●標高19m、人口54,228人、ポー川までは12km。 ●ミンチョMincio川の川幅を広げてできた湖に周囲を囲まれている。 湖はモリー二橋ponte dei Moliniとサン・ジョルジョ橋ponte di S.Giorgioによって3つに分かれている ●旧市街地は一様に落ち着いた色合いの新古典主義様式の建物,中世やルネッサンス期の建物も見られる。 周辺には標高の低い平野が広がっており,ヨーロッパでも有数の農業地帯である。 ●現在は石油化学産業が郊外に広がっている。 ●ヴェルディ作曲の歌劇「リゴレット」の舞台になった地。 ●この町は名馬の産地でもある。 ●1630年のベストが流行を機に衰退したこの町が1707年にオーストリアの手に渡り,1866年にイタリアに統合されるまで,ペスキエ−ラPeschiera,ウェローナVerona,レ二ャーコLegnagoと並んで,オーストリアの「四角要塞地帯」の一つとなり、マントバには26もの兵舎が設けられていた。 アクセス 旧市街は通年9時30分〜24時まで車両通行止め(ホテルへの進入は可)。 旧市街とドゥカーレ(公爵の)宮殿(Palazzo Ducale) 「新しい都市civitas nova」とルネッサンスの地区 ●鉄道; ミラノからマントバ行きの直通で約2時間分、2時間おきの鈍行。 ローマ・ミラノ間の幹線ルートではないので南からは2度以上の乗継になり、運行頻度からも不便だ。 現地ツアー メツソ湖1ago di Mezzo,インフエリオーレ湖,ミンチオ川を船で周遊できる。(3月〜10月) ミンチオ川のリバークルーズ:3コース ミンチオ川公園Parco del Mincioとゴヴェルノロ水門chiusa di Governoloを通ってポー川まで進む。 サン・ジヨルジヨ橋 Ponte S.Giorgioの埠頭から出発してアンデス号でポー川のサツケツダ・デイ・スステイネンテSacchetta di Sustinenteまで進む。 カテーナ港 Porto Catenaから出発してセバステイアーノ号でサン・ベネデット・ボーSan Benedetto Poまで進む。 見どころ 旧市街は町の北東の端にある。メツソ湖とインフェリオーレ湖を分けているサン・ジョルジョ橋 Ponte S.Giorgioの近く。有名な場所や作品はこの地区に集中している。 この町を見学していると、たびたびサンタンドレア大聖堂を建てたレオン・バツテイスタ・アルベルティと,サン・ジヨルジヨ城の夫婦の間に壁画を描いたアンドレア・マンテ一ニヤの名がでてくる。 ●マンテー二ヤ広場Piazza Mantegna: サンタンドレア大聖堂の前に広がる柱廓のある小広場。 ●サンタンドレア大聖堂 Basilica di Sant'Andrea: レオン・バツテイスタ・アルベルティの設計に基づいて1472年から建設が始まり1699年に完成したルネッサンス建築。 1732〜65年にはフイリツポ・ユヴァッラFilippo Juvarraの設計でクーボラが加えられた。 内部は身廊に沿って3つの大きな礼拝堂と小さな礼拝堂があり、フレスコ画で飾られ,16世紀の画家たちの祭壇画がある。左の第1礼拝堂には,アンドレア・マンテ一二ヤAndrea Mantegnaの墓があり,この芸術く家の胸像が置かれている。 ●エルベ広場 Piazza delle Erbe: 細長いこの広場は,中世後期のたたずまいを残している。 サンタンドレア大聖堂に面するプロレット通りには,後期ゴシック様式とルネッサンス様式の柱廓があり,広場に並ぶ一連の立派な建造物と好対称をなしている。 レンガで飾られた15世紀の家が建っている。 ●サン・ロレンツオ円形聖堂 Rotonda di S.Lorenzo 11世紀に建てられたロマネスク様式 10時30分〜12時30分と14時30分〜16時30分。 ●時計塔 Torre dell'Orologio 円形聖堂の左側にある。 1473年にルカ・フアンチェツリ Luca Fancelliが建てた塔。 