●標高45m。人口78000人。 ●町の郊外をイタリア最大の川、ポーPo川が流れる。 ●この町を世界的に有名にしているのは、バイオリンの製作であろう。 ●現在でも150以上のこじんまりした工房がある。 ●17世紀にこの地を治めていた領主がバイオリンなどの弦楽器の制作の職人を保護したことにはじまる。 やがてストラディバリなどの著名な巨匠が次々に生まれる。 アンドレア・アマーティAndrea Amatiとニッコロ・アマーティNiccolo Amati(16〜17世紀) アントオ二才・ストラデイウァリAntonio Stradivari(1737年没) ジユゼッべ・アントニオ・プアルネーリGiuseppe Antonio Guarneri(1745年没)など ●市庁舎内のバイオリンの展示室には名工の制作した名器が展示されている。 ストラデイウァリは1200のバイオリンが制作されたが、現在は世界に約500ほど残されているという。 ●ストラデイウァリ博物館では工房で使われた材料や工具を制作過程を追って展示されている。 ●ラ・ヴァレッタ墓地には天才バイオリニストのパガニーニが眠っている。赤いドームが目印。 アクセス 旧市街の主要道路の一部は一般車両の進入が禁止されている。 ●鉄道: ミラノからマントバ行きの直通でクレモナまで約1時間20分、2時間おきの鈍行。 ローマ・ミラノ間の幹線ルートではないので南からは2度以上の乗継になり、運行頻度からも不便だ。 見どころ バイオリン工房見学には市内の官能インフォメーションへ行くと手配してくれる。 市内の博物館・美術館の共通チケットがある。3カ月間有効。観光インフォメーションへ。 ●コムーネ広場Piazza del Comune: クレモナの芸術的中心地であり,イタリアで最も美しい中世の広場の一つ。広場をとり囲む記念建造物には,鐘楼,ドウオーモ,洗礼堂,民兵の集会所,市庁舎がある。 ●市庁舎 Palazzo del Comune: ここの目玉はバイオリンの部屋 Saletta dei Violini クレモナの弦楽器工房で作られたバイオリンの中の選りすぐりの5点が保管されている。アントニオ・ストラデイヴァリAntonio Stradivari作の「クレモネーゼ Cremonese」(1715年) ニコロ・アマーティNicolo Amati作の「ハンメルレ Hammerle」(1658年) アンドレア・アマーティAndrea Amatiの1点(T566年) ジュゼツペ・グアルネーリGiuseppe Guarneriの1689年の1点 同じくグアルネーリの「キリストGesu」と呼ばれる1734年のもの。 参観は,9時〜12時と15時〜19時,日曜・祝日は午前のみ ●鐘楼 Torazzo. イタリアでもっとも高い鐘楼。(111m) 487段の階段で最上部まで昇ることができる。そこから市内の全景ばかりか、見渡す広々としたロンバルディア平原の景色を眺望できる。 1267年ころ建設された総レンガ造り,1284年から14世紀初頭にかけてさらの追加建築された大理石製8角形の上部装飾をもつ。 4月〜10月は10時〜12時と15時〜18時30分,11月〜3月は予約が要る。 ●大聖堂 Duomo: ロンバルデイア様式のロマネスク建築の代表的な一つ。 12世紀に建設され,13−14世紀には翼廊が拡張された。 大理石のファサードには2層の小関廊があり,美しいパラ窓(1274年)と,16世紀に造られた上部の装飾をもつ。 ●民兵の集会所 Loggia dei Militi: 市民から成る民兵隊の隊長たちが集会する場として1292年に建設されたもの。 コシック様式の2つの高いアーチと上部の大きな多連窓をもつ柱廊である。 ●サンタコスティーノS.Agostino教会: 上部を小開廊が取り囲むゴシック様式のファサードをもつ。 内部では,右第3礼拝堂にボ二フアチオ・ベンボBonifacio Bemboと弟子たちによる15世紀の様々なフレスコ画,および右第5祭壇にあるペルジーノPergino作の「聖母マリアと諸聖人Madonnaesanti」が見どころ。 ●アラ・ボンツオーネ市立博物館 Museo Civico〈AlaPonzone〉 16世紀のアツファイターティ館palazzo Affaitati内に設けられている 絵画館,工芸コレクション部門(錬鉄,テラコッタ,ホウロウびき製品,ガラス製品,建築に関する物,彫像,ミニチュア,象眼細工),ドウオーモの宝物館(装飾のある聖歌集,プラティナPlatinaの衣装たんす),考古学博物館(モザイク),リソルジメント博物館,古銭部門からなっている。 