ケレタロ Queretaro

概要

フランシスコ会の布教拠点となった古都メキシコ・シティーから北西へ約200km。
首都の喧騒が及ばない標高1762mに位置するケレタロ州の州都。
人口約90万の典型的なコロニアルの面影を濃く残す町で、1531年、先住民オトミ族の入植地にスペイン人が入植。
フランシスコ会の修道士による布教の基地となる。独立をめぐる歴史の舞台としてもたびたび登場。イグナウオ・アジエンデや神父ミゲル・イダルコなどがコレヒドール(地方長官)の妻ホセフア・オルテイスの家でメキシコ独立の計画を練り、これを知った長官は妻を閉じ込め、反逆者たちを捕らえようとしたが、ホセフアは鍵穴越しに仲間に知らせ危機を脱した。
これによって神父イダルコは急遽独立への武装蜂起を決意、1810年9月16日早朝にドローレスの教会で独立への決意を説いた。これが有名な「ドローレスの叫び」である。現州庁舎は植民地時代のコレヒドールの住居で、ホセフア・オルテイスに因みコレヒドーラの家とも呼ばれる。
金と極彩色で飾られたバロックの教会サンタ・ロサ・デ・ビテルポやチュリゲラのサンタ・クララ聖堂など、セネア庭園を中心に広がる歴史的な街並みに20を超す教会があり、フランシスコ会の拠点としての名残を留める。修道院だった建物の多くは、博物館など公共施設となっている。


郊外

郊外には、18世紀に建造された全長280mの水道橋が、74の優雅なアーチを見せている。最近は産出量が少ないが、オパールの・産地としても知られている。
険しい山並みに守られた5つの伝道所ケレタロの北シウダー・バジェス、サン・ルイス・ポトシに至る国道120号と、交差する69、85号沿いの険しいシエラ・ゴルダの山城に、1751~1768年にかけてフランシスコ修道会によって、ハルパン、コンカ、ランダ・デ・マタモロス、チラコ、タンコジョルの5カ所のミシオン(伝道所)が建てられた。まず国道120号をケレタロから北東へ190km、「プアダルーペの聖女億」が印象的なハルパンが断崖の端こ美しい姿を見せる。農も遠いタンコジョルは、120号線を外れたコヨーテの昔と呼ばれる木立のなかにあり、正面にはフランシスコ修道会の象徴「光の聖女」がある。これらの教会群は、布教を目的とした宗教図がメキシコ・バロックと融合した先住民の職人たちが持つ感性の豊かさを明確に示しており、2003年に世界遺産に登録された。(参考資料:観光局)