天文学と占星術を駆使した時計は,1473年にバルトロメオ・マンフレーデイ Bartolomeo Manfrediが製作したもので1989年に修復している。 ●ラジオーネ館(公会堂)Palazzo della Ragione 時計塔の隣にある三連窓と狭間をもつ13世紀の建造物 15世紀には柱廓が造られている。 ●ポデスタ館(行政長官の館)Palazzo del Podesta エルベ広場の突き当たりにそびえている。12世紀に建てられたもので15世紀に手を加えられている。 ●タッィオ・ヌヴオラーリ博物館 Museo Tazio Nuvolari 伝説となっているカーレーサーにまつわる優勝盃,トロフィー,遺品が展示されている。 プロレット広場9番地。 9時〜12時と15時〜18時。月曜・木曜午前が休館。 ●ソルデツロ広場.Piazza Sor・dello: 旧市街の中では細長く大きい広場。 広場の一部に,中世のたたずまいが残っている。 この広場の周辺にドゥカーレ宮殿、大聖堂などがある。 ●ドゥカーレ宮殿 Palazzo Ducale (ゴンザ−ガ家の宮殿) 内部の見学はグループごとにガイドが付く。所要時間約1時間半。 9時〜13時と14時30分〜16時,日曜・月曜は9時〜12時30分。観光シーズンには長く持たされる。 夏季には17時まで延長されることがあり,庭園とサンタ・バルパラ教会chiesa di S.Barbaraを見学できることもある。 ソルデツロ広場にあるドウオーモの右側に位置する。 柱席をもつ2つの建造物からなる。 この宮殿は領主制時代のイタリアにおける最も豪華な建造物の一つに数えられている。 宮殿は,インフエリオーレ湖の万へ延びている。 ドゥカーレ宮殿の各部屋に残っている壁画はイタリアを代表する芸術家によって描かれている。 古代ギリシャと古代ローマの彫像,古代ローマの石棺,石碑も保管されている。 宮殿内の見どころは -下絵の間 Sala delle Sinopie。: 1969−72年にピサネッロPisanelloのフレスコ画の下から発見された下絵を集めた部屋。 -ピサネッロの間 Sala di Pisanello : 下絵の間の隣。ピサネッロが,ジャンフランチェスコ・ゴンサーガGianfran・Cesco Gonzagaのために描き,未完に終わったとされる一連の壁画がある。 -タビストリーの間 Appartamento degli Arazzi ラフアエロ Raffaelloの下絵をもとにフランドル地方で織られた,9点のタビストリーの複製が飾られている。 -公爵の間 Appartamento Ducale 彫刻と装飾(16世紀末〜17世紀初め)が施されている天井が見どころ。 -小人の間 Appartamento dei Nani(17世紀) ローマのスカラ・サンタscala Santaを縮小して再現したもの。 -変身の間 Appar Tamento delle Metamorfosi -夏の間 Appar Tamento Estivale -「ラ・ルステイカla Rustica」。 ジュリオ・ロマーノによって造られ,16世紀になってG.B.ベルター二の手が加えられた部屋。 -馬術の中庭 Ccortile della Cavallerizza(16世紀) -12カ月の間 Galleria dei Mesiから荘厳な広いマントの間 Salone di Mantoまでの一連の部屋。フレスコ画とスタッコ細工で飾られている。担当したのは,ジュリオ・ロマーノとその流派,およびプリマティツチヨ Primaticcioやその他の16世紀の芸術家たち。 -イザベッラの小部屋 Gabinetti Isabelliani 金箔をかけた彫刻のある天井をもつ(15世紀)。 ●サン・ジョルジョ城 Castello di S.Giorgio ドゥカーレ宮殿の一部をなしている。 14世紀末にバルトリーノ・ダ・ノヴァーラBartolino da Novaraによって建造された。 角塔が四隅にそびえる。 