チェコ

ターボル Tabol

プラハから南へ約80kmにある中世の町並みを残す小さな町。15世紀にチェコで起こった宗教改革運動フス派の軍事的な拠点として機能する中世城砦都市だった。プラハのペツレム礼拝堂の説教師ヤン・フス Jana Husa は、15世紀のチェコにおける宗教改革の先駆者。カレル大学の総長も務めた人物で、わかりやすい説教で民衆の支持を集めていた。1415年、ローマ教会の堕落を批判したために異教の罪で火刑に処されたことをきっかけにチェコの民衆はフス派を立ち上げ、カトリック教会と戦った。これはフス戦争と呼ばれ、ローマ教皇が派遣する十字軍を5回とも撃破している。
ターボルは、1618年からの30年戦争の中で、ヴィトコフの戦いで勝利したプロテスタント派を率いたヤン・ジシカ Jan Zizka が拠点としていた町でもある。旧市街の中心となるジシカ広場 Zizkovo nam. には、ヤン・ジシカ像が立っている。この広場には、美しいキリストの変容教会 Dekansky kostel Promeneni Pane na hore Tabor もあり、バロック様式の塔からは市街を一望することができる。
また、フスの町は地下道が張り巡らされていて、ガイドツアーで見学が可能。ジシカ広場の西面に建つルネッサンス様式の旧市庁舎は、フス運動博物館 Husitske Muzeum となっていて、ここから総延長12km以上におよぶ地下道見学ができる(所要約20分)。