるのではなく、それを運搬した方法や表面の滑らかさなどによって決まる。1929年に日本が調べた枚数は13,281と記録されている。石貨のほとんどは村の小道に並べられており、所有者は変わるが移動されることはない。土地や家など不動産の取引には今日でも通用する現役の貨幣なのだ。