見どころは夫婦の間camera degli Sposi(旧「ピクタの間camera Picta」 マンテ一二ヤが1465−74年にかけて描いたゴンザーガ家の人生の様々なシーンのフレスコ画で飾られている。 保護のために見学は数分間に制限されている ●リソルジメント博物館 Museo del Risorgimento: ルチッロ広場42番地。古いフレスコ画で飾られた4つの部屋にリソルジメントに関係する品々や文書が展示されている。特に,ベルフイオーレBelfioreの殉難者に関する資料が多くある。 修復のため閉館中の時がある。 ●ドウオーモDuomo: 大きなロマネスク様式の鐘楼と,右の側壁にゴシック様式の一部をもつ中世の建造物。16世紀に建て直されている。 ファサードは18世紀のもので,マニエリスム様式の伝統と,ローマのバロック様式に着想を得ている。調和がとれている内部は,ジュリオ・ロマーノが手がけた(1545年)。五廊式で,アーキトレーヴが施された柱が並んでいる古典的な造りである。 中央身廊と左右両端の側廓は格間付きの平らな天井で覆われている。右の側廊内には,5世紀に造られた初期キリスト教の石棺と,14世紀のフレスコ画が一部残ったゴシック様式の洗礼用礼拝堂がある。ちょうどその反対側にあたる左の側廓から,インコロナータ礼拝堂cappella dell’incormtaへ入っていく。おそらく,ルカ・フアンチエツリLuca Fancelliによって造られた(1480年)もので,15世紀の姿を完全に残している。 ●リゴレットの家casa del Rigoletto ソルデッロ広場からドゥオモの脇を通り過ぎた奥に位置する。 15世紀に建てられた,外側に小さな中庭をもち,開廊が施された建物。 ●旧ボツツオリ市場 Mercato dei Bozzoli ソルチッロ広場の北の端、ドゥカーレ宮殿の後ろになる19世紀に建てられた市場。 ●学術劇場 Teatro Scientifico(学院劇場 Teatro Accademico) 見学は9時〜12時30分と15時〜17時30分。日曜休館。 1769年にアントニオ・ガッリ・ピピエーナAntonio Galli Bibienaによって造られたもの。 バロック形式の劇場の傑作とみなされ,ます席が4段になっているのが特徴。 上階には図書館があり,ウェルギリウスの貴重な書籍や,18世紀の外科手術道具のコレクションをもつ。 ●テ館 Palazzo Te ゴンザーガ家のフエデリーコ2世の離宮として建てられたもので、ジュリオ・ロマーノの設計になる。 16世紀の建造物の中では最もよく保存されているものの一つであり,当時の建築を知ることができる。 特に興味深い部屋は, プシュケの間 Sala di Psicheと巨人の間 Sala dei Giganti。 プシュケの間を飾っている一連のフレスコ画はイタリアのマニエリスムの最高傑作の一つ。 巨人の間は,観る者に一体感を与えることで,ヴアザーリVasari以後高い評価を得ている。 10時〜18時。月曜休館。 ●テ館市立博物館 Museo civico di palazzo Te テ館に設けられている 博物館は次のような部門に分かれている。 -A.スパティー SpadiniとF.ザンドメーネギ Zandomeneghiの絵画をもつモンダドーリ寄贈部門 Donazione Mondadori。 -20世紀の画家の作品を集めたジョルジ寄贈部門donazione Giorgi。 -19世紀後半から1950年までのマントヴァの芸術家の作品を展示した近代美術部門。 -1328〜1707年までの,メダル400点,貨幣,秤と物差し,打ち抜き型と鋳型を集めたコンサーガ家部門sezione Gonzaghesca。 -ファラオの時代と古代ローマの発掘品を約400点集めたエジプト・アチエルビコレクションcollezione Egizia Acerbi。 (エジプト・コレクションとコンサーガ家部門の参観は要予約) ●サンタ・マリア・デル・グラダーロ教会 S.Maria del Gradaro: 場末の同名の地区にある。