標高 25m。 人口 約18,000人。 カンパーニア州カゼルタ県。 概要 ヴォルトゥルノ川の湾曲部にある。 現在の町はランコパルド人の一部族がかっての港町カシリーヌムの跡に築いたもので,841年にサラセン人の襲撃を逃れた人々が住みついた。 町の一部16世紀の稜堡に囲まれ, パルレッタの決闘のイタリア騎士の隊長エットレ・フィエラモスカEttore Fieramoscaはこの新生カプアの出身である。 カブアの見どころ: ジュデイチ(判事)広場 Piazza dei Giudici: 町の中心で,現在の姿になったのはルネッサンス期。 最も重要な記念建造物は南西側に建ち並んでいる。 市庁舎 Palazzo municipale 16世紀のもの。ファサードにサンタ・マリア・カプア・ヴエーテレの円形闘技場から見つかった7つの胸像を組み込んでいる。 サンテリジオ S.Eligio教会 中世の創建だが18世紀に再建されている。 サンテリジオのアーチ arco di S.Eligio(15世紀)は上部に小さい開廊がついている。 フィエラモスカ館palazzo Fieramoscaは13世紀から史料に登場するが,パルレッタの決闘の英雄の父親の所有だったことからこの名がある。中世風あるいはルネッサンス風の窓,アンジュー家の百合の紋章の見える扉口,それに中庭の,ランコパルド風の2つの柱頭がこの館の長い歴史を年勿語っている。 アッピオ(アッピウス)大通りCorso Appio: かっての執政官街道,アッピア街道跡に延びており,北西側でウォルトウルノ川に出る。ここに架かっているローマ橋 ponte romanoは1943年の爆撃後に再建されたもの。 フリードリヒ2世の塔 torridi Federico U 対岸に見える。 この皇帝がカブアの記念門として建てさせた門の遺構。 1233年に着工して1239〜40年に完成したが,町の城壁を再建した際にスペイン人の手で取り壊された。 アヌンツイア一夕教会chiesa dell'Annunziata 通りの南東側にある。 中世の創建だが16〜17世紀に再建されている。 寄木細工と彫刻装飾(キリスト伝の各場面)のある木の内陣席は1519年の作である。 ドゥオモ Duomo: 長い歴史のある教会で,創建は856年,12世紀に再建され,また18世紀とさらに19世紀にも建て直されたが,いずれの場合もモンテカッシーノの僧院をモデルにしている。 爆撃でかっての面影ばほとんど失われる。 隣にある鐘楼は9〜11世紀のもので,基部には古代の円柱がはめこまれている。 カンパーニア博物館 Museo Campano: 15世紀の建築で,その扉口が南イタリアにおけるカタロニア美術の最高傑作の一つとみなされているアンティニヤーノ館palazzo Antignanoと,テツラ・デイ・ラヴオーロ地方の歴史を彩る旧コンチェツイオーネ修道院ex convento della Concezione内にある。 パラツイアーレ地区 area palaziale: アンティニャーノ館 palazzo Antignano左横の小路サン・ジョヴァンニ・ア・コルテ通りvicolo di S.Giovanni a Corteに入り,両側にランコパルド時代に建てられ,のち改修された教会の並ぶ通りを進む。 サン・ジョヴアンニ・ア・コルテS.Giovannia Corte教会のクリフトには創建時のものと思われるフレスコ画があり,サン・サルヴァトーレ・マッジョーレ・ア・コルテS.Salvatore Maggiorea Corte教会では鐘楼とファサードの3つの洪門に10世紀の建築部が残っている。 サンテイ・ルーフオ・エ・カルポニオSs.Rufo e Carponio教会の鐘楼は13世紀,サン・マルチエツロS.Marcello教会の創建はその前の世紀であり,側面扉口*のアーキトレーヴには初期のカプア伯の銘があり,垂直の支柱にはロマネスク期の彫刻がある。 ピエトレ城Caste110dellePietre: ノルマンの歴代君主が住んでいたこの宮殿の建築にあたっては,古代の町「カブア」の円形闘技場の角石ガ再利用されている。 ナポリ門Porta Napoli: 町から外へ出る人用の記念門で,16世紀末に,カプアの町を囲んでいた稜墜つきの城壁(16世紀)に開けられた。 門の外からは美しい眺めがひらけ,また城壁と同時期に造られたスペイン人の城castello degli Spagnoliも見える。 周辺の見どころ: 17km北東のカイアツツオCaiazzoは第2次世界大戦中のドイツ軍による大虐殺で悲しくも知られている。大聖堂Cattedraleは16世紀後半の創建だが改修されており,バロック様式のファサードと,内部には多色大理石による祭壇と17〜18世紀の油絵が見られる。 |