イタリア/ナポリ・南イタリア/アマルフィ海岸
ラヴェッロ Ravello †
- 標高350mの切り立った断崖の上に広がる小さな町。
ここからはアマルフィ海岸の絶景が文字通り一望できる。
- アマルフィが海洋都市国家であった時代、東方貿易で莫大な富をもたらした貴族の邸館や教会が点在する。
出入口の横の柱廊小玄関に使われた古い小円柱などにアラブ・シチリアに見られる建築様式が残されている。
当時は現在の15倍もの人口を擁していた。
- 優雅さあふれる街には季節ごとに色とりどりの花が咲き乱れている。
- 静寂に包まれこの町でリヒャルト・ワグナーは歌劇「バルシファル」の中の「クリングゾルの魔法の花園」の旋律を思いついた。
- 現在、7月にはワグナー音楽祭Festival Musicale Wagnerianoが開催されている。
- アマルフィに滞在し、短期間に日帰りするツーリストはヴィッラ・チンブローネだけ訪れて、断崖の上からのアマルフィ海岸を一望するだけで十分満足できるだろう。
アクセス †
アマルフィの港にあるバスターミナルからスカラ行きで約30分、30分間隔。
チケットは近くの土産店で事前に購入する。車内では売っていない。
ヴィラ・チンブローネまでは上り坂の道を約500m歩く、
見どころ †
- ヴィッラ・チンブローネ Villa Cimbrone
居館は折衷主義様式の建物。
庭園の一番奥に断崖の先端部分に「無限のテラス」がある。
ここからは,アマルフィ海岸とリコーサ岬punta Licosaまでのサレルノ湾が一望の下に広がる。
見学は.夏季は9時〜2D時,冬季は9時〜日没。
- ヴィッラ・ルフォーロ Villa Rufolo
ヴエスコヴァード広場に面した四角い塔が入口の目印。
この居館は創建が13〜14世紀の建物の集合で,回廊付き中庭chiestroなどにイスラムの影響が色濃く見られる。
隣接する庭園からは,ラヴエッロのパノラマ・が広がる。
下方にアヌンツイア一夕教会chiesa dell,Annunziataが見える。
古い礼拝堂に,考古学史料館antiquariumがある。
夏季は9時30分−13時と15時〜日没,
冬季は9時〜13時と14時〜日没。
- ドゥオーモ Duomo
町の中心ヴエスコヴァード(司教館)広場 Piazza del Vescovadoに面して建つ。
1086〜87年に着工後,モンテカツシーノの大修道院abbazia di Montecassinoに倣って建設されたもの。
- ドゥオーモ美術館 Museo delDuomo
ニッコロ・デイ・バルトロメオ・ダ・フオッソジアの作となるシルジガイタ・ルフォロ Silgigaita Rufoloの胸像が見どころ。
夏季は9時〜13時と15時〜19時,
冬季は9時30分〜13持と15時〜19時)
- カーモ珊瑚博物館 Museo del Corallo〈Camo〉
ナポリ湾やサレルノ湾で採取される珊瑚の細工・加工に関する博物館。
この中での見どころは3つ。
16世紀の「被昇天の聖母Madonna Assunta」
16世紀の「キリストCristo」。
ルイ15世様式のカメオで飾られた嗅ぎタバコケース
夏季は10時−12時と15時−17時,日曜休館。
冬季は10時〜12時とほ時〜17時,金曜休館。
- サンタ・マリア・ア・タラデイツロ教会 S.Maria a Gradillo:
12世紀に起源をもつパジリカ様式の造りで,3つの高い後陣を備える。
- サン・ジョヴァンニ・デル・ト一口教会
S.Giovanni del Toro
同名の通りは,右側が展望台のように開けて素晴らしい眺望ガ得られる。
教会は12世紀の創建で,交差アーチをモチーフとして,それぞれにクーポラを戴く3つの後陣ガ特徴である。
説教壇は12世紀に遡るもので,ペルシャの皿と14世紀のフレスコ画で装飾されている。
14世紀の絵画はクリフトにも見られる。
- サン・ブランチエスコ教会 S.Franesco
町の中心からヴィッラ・テンブローネへ続く上り坂の途中に位置する教会で、通りも教会の名をとっている。
創建当時はゴシック様式であったが、18世紀に改築された。
- サンタ・キアラ教会 S.Chiara
同様に町の中心からヴィッラ・テンブローネへ続く上り坂の途中に位置する教会。
すでに13世紀には存在していたが,現在の姿は18世紀にできあがったもの。
近郊 †
- スカラ Scala
ドラコーネDragone川の流れる谷の対岸の美しい場所にある。
中世に起源をもつドゥオーモDuomoは,18世紀に改築されている。
内部には,ロマネスク様式の説教壇の一部を利用した説教壇ガあるほか,クリフトに1260年の木彫りの「キリスト降架」と彩色スタッコ細工を施したマリネツラ・ルフォロMarine11a Rufoloの墓(1332年)がある。