絵画館が見どころ。中世から現代までのイタリアの作品を見ることができる。 9時30分〜12時15分と15時〜17時45分,日曜・祝日は午前のみ,月曜休館。 ウゴラー二・ダーティ通り Via Ugolani Dati 4番地から入館する。 ●ストラディヴァリウス博物館Museo Stradivariano アツファイターティ館内に設けられている クレモナの弦楽器製作を代表する人々にまつわる物や資料を展示している。ストラデイウァリの自筆の設計図,模型,仕事道具などが展示されている。 入館時間はアラ・ボンツオーネ市立博物館と同じ。 パレストロ通りvia Palestro 17番地から入館する。 ●ライモンティ館palazzo Rairnondi 文献学・古音譜解読研究所と,国際弦楽器製作学校Scuola Internazionale di Liuteriaがある。 ガリバルデイ通り178番地 178 Corso Garibaldi ●フォドリ館Palazzo Fodri: マテオツティ通りcorso Mateotti 17番地)はルネッサンス様式の洗練された建物(16世紀初頭)。建物の正面部分には,軒蛇腹と,テラコッタ製の円形の緑に入った胸像が施されている。また,柱廓と開密をもつ中庭がある(館にはフォーソ・ダ・ドワァーラ通りda Buosoda Dovaraの中庭から入る)。 ●サン・ミケーレS.Michele教会: 12世紀のロマネスク様式の教会。 3部構成のファサードをもつ。 内部は列柱の並ぶ三身廊式で,聖堂内陣の地下にはクリフトをもつ。 ●アルテ館Palazzo dell’Arte: マルコーニ広場piazza Marconiに面した新しい建物。 ここに,弦および木管楽器製作者養成学校Istituto Profesisonale Liutario e del Legnoと市立自然史博物館Museo Civico di Storia Naturaleが入っている 見学:9時30分〜12時15分と15時〜17時45分,日曜・祝日は午前のみ,月曜休館。 ●サン・ピエトロ・アル・ポーS.Pietro al Po教会: 1575年に改築されているこの教会は内部に絵画装飾が施してあり,ルネッサンスのクレモナ派の祭壇画(ベルナルティーノ・ガツティ,アントニオ・カンピ)をもつ。 農村文化博物館Museo della Civilta contadina:参観は9時30分〜12時15分と15時〜17時45分,日曜・祝日は9時30分〜12時15分,月曜休館。 所在地はカステツレオーネ通りvia Castelleone 51番地 (国道をミラノ方向へ)。カンボニーノ酪農場cascina Camboninoの近く。19世紀から20世紀にかけてのクレモナの農園での生活に関する資料や伝統的な農具類を多く所蔵している。 近郊の見ところ: ●サン・シジスモンドS.Sigismondo教会 市内のロマーナ門porta Romanaから出て南東へ2.5km。 16世紀のクレモナ派(カミッロ・ボッカッチーノ,ジユリオ・カンピ,アントニオ・カンピ べルナルティーノ・カンピ,ベルナルティーノ・カツティ)のフレスコ画や絵画が見どころ。 ●カサルプッターノCasalbuttano 北へ14km。オリオ川とアツタ川にはさまれた平野にある。 古代ローマ時代からの農業の中心地。 中心広場には,17世紀前半のサン・ジョルジョS.Giorgio教会が建っている。 トウリーナ館 Palazzo Turinaの中に町役場があり,かつてここにウインチエンシオ・べツリー二Vincenzo Belliniを迎えた記念であるノルマの塔torre della Normaが庭に立っている。 イベント・催事 ●クレモナ・フェスティバル Festival di Gremona(9月) 弦楽器によるクラシック音楽祭。 ●国際弦楽器展 Triennale Internazionale degli Strumenti ad Arco 3年おきに10月に開催される。 名物料理: やマスタード入りの砂糖漬け果物「モスタルダMostarda」が最も有名。 かぼちゃのトルテツロ,「マルビー二marubini」(一種のラヴィオリ) 茹でたソーセージ「コテキーノCotechino」はクレモナが発祥地でソーセージは種類が豊富だ。バニラ風味のコテキー二・ソーセージ,ニンニク風味のサラミソーセージが知られる。 クレモナと周辺には,ウインの産地はない。 |
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