[[インド/インド世界遺産]]

*インド山岳鉄道群 [#xc0d0054]
-インドを植民地にしていたイギリスが中国に代わって紅茶の栽培地を開発していた。~
そしてその紅茶の輸送にために山岳鉄道を建設していった。~
-さらに、避暑地の開発にも力を入れ、イギリス人の多く居住する大都市型高原の地までにも山岳鉄道が建設されていった。~
-それらの山岳鉄道は今現在も現役で活躍しており、インド政府はユネスコの世界遺産登録の申請をするにいたった。~
-そして、1999年に「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」がはじめに登録された、2005年にニルギリ山岳鉄道が登録対象に加えられた。その時に登録の名称を、現在の「インド山岳鉄道群」に変更された。その後、2008年にはカールカー=シムラー鉄道が拡大登録された。~
-現在運行しているインドの山岳鉄道には、もう1つマーテーラーン丘陵鉄道(Matheran Hill Railway)が存在している。する。インド政府はこれも拡大登録されることを目指しており、既に暫定リストにも加えられている。~
***ダージリン・ヒマラヤ鉄道 Darjeeling Himalayan Railway~ [#k479e542]
***ダージリン・ヒマラヤ鉄道 Darjeeling Himalayan Railway [#k479e542]
-1879年に建設を開始、1881年7月3日に開通した。~
-インドの東北部ダージリン地方から、麓の町まで紅茶を輸送するために建設された鉄道。現在はトラック輸送をしており、主に観光客などの旅客鉄道となっている。~
-開通当時の蒸気機関車SLを1日1往復運転しているが、ほかは気動車が使われている。~
-全線はニュー・ジャルパーイーグリー〜ダージリン間の約88km。~
-610mmのナローゲージで、高低差約2000mを7〜8時間かけて登る。~
-最高点は標高2143m、途中にはスイッチバック6ヶ所、ループ線が3ヶ所ある。~
-SLの場合、急勾配の難所では動輪の空転を防ぐために、機関車の最前部のデッキに乗組員がいて、手で砂をレールに撒いている。~
-蒸気機関車は老朽化してしばしば故障してしまい、動かなくなって、途中で運行停止などということも少なくない。こういう場合には、並走する道路を走っている路線バスになる。~
-地元に人たちはほとんどこのバスを利用している。このバスは全線で4時間で行くことができる。~
-「トイトレイン」と呼ばれるように、遊園地の列車のように小さく、座席は非常に狭く、窮屈なまま何時間も我慢を強いられる。~

***ニルギリ山岳鉄道 Nilgiri Mountain Railway~ [#l14a8d42]
***ニルギリ山岳鉄道 Nilgiri Mountain Railway [#l14a8d42]
-現存するインド山岳鉄道で最も古いもの。~
世界遺産「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」の中に、2005年世界遺産に追加登録され「インドの山岳鉄道群」と名前を変えた。~
-1845年に計画されていたが、なかなか進展しないで、1908年になってようやく開通に至った。~
-紅茶の産地からの輸送を目的として開通したもの。~
-メットゥパラヤムMettupalaiyam(標高300m)とウダカマンダラムUdagamandalam(標高2200m)、全長46kmを5時間かけて結んでおり、インドで活躍している最後の蒸気機関車鉄道のひとつと言われている。~
-1,000mmのナローゲージ。208のカーブがある。~
-この鉄道の特徴はトンネルと橋が多いことだ。~
走行区間は46kmで、16のトンネル、250の橋がある。~
-メットゥパラヤム - クーヌール(Coonool)間では、車両は急勾配を登るためにアブト式ラックレイルが敷設されている。~
-この区間の斜面の平均傾斜41%、最大傾斜は83%であるため、登りは蒸気機関車は最後尾に連結され、客車を押し上げる。下るときにはそのまま先頭に連結されてスピードを制御する。これにより、連結部分が破損しても客車が暴走することがないようにもなっている。~
-クーヌール - ウダカマンダラム間は、列車はラック式でないレールの上をディーゼル機関車に牽かれて走行する。~

***カルカ・シムラ鉄道 Kalka-Shimla Railway~ [#lad86b72]
***カルカ・シムラ鉄道 Kalka-Shimla Railway [#lad86b72]
-カルカから、高原避暑地として知られるシムラまでの96kmを結ぶ~
カルカはデリーの200km北西にある都市。~
-1903年、夏の首都だったシムラの交通の便のために開設された。~
-標高差はカルカKalka656mからシムラーShimla2076mで1420mとなるが、険しい地形を登る急勾配を無理することなく、トンネルと橋で対応した。~
-区間全体で102ヶ所のトンネルと988ヶ所の橋が敷設されている。~
-762mmのナロー・ゲージである。~
-トンネルの多いこの鉄道は現在は気動車による運行だけとなっている。~