(トスカナ州) 人口:約9万5千人 ●アルノ川の河口に位置する。フィレンツェの西77km、ローマから335km。 ●斜塔の町として世界中に知られている。町の起源は古く、ローマ帝国末期には海軍基地として地中海を海賊の被害から守ってきた。 ●9世紀以降、独立共和国となり、ヴェネチア、ジェノヴァ、アマルフィと共に地中海の覇権を競い、貿易は一段と繁栄していった。その繁栄が頂点に達していた12〜13世紀に大聖堂と斜塔が建設された。13世紀に皇帝派と教皇派の対立があった時期には、皇帝派につき、近隣の都市と戦ってきたが、だんだん力を失い、やがてフィレンツェのメディチ家の支配下に組みこまれてしまう。 ●この町の出身のガリレオ・ガリレイ(1564〜1642)は地球の自転説を唱えたことで70歳のときに宗教裁判にかけられ、自らの説を曲げることとなってしまった。(裁判所を出て、ひと言「それでも地球は回っている」とつぶやいたとか) アクセス ●空路 欧州主要都市間との直行便がある。 国内線はローマ、ミラノが頻繁にある。ボローニャ(BLQ)1日2〜3便。 航空時刻表(OGA)ではFlorence(FLR)フィレンツェの項を見てピサ(PSA)発着を選ぶ。 -空港:ガリレオ・ガリレイGalileo Galilei空港(PSA) ピサ市内の南3km。 ●鉄道 フィレンツェから所要約1時間、1時間毎 ●バス フィレンツェから約1時間〜2時間半。道路の混雑状態により不安定。 見どころ ●斜塔 Torre Pendenta 鐘楼 Campanile として1173年に白大理石を使って建てられたロマネスク様式の塔である。1350年に完成した。円筒形の柱は6重に重ねられているもので、傾いているためにらせん状に見える。建設当時から斜塔を建てる計画ではなく、まっすぐの鐘楼を計画していたが、着工して5年経った頃にすでに傾き始めており、1年に1〜2ミリずつ進んでいた。ここの地盤が沖積層で、この塔の重さに耐えられなくなったためである。 幾度となく直そうと試みがなされたが、功を奏さず、ついに1990年には危険な状態と判断し、一般の入場が禁止された。2階部分22本のケーブルを巻いて反対側から引っ張るようにして、さらに1993年から台座部分を鉄筋コンクリートで補強し、670トンの鉛を埋め込んでバランスをとることにした。こうして2001年終わりに一般の入場が再開されることとなった。 ●ドゥオモ Duomo ピサが海洋国家として中東イスラムの世界の遠征をしていた頃に持ち帰った戦利品により建てられたもの。1063年に着工している。どっしりした重厚な上にも優雅さが漂うデザインで、ラテン十字のプランで建てられている。内部の奥行105m、5廊式の身廊と大きい。 ●洗礼堂 Battistero ドゥオモ正面の前に建つ直径35mの円形のもの。 |