日本との交流

1873年にカナダ人宣教師が来日したのが、歴史的な日本とカナダの初めての交流とされているが、日本からカナダへの人の流れは移民から始まった。1877年に、初の日本人移民として永野萬蔵がB.C.州のニュー・ウェストミンスターに到着した。その10年後に横浜とバンクーバーの間で蒸気船航路が確立されると、バンクーバーにおける日本人移民は次第に増え、1889年には、カナダに設置された日本政府機関の第一号として在バンクーバー日本国領事館が開設された。多くの移民はアメリカ合衆国への移住を目指していたため、バンクーバーに留まる者は少数だったものの、20世紀に入りアメリカがハワイ経由での本土転航を厳しく制限するようになると、カナダへの移住者数は飛躍的に増加した。
その頃の両国間の貿易は、カナダからは木材、石炭、小麦、海産物などが輸入され、日本からは絹や緑茶、そして温州みかんも輸出されていた。
1928年、カナダ側から外交関係を開設したいとの意向が伝達され、オタワに日本公使館、翌1929年には東京にカナダ公使館が開設された。

しかし、1941年の太平洋戦争の勃発で、両国は国交を断絶。当時の日系カナダ人は推定2万3千人で、そのほとんどがB.C.州沿岸に集中していたが、内陸部へ強制移住することとなり、苦難の時代を過ごすことになった。
戦後は国交を回復し、カナダは日本のGATT(関税貿易一般協定)加盟を支持し、国連への加盟申請にも賛成票を投じた。以降、両国は良好な関係を築いている。

現在、日本はカナダにとってアメリカに次ぐ第二位の貿易相手国となっている。2004年、日本からカナダへの輸出は自動車関連など約8262億円、輸入が木材、豚肉、石炭など約9073億円。そのうち約半数がB.C.州との貿易で占められている。
カナダに在住している日本人は約3万8千人。日本に在住しているカナダ人は約1万2千人にのぼっている。また、1986年より、渡航先でアルバイトをしながら長期滞在ができるワーキング・ホリデー制度が両国の間で実施されており、2004年には約5千人の日本人青年にビザが発行されている(カナダからは約800人)。

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