13世紀に建てられたゴシック様式の教会。 コシック様式の扉口とパラ窓を持つ。 1775年から1917年までは,隣接する修道院とともに兵舎として使われていたが,1952〜66年にかけて修復が行われ建設当時の姿に戻った。 内部には,13世紀に描かれたビザンチン風のフレスコ画が一都残っている。 -サン・フランチェスコ S.Francesco教会: 14世紀に建てられたコシック建築。 教会の大部分が1944年の爆撃で破壊されたが,建造当時の姿に修復されている。 内部は三身廊式で,’13世紀から16世紀のフレスコ画が至るとこうに残っている。 第1礼拝堂内には,14世紀に造られた墓の碑が一部残っている。 また,右の一番奥にある礼拝堂には14世紀のトンマソ・ダ・モデナTommaso da Modenaのフレスコ画があるが剥雛が進んでいる。 -アルコ館 Palazzo d,Arco: 見学にはガイドが付く。 3月〜10月は9時〜12時と15時〜17時(火曜・水曜・金曜は午前のみで,月曜休館)。 11月〜2月は日曜・祝日のみ9時〜12時と14時30分〜16時。 1782−84年にアントニオ・コロンナAntonio Colonnaがトレント地方のある家系のために建てた建物。 新古典主義様式の長いファサードはカルロ・ダルコ広場piazza Carlo d’Arcoに面している。 現在は財団によって貴族の住居として完全に保存管理されている。 約20室を参観できる。膨大な数の17世紀と18世紀の調度品に加えて,フランス・プールビュス(2世)Frans PourbusilGiovane,フェリーチェ・ボゼッリFelice Boselli,ヤコブ・デネイスJacob Denys,二コロ・ダ・ヴェローナNicolodaVerona,口レンツオ・ロットLorenzo182Lotto(「復活したキリストCristo risorto」)などの絵画が見どころ。 -アンドレア・マンテー二ャの家 Casa di Andrea Mantegna 1476年に建てられた建造物で,現在は修復されて展覧会の会場となっている。 マンテ一ニャ自身が設計したと考えられている。 内部を一周している小さな中庭をもつ。 9時〜12時30分と15時〜18時。アチェルビ通りvia Acerbi47番地。 近郊の見どころ ●サンタ・マリア・デツレ・グラツイエ聖所記念堂 Santuario di S.Maria delle Grazie 西へ8km。ミンチオ川公園内のプラツイエ・デイ・フルタトーネ地区Grazie di Curtatoneにある。 1399年から14券Nに建てられた聖堂。 内部には,木製の開廊がめぐらされ,彫像や18世紀と17世紀の信仰用の像が置かれている。 身廊の始点には剥製のワニが天井に掛けられている。聖母の力を借りて殺すことができたワニだとされている。 石の第1礼拝堂内には,ジユリオ・ロマーノが設計したバルダツサッレ・カステイリオーネBaldassarre Castiglioneの霊廟がある。 ●ゴイトGoito 北西へ15km。 吟遊詩人ソルデツロSordelloの故郷。ミンチオ川公園内にあり,街は碁盤の目状に整備されている。ジョヴァン二・マリア・ボルソツトGiovanni Maria Borsottoが1729年に建設したバロロック様式のサン・ピ=トロ大聖堂S.Pietroがある。 ●ヴィリンペンタ Villimpenta 東へ29km。建造当時の2つの塔が現存しているチッラ・スカラ城Castello scaligeroと,1530年頃ジユリオ・ロマーノが建てたコンサーガ家の別邸サー二荘 Villa Zaniがある。 名物料理 養豚業が盛んな土地で、サラミ、生ハム、ソーセージが名物になっている。 ポー川流域の米作地帯でリゾットの料理が多い。マントウァ風リゾット、別名「アツラ・ピローダalla pilota」など。 |
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