チチェンイッツア Chichen Itza
概要
ユカタン半島では最大規模の遺跡。
メリダやカンクンからの人気デイ・エクスカーションスポットにもなっている。
高度な天文学やゼロの概念を持ったマヤ文明は、古典期(200~900年代)に当たる300年代後半から900年代に栄え、主な自治都市だけでも60~70と推測されるほど隆盛を極めた。古典期も含む後古典期(900~1500年代前半)最大のマヤ遺跡がチチェン・イツァである。
6~10世紀はグアテマラ方面から移住してきたマヤ系のイッツァ人に、9~13世紀は中央高原から来たトルテカ人によって、2つの文明が支配した都市跡。
最近の研究では800~900年にかけてはこの2つの文明は併存していたと推測されている。
チチエンイツァはマヤ語の「泉のほとりのイzッツァの人々」に由来し、トルテカ、プウク両文化が重なり合っている。
チチェン・イツァ遺跡は保存状態が良く、一目でその規模と高度な文明が分かる遺跡である。
6k㎡の広大な土地の中心となる四角錐のピラミッド型の神殿エル・カステイーヨは、ケツァルコアトル(羽毛の蛇)またはククルカン(マヤ神話の至高神)のピラミッドと呼ばれる後古典期を代表する建造物。
古代メキシコのピラミッドの中でも最も美しいものの一つで、四角錐の一辺が55m、高さ24m、四方にそれぞれ91段の石段があり、ピラミッド自体がマヤ暦を表している。
石柱群に囲まれ、上段にチャック・モール(供物を神に運ぶ使者)像が横臥する戦士の神殿は、トルテカとの関わりを顕著に示す。
エル・カステイーヨは、ピラミッド全体がマヤ暦そのものを表しており、春分・秋分にはこ北側の石段にギザギザの影が遺し、羽毛の生えた蛇の全身が現れる。
全長145m、幅37mのメソアメリカ最大の球戯場などがあり.古典期の建造物としては、天文台のカラコルなどがある。
チチェン・イッツァへのアクセス
陸路
メリダから西へ約120km、車で約1時間30分。 カンクンからは 高速道路を車で約2時間。
空路
コスメル、プラヤ・デル・カルメンから小型機で、1日に2便、約50分。
チチェン・イッツァの主な見どころ
遺跡は広範に点在しているので見物はゆっくり回って半日はかかる。
メリダからたっぷり1日の行程。カンクンからは1日オプショナルツアーも運行されている。
オーシャンライフ三昧のカンクン・ステイに彩りと興奮を倍増させる旅行地である。
エル・カス^-ティーヨ El Castillo
高さ23m 、9層のピラミッド型神殿
マヤとトルテカ両方の影響を受けた宇宙観に満ちた建造物。ピラミッドは正確に東西南北を向き、階段は4面合わせて太陽暦を現す365段となっている。内部に入ることも可能で、階段の奥にジャガー像がある(一回ごとの人数制限あり)。日没とともに、蛇の影が浮かび上がる春分、秋分の日には多くの観光客が集まる。
戦士の神殿 Tempo de los Gyerreros
戦士チャックモール像で有名
四角い基底の上に3層の段がある。ククルカン神、チャックモールなどの装飾文様が壁面を覆っている。最上層には壁画が鮮やかな神殿重あるが、現在は閉鎖されている。周囲には石柱が並ぶ「千本柱の間」が取り囲む。それぞれの角柱には戦士、蛇、神官などの像が彫り込まれており、メキシコシティのある中央高原にあるトウーラ遺跡と類似している。 、
球技場 Juego de Pelota
メキシコ最大のペロータ球技場
縦168m、幅70mと、チチェン・イッツァに7カ所ある球技場の中だけでなく、メキシコ全土の中でも最大規模。手を使わずにボールを丸いゴールへ通す、ペロータ球技の様子を示したレリーフが施されているが、この競技を知る上で大変貴重とされているものだ。選手同士の声が届くように音が反響する構造になっており、マヤ建築の高い技術を伝えている。
天文台 Caracol
マヤの天文観測の高度さを示す
マヤからトルテカの過渡期に建てられたとされている。正確な暦を作ったマヤ人の天文観測台だったというのがこれまでの見解だったが、最近はむしろ宗教的意味合いが強い建物だとする学者もいる。最上階に昇る階段が螺旋状になっていることからスペイン語でカタツムリを意味する「カラコル」とも呼ばれている。