ドイツ/フランクフルト・ライン地方
ヴォルムス Worms †
(ラインラント=プファルツ州)
人口約9万人
- マインツの南約50kmに位置する、ドイツの最古の都市の一つ.
- 16世紀、皇帝カルロス5世の時代に宗教改革者としてその名を残したマルティン・ルターゆかりの宗教都市。
ヴォルムスの宗教会議に現れたルターを記念した像が、公園に建つ。宗教会議が開催された都市らしく、大聖堂 Dom St.Peter をはじめ、マグヌス教会、アンドレアス教会、マルティン教会など古くからの歴史をもつ教会が数多く存在する。
413年、ここを治めていたブルグント王国Burgundian kingdomは短命に終わっているが、
その盛衰は、12世紀の「ニーベルンゲンの歌Nibelungenlied」として 年代記として後々まで伝えられている。
その物語をリヒヤルトワーグナーは音楽にしており、毎年8月にはニーベルンゲン音楽祭Nibelungen-Festspieleが開かれている。
- 旧市街の北東周辺には、11世紀から1933年までユダヤ人がppく居住し、ユダヤ人コミュニティが栄え、「リトル・エルサレム」といわれることもあった。
ナチスによってシナゴーグをはじめ、ことごとく破壊されたが、1961年までにシナゴーグは復興再建され、ヨーロッパ最古であるユダヤ人墓地も整備され、ユダヤ博物館も新たに誕生している。
- ライン・プファルツ地方の中心地でもあり、この地方の名産ワインであるリープフラウエンミルヒ Liebfrauenmilch は、世界的にもファンが多い。
アクセス †
- 鉄道
ウォルムスWormsはマインツMainz〜マンハイムMannheim間の普通・快速列車の中間駅になる。
この間はほぼ1時間間隔で運行されている。マインツ中央駅Mainz Hbf.からは35−45分.
フランクフルトFrankfurt a/Mから南へのルートは長距離高速列車になるため、ウォルムスは経由しない。マインツ乗り継ぎが便利だ。
見どころ †
- 聖ペテロ大聖堂 Dom St.Peter:
12-13世紀にかけて建てられたロマネスク様式の教会。代表的な中世建築の一つに挙げられていて、建築史の中では重要な位置を占め、大学の教科書などにも必ず出てくるものだ。
特に内部の非常に高い空間に特徴がある。
「ニーベルンゲンの歌」の中では、ブルグントの王妃、クリームヒルトとブルンヒルデが、大聖堂に最初に入る権利がどちらにあるかについて激しい口論をした場所として記述されている。
- マルチン・ルター記念像 Lutherdenkmal:
時の皇帝に呼び出され、宗教会議に出頭したマルティン・ルターを記念して建てられた像。
中央のルター像の周りには、宗教改革の先駆者たち、ヴァルドー、ヴィクレフ、フス、サヴォナローラの像も建つ。
宗教改革の先駆者であるフランスのピエール・ヴアルドーPierre Valdo.イギリスのジョン・ウイクリフJohn Wyclif、チェコのヤン・フスJan Hus、イタリアのジロラモ・サヴオナローラGirolamo Savonarolaの彫像が配されている。
四隅には、宗教改革派の神学者であったヨハン・ロイヒリーンJohann Reuchlinとフィリップ・メランヒトンPhiltpp Melanchthon、宗教改革を支援したヘッセンの寛容方伯フィリップPhilipp des Grossmutiger von Hessen、にルターを庇護したザクセン選帝侯フィリップ覧侯の彫像がある。
それぞれの中間にある女性像は、平和の棕櫚を手にしたアウクスブルク、抗議をするシュパイアー、悲嘆に暮れるマクデブルクの三つの都市を象徴している。
中央駅からヴィルヘルム・ロイシュナー通り Wilhelm Leuschner Str. を行った先の公園にある。
- ニーベルンゲン博物館 Nibelungen Museum:
中世の町防壁沿いに、2つの塔からなる。
第一の塔では、「ニーベルンゲンの歌」の内容を映画を見ながら、詩人が朗読するのを聴く。もちろん日本語はない。
- 市立博物館Stadtisches Museum:
アンドレアスシュティフト教会Andreasstift Kirche修道院の各室にある。
ヴオルムスの激動の歴史を年代順に追っている。
大聖堂北の小さな公園の中にある、
- ハイルスホーフ美術館(Kunsthaus Heylshof):
かつて皇帝と司教の宮殿にある、
15世紀から19世紀にかけてのティントレット、ル一ペンスなどの絵画コレクションのほかに、15、16世紀のステンドグラス、 フランケンタールの磁器300個、スイスのウインタートウール、デルフト及び中国の陶器、ガラス製品、クリスタルガラス製品が展示してある。
- 三位一体教会堂 Dreifaltigkeitskirche:
18世紀の姿のまま残っているのは、バロック様式のファサードと塔だけである。
内部は、ルターの宗教改革を記念する聖域に再整備されている。
- 聖マルティン教会堂 St.Martinskirche:
- ユダヤ教会 Synagoge:
11世紀に建てられたドイツで最古のユダヤ教の教会堂(1961年に改築)。
すぐ近くに女性専用浴場とラシ=ハウスRaschl−Haus(BB)がある。
こちらは昔のユダヤ人学校を建て直したもので、古文書、祭礼用具など、ライン地方のユダヤ人共同体の生活を偲ばせるものを展示している。
- ユダヤ人墓地 Judenfriedhot:
11世紀から使用されているこの古い墓地には、ヘブライ語が刻まれた2000以上の墓碑が立ち並んでいる。
- ユダヤ博物館Judisches Museum:
ユダヤ人の習慣や儀式、祭事や、地元コミュニティの歴史について知ることができる。