(ヴェネト州ベッルーノ県県都) 標高383m。 人口:約40,000人。 ●ヴェネチアの北約90kmに位置する。 ●「山の小ヴェネツィア」と呼ばれる町。 ●アルド川ArdoとピアーヴェPiave川の合流地点の上の岩だらけの台地にある。 ●この台地の地形が何世紀もの間,軍隊の侵攻と川の氾濫から町を守ってきた。 ●ピアーヴェ川の広い水源地帯の中央に位置し,北にはアゴルデイーノ・ドロミテDolomiti agordineの広い山並みが連なり,南にはベッルーノ・ブレアルブスの丘陵が続いている。 ●町の周囲の山々がもたらす樹木がベッルーノの人々の生活の糧であった。 かっては彼らは「いかだの船頭」で,モミの幹を浮かべてヴェネチアのザッテレ河岸Zattere di Veneziaまで運んだものであった。 ヴェネチアとの人々の往来も多く、この町からヴェネチア派の多くの画家を輩出している。 アクセス ●鉄道 ベッルーノBellunoとパドバPadova間に直通普通列車がある。約2時間。2-3時間間隔 ヴェネチアからの直通はなく、パドヴァで乗り継ぐのが便利だ。 カステルフランコ・ヴェネトCastelfranco Veneto乗継もあるが、双方の運行本数から考えると不便だ。 見どころ: ●マルティーリ広場 Piazza dei Martiri: 町のにぎやかな中心部。 1944年のナチスの大虐殺の犠牲者に捧げられたアウグスト・ムレールAugusto Murer作のレジスタンス記念碑が花壇の中にある。 北側に新古典主義様式のカッペッラーリ・プロスドチミ館Palazzo Cappe11ari Prosdocimiとサン・ロッコ教会S.Rocco。 ●サン・ロッコ教会 S.Rocco: マルティーリ広場に面するこの教会は16世紀に建立され,19世紀に修復されている。 内部にはこの町出身のガスパーレ・ディツィアーニGaspare Dizianiの作になるカンバス画「聖フランチェスコの法悦」がある。 ●ドゥオモ広場 Piazza del Duomo: 堂々たる風格の整然とした広場。 そこにドゥオモDuomo,レットーリ館Palazzo dei Rettori,市の塔Torre Civicaがある。 北側のヴェネチア・ルネッサンス様式のレットーリ館は現在は県庁の建物。 右手に時計塔torre dell'Orologio、現在公会堂になっている司教伯の館(1190年建造)がある。 ●ドゥオモ Duomo: 16世紀初期にトウッリオ・ロンパルドTullio Lombardoの設計によって建立された。 ゴシック様式の2つの窓のあるファサードは未完成。 脇の美しいバロック風の鐘楼はフィリッポ・ユヴァッラFiIippoJuvarraの設計(1743年)。 ●市立博物館 Museo Civico: ドゥオモ通り16番地に先史時代と古代ローマの遺物のコレクションがある(フルチス・デ・ベルトルディ館への移転計画中)。 開館は4月下旬〜10月上旬。月曜を除く毎日。 10月下旬〜4月上旬は月曜、日曜・土曜の午後を除く毎日。 ●絵画館 Pinacoteca: 中世イタリア・ヴェネチオア派の作品を収蔵 18,19世紀の銀細工頬,版画や複製画もある。 ●メッツァテッラ通りVia Mezzaterra: 町の主要道路。 すでにローマ時代に「軍事宿営地costrum」の幹線道路であった。 ヴェネト風の小さな舘が並んでいるのが特徴。 ●サン・ピエトロ教会S.Pietro 13世紀の建立。 1750年に再建されたがファサードの上張りがな<なっている。 ●メルカート広場Piazza del Mercato(市場): 青物広場 Piazza delle Erbeとも呼ばれる。 昔のフォロ・ロマーノForo Romanoであったところ。 中央にサン・ルカーノS.Lucanoの噴水がある(1410年作)。 周囲には桂廊付きのルネッサンスの建物があり,その中に1501年に建てられた公営質屋Monte di Pieaがあって紋章と碑文がついている。 ●ドイオーナの門 Porta Doiona: ウィットリオ・エマヌエレ広場とリアルト通りVia Rialtoの間。 旧市内への主要入口として造られた。 ファサードはルネッサンス様式(1553年), ●サント・ステファノ教会 S.Stefano: 同名の広場にある1468年建立のゴシック様式の教会。 右側面に取り壊されたバットウーテイ(鞭打ち苦行者の)教会Chiesa dei Battutiから持ってきた15世紀の門がある。 周辺の見どころ ●ロンガローネ Longarone: 北東へ18km。 ピア一ヴェ川の渓谷にある。 ヴァイオント川 Vaiontの氾濫(1963年)後,完全に復旧した。 惨事の記録が役場に併設の小さな博物館に保存されている。 別の小さな博物館が教区教会に併設されており,ジョヴァンニ・ミケルッチGiovanni Michelucciの作品(1966〜78年)がある。 ●サンタ・クローチェ湖 Lago di S.Croce: 東へ16km。 ピア一ヴェ川の水を利用した水力発電所となっている。 ●アルベ・デル・ネヴェガルAIpe del Nevegal 南東へ12km。 標高1030m。草原と森の間の風景画のような道を行<。 ウインタースポーツ施設のあるコル・ヴィゼンチインCol Visentinの高地の斜面。 ●ランドリスLandris: 西へ12.5km。 丘陵に沿って3つの別荘が並んている。 ミアリ・ベンティウォリオ荘Villa Miari-Bentivoglio(18世紀)とミアリ・ジャコミーニ荘Villa Miari−Giacominiは,それ以前の建物を19世紀に改造したもの。 見晴らしのいい場所に17世紀のルデイオ荘villa Rudioがヴェネチア風の印象を与えて建っている。 ●ヴェターナのカルトジオ会修道院 Certosa di Vedana: 北西へ10km。 何度も改修された15世紀の広い総合的な修道院。 大きな回廊付き中庭がある。(見学不可) |