概要
カンパーニア州ナポリ県
ポッツオーリから西へ7km、ポッツオーリ湾を挟んで対岸に位置する。

ローマ時代は上流階級の海水浴場だったが、現在、その遺跡の多くは岸から100mの水中に沈んでいる。

丘や海岸にはかっては温泉がふんだんに湧いており,皇帝を筆頭とする古代ローマの上流階級は関節炎の治療に,また美しい景観や気候の良さから多くの貴族が別荘を建てて、たびたびここポッツオーリ湾内の入江を訪れたものだった。

その後、地盤沈下が起きて、当時の華やかなりし時代の遺跡の多くが水中に沈んでしまった。
当時の生活を物語るソファベッドが置かれた食堂など、いくつかは海中から引き上げられて、小さなカンピ・フレグレイ考古学博物館 Museo Archeologico dei Campi Flegreiの中に復元されている。

夏季4〜9月の週末には、海中の遺跡を見るためのグラスボトムボートが出ている。



バイアへのアクセス
鉄道
ナポリの地下鉄モンテサントMontesanto駅からフレグレア周遊鉄道(チルクムフレグレア)Circumflegreaクマーナ線CumanaでポッツォーリPozzuoliを経由して最寄駅クマーナCumana駅まで行ける。約35分。

ナポリの地下鉄はポッツオーリまで。

グラスボトムボートでの遺跡見学の後、イスキア島とブローチダ島へ行きたければ、
ポッツオーリからフェリーが運行されている。
帰路は直接ナポリ港まで戻ることができる。



タンジェンツィアーレTangenziale(環状道路)を「ポッツオーリ」で下りる。
または、海沿いのフランチェスコ・カラッチョロ通り Via Francesco Caraccioloをポジッリボ Posillipoまで行き、そこからポッツオーリへのルートを取ることもできる。
時間はかかるが、眺めはいい。



バイアの見どころ
考古学公園 Parco archeologico 
見学は9時〜日没の1時間前。
海に向かって傾斜している丘の上に共和政時代後期から帝政時代にかけて造られた建物を集めたものや復元されたものがある。
歴史的の重要なものは、ナポリの国立考古学博物館に収められている

ウェヌス神殿Tempio di Venere 
公薗の外にあり,ハドリアヌス帝が浴場施設の手直しをしたときのものである。
外見は8角形だが中は円形となっている。

デイアナ神殿 Tempio di Diana :
鉄道のクマーナCumana駅から見える。
構造はウェヌス神殿と同じだが、何に使われていたのかは定かではないが、皇帝一族の祝賀・祭儀の場だったと考えられている。
セヴェルス帝時代のもので,クーボラ状の屋根に使われている材料は、上の方は凝灰岩,下の方はレンガである。

バイア城 Castello di Baia :
湾の南側をふさぐ半島の上に15世紀末,カエサルのものではなかったかといわれるローマ時代の別荘跡の上にアラゴン王家の手で築かれ,その次の世紀にトレド副王が再建した。スペイン王家およびブルボン王家の下では軍事目的に利用され,その後1984年まで放置されていた。現在ではフレクレイ平原考古学博物館 Museo archeologico dei Campi Flegreiがおかれている。
 

エビタフェオ岬のニンフ神殿 Ninfeo di punta Epitaffio



バイア周辺の見どころ
ネロの蒸し風呂 stufe di Nerone
北西に3km。
この古代のサウナは地下導管を通して,噴気孔から出た蒸気(27〜480C)を引いており,ある浴場施設impianto termaleの一部だった。

アクアモルタ Acquamorta
7km南西。海岸に近いフサーロ湖 Iago Fusaro

トッレガヴェタTorregaveta
岬の付け根にある海水浴場.
この岬にはローマの別荘 Villa Romanaの遺跡がある。

モンテ・デイ・プローチタ Monte di Procida
眺めのよい場所にある大きな町。
急カーフをくねくねと曲がると7km地点のアクアモルタに下りる。
絶壁の足元にある小さい入江で,正面にブローチタ島とイスキ戸島ガ見える。