概要
イングランド南西部、イギリス海峡に臨む保養地。
日照時間が長く、穏やかな気候が心身を癒すと言われ、「イギリスのリビエラ」と称される。
かつては小さな漁村であったが、19世紀に入るとイギリス海軍が休息に停泊した。
そして面会に訪れた士官の家族からこの地の快適さが評判となり、上流階級の保養地となった。

1857年にはリビングコーストにプールやダンスホールを備えたスパ施設が建設された。
1848年、鉄道Great Western Railwaysが開通し、海岸の美しさ、きれいな空気など、鉄道会社により宣伝が開始され、ロンドンから王室・貴族をはじめ、ビクトリア時代に人々の間で瞬く間に人気となっていった。当時ロンドンは産業革命に沸く大都市に汚れた空気に悩まされていたため、海辺のきれいな空気を求めて競うように訪れ、人口は急速に増えていった。

第一次世界大戦中は軍の病院が置かれ、戦地で傷ついた戦士がここで療養している。
戦後はリゾート地として人気が高まり、庶民も訪れるようになった。

トーキーは作家アガサ・クリスティー Agatha Christie(1890-1976)の生まれ故郷でもあり、周辺には彼女のゆかりの地が多くある。
アガサ・クリスティは78のミステリー小説、15の劇作、メアリー・ウエストスコットの名義で出版された6冊の恋愛小説などで、英語版だけでも10億部、その他約50の言語に翻訳されて、ギネスブックに史上最高のベストセラー作家として記録されている。Qkbt


見どころ
プリンセスガーデン Princess Garden
街の中心地で、海辺に面している。
ヴィクトリア女王の娘ルイース王妃に因んで名づけられた。
ニュージーランドから移植してきた椰子の木々が南国の雰囲気を醸し出している。
アガサクリスティの小説[ABC殺人事件」にもここが登場する。
アガサクリスティの胸像もこの近くに建っている。

プリンセス・ピア Princess Pier
長さ230m、海に突き出た桟橋で、海の上を散歩できるように作られたもの。床は板張りで、桟橋の両側にはベンチが備え付けてある。
アガサもここでローラースケートをするのが大好きだったという。

トーキー博物館 Torquay Museum
海から少し離れた丘の上に位置する。
郷土資料のほか、アガサ・クリスティの著作や写真アルバム、直筆のメモなどゆかりの品々が展示されている。