ドイツ/シュトゥッツガルト・ファンタスティック街道・黒い森地方
シュヴァルツヴァルト(黒い森)地方 Schwarzwald †
(バーデン・ヴュルテンベルク州)
- ドイツ南西部のシュヴァルツヴァルト地方は山地のように起伏する緑濃い森が広がるため、「黒い森」と言われている。
- ライン川の東側、ネッカー川の南側、スイスとの国境に北側部分の、南北に約160km、東西に約60kmに広がっている。
- 1000〜1400mくらいの山地で、最高峰でも、南西部にそびえる標高1493mのフェルトベルク山 Feldbergほどだ。
- シュヴァルツヴァルトの人々は、建築資材をはじめ広く木材需要にこたえるための林業を生活の基礎としてきた。
河川の輸送の欠かせない船舶に欠かせないものだった。
- 有名なカッコウ時計に象徴されるこの地方の時計作りも、今日なおさかんな産業部門の一つとなっている。
- また、この地方では、キリスト教以前のゲルマン人の信仰の名残りとなる祭りが各地で行われる。
- 春を待望するファスネットとよばれるカーニバルなどが有名だ。
アクセス・交通手段 †
特定の目的の町へ行く場合でなければ、黒い森地方を巡るのには、やはりレンタカーが最適だ。
車の多いシュトウツトガルトで借りるのが便利だが、大きな見本市などのイベントがある時期が不足してしまうので、その場合にはカールスルーヘなどで手配する方がいい。
レンタカーはスイスよりもドイツの方が安く借りられる。
メルセデスやBMWでもスフトギアタイプが多いので、オートマ希望なら、予約の際にそのことを支持しないといけない。
- ドイツ連邦鉄道(DB)
シュヴァルツヴァルト地方を2つの幹線ルートが走る。
フランクフルト中央駅からは頻繁に運行されているが、南方向へは2つのルートがあり、列車によって空港駅を通らないものがある。
いずれのルートも特急ICEと急行ICが運行されているが、所要時間はさほど変わらない。わずかな時間を気にしなければ、特急料金をセーブするためには急行ICがお薦めだ。
ただし、ICの場合には、目的地によっては途中で乗換する場合がある。
- フランクフルトFrankhurt am/M〜カールスルーエKarlsruhe〜バーデン・バーデンBaden Bade 〜フライブルクFreiburg〜バーゼルBasel(スイス)、
- フランクフルトFrankhurt am/M〜シュトウツトガルトStuttgart〜ウルムUlm〜ミュンヘンMunchen。
その他、2本のローカル線がボーデン湖畔のコンスタンツKonstanz方面に向けて走っている。
- ヘレンタール鉄道 Hoellental Bahn
黒い森地方を走る私鉄で、DBのフライブルク、ドナウエッシンゲンDonaueschingen、ウルムUlmなどで乗り継げる。
黒い森地方の見どころ †
- ムメル湖 Mummelsee:
北部シュヴァルツヴァルトの最高峰ホルニスグリンデHornisgrinde(1164m)のふもとにある、暗い水をたたえた小さな氷食湖。
グリンメルスハウゼンの有名な小説「ジンプリチシムス(阿呆物語)」の中に、この湖が出てくる。
湖の名前は、伝説によるとこの湖の氷のように冷たい水の中に住んでいる「ミュンメル」(水の精たち)に由来しているという。
かつてシュヴァルツヴァルト地方の醸造所は、春、氷結したこの湖から氷塊を切り出して使っていた。
- アラーハイリケン Allerheiligen:
議聖人という意味で、13世紀後半、プレモントレ会修道院のために建てられた教会の廃墟がある。円屋根が残る入口の間、翼廊の壁、そこに付け足された多角形のゴシック式礼拝堂が認められる。
近くの階段状の小道からは、アラーハイリケンの滝Wasserfalleまで下りることができる。往復所要約1時間かかる。
- フロイデンシュタツト Fleudenstadt:
喜びの町という意味。
17世紀にヴュルテンペルク公爵の命令により建設。1945年、第2次世界大戦で町は焼失したが、戦後、正方形のマルクト広場Marktplatzを中心に再建された。
広場の一角には 17世紀に建てられた町の教会Stadtkircheもある。
ロマネスク様式の聖書朗読台Lesepultを4人の福音史家∃ハネ、ルカ、~マルコ、マタイが台の面を支えている
- アルピルスバッハ Alpirsbach:
シュヴァルツヴァルト最古の12世紀初頭のロマネスク建築様式のベネディクト会修道院がある。
内部は時代とともに改築されゴシック様式のものが多い。
- グータハ谷 Gutach
フォークツバウエルンホーフ野外民俗博物館 Freilichemuseum Vogtsbauernhofがある。6軒の農家を復元して集めてある。
- トリーベルク Triberg:
時計産業の中心地であり、、病気療養の保養地としても有名。
町から30分ほど歩いたところに、国内最大落差163mの漂布トリーベルクの滝Triberger Wasserfalleが見られる。
シュヴァルツヴァルト博物館Schwarzwaldmuseumには、シュヴァルツヴァルト地方の古いこの地方独特の民俗衣装や、時計、木彫、陶磁器などの民芸品が展示されている。
松の木の中のマリア教会Maria in den Tannenは、シュヴァルツヴァルトで最も人気の高い巡礼参詣教会の一つとなっている。
- フルトヴァンケン Furtwangen:
伝統的なシュヴァルツヴァルトの時計作りの中心となる町で、ドイツ時計博物館Deutsches Uhrenmuseumがある。
世界各地から集められた数多くの責重な時計を所蔵している。
ここから6kmにブレーク川の水源がある。ここはドナウの河口から最も遠く離れたドナウ川の源流で、標高1078mの地点から流れ出ている。
なお、ドナウ川の実際の水源は、ドナウエッシンゲンになる。
- カンテル Kandel:
標高1242mにあり、20分登ったところに展望台がある。
ヴオージュ山脈、孤立してそびえるカイザーシュトウールKaiserstuhl山塊、フェルトベルク、ベルヒェンを眺望できる。
- ヴァルトキルヒ Waldkirch(森の教会):
かつての司教座教会聖マルガレータSt.Margarethaを囲んで、司教座教会参事会に属していた18世紀の美しい住宅が並んでいる。
- シャウインスラント Schauinsland:
ロープウェイで山頂駅に上がると、1284mの展望台へ91段階段で上がることができる。
- ベルヒェン Belchen:
展望台まで徒歩15分。1414mの円錐形の山頂からは、ヴイーゼン谷Wiesentalや、ミュンスター谷をはじめ、シュヴァルツヴァルトの西斜面に切り込む谷間などの眺望が楽しめる。
- トートナウの滝 (Wasserfalle von Todtnau:
トートナウTodtnauから1.5km歩く。往復約1時間。
- フェルトベルク Feldberg:
チェア・リフトに乗ってビスマルク記念碑の立つ終点1448mのゼーブック Seebuckまで行くことができる。
円形の小さなフェルト湖Feldseeもある。
- シュルッフ湖 Schluchsee:
もともとは小さな湖だったが、ダム建設によってシュヴァルツヴァルト最大面積の湖となった。
- ティティ湖 Titisee:
氷堆石の背に堰き止められてできた湖で、周辺はティティ湖ノイシュタットTitisee−Neustadt、ヒンクーツァールテンHinterzartenなどの人気のリゾートとなっている。