ヴイゼウ派を生んだ芸術の町
コインブラの北東約95km。モンデゴ川に注ぐパイヴァ川に沿った人口約2万1000人の町で,農業の中心地。壇一雄も愛飲したというダン・ワインの産地でもある。ふくよかな赤ワインは特に人気が高い。
16世紀のポルトガル芸術に大きな足跡を残した偉大な画家,ヴァスコ・フェルナンデス(1480〜1543)の生地。貧しいなかで多くの弟子を育て,グラン・ヴァスコ(偉大なヴァスコ)と呼ばれた。
ヴァスコを中心としたヴイゼウ派が生まれた町で,ヴァスコの弟子ガスパー・ヴァス(1減頃没)もここに住んだ。
緑に囲まれたレプブリカ広場に美しいアズレージョがあり,東側に市街が広がる。

見どころ
カテドラル Se
12世紀に建てられたロマネスク様式だが,14世紀の改築,18世紀の拡張により各種の様式が混じった美しさを醸し出している。天井のヴオールト(ドーム状の天井)にはマヌエル様式の「結びの天井」が見られ,南側のルネッサンスの回廊はアズレージョで飾られている。
広場を挟んで向かい合う慈悲の教会Tgreja da Misericordiaは,白壁とむき出しの花崗岩が美しいコントラストを成すファサードの,18世紀バロック様式の教会である。

ゲラン・ヴァスコ美術館 Museu Grao Vasco
カテドラルに向かって正面左手,16世紀に建てられた司教館を利用して,1916年に開設された美術館。
ヴイゼウ派の始祖ヴァスコ・フェルナンデスの名が付けられている。
グラン・ヴァスコの「聖ペドロ」や「キリストの受難」,弟子ガスパー・ヴァスの「マルタ家のキリスト」など,ヴイゼウ派の作品はもちろんだが,13〜18世紀の彫像や家具,アズレージョなどのコレクションも見逃せない。
開館:10:00〜12:30,14:00〜17:00。
月曜日休館。


(参考資料;ポルトガル政府観光局)