概要
標高400m。人口約18,000人
テヴェレ川の流れに沿った道路を南下し、渓谷が狭ってくると、先の方に岩だらけの丘の上に築かれたトーディ町が見えてくる。
ここは、ウンプリア人の領土だったが、エトルリア人の領土との境(トウデルtuder)に接していた。
その後、紀元前5,4世紀ころエトルリア人の中心地として繁栄して、城壁の一部ができてきた。古代ローマ時代に入って城壁はさらに拡大していく。
はいった。
その後数世紀にわたり、政治的衰退や教会の支配によって教会建築ができ、現在のような中世の街並みができてくる。
坂道には古い塔が立ち並び,中世の石造りの家並みが、小路を挟んで建ち並ぶ。
春から秋にかけては、それぞれの家の窓辺の色鮮やかな花が町の雰囲気を一層盛り立てている。
この町にはホテルも少ないので、周辺のペルージアやスポレートに滞在して日帰りするといい。
ローマからの日帰りも可能だが、鐡道の乗継や駅から旧市街地までの交通機関などで結構時間がかかってしまう。周辺の魅力的な街々を見ずしてここだけではもったいない。
ペルージアやスポレートに2泊して、滞在中にここを訪れるといい。

アクセス
鉄道
ローマ・テルミニ駅から、アンコーナ方面行きでテルニTerni駅下車、(特急、普通列車とも約1時間)
テルニ駅5番線からウンブリア中央鉄道FCU(ペルージア行きの乗る。
トーディ駅 Todi Ponte Rio駅まで約40分。
旧市街中心地まで行くバスAPM(Line-C)ののりばは.駅から300m徒歩15分ほど。
APMバスで約15分
駅には出札所はなく、近くのタバコ屋で購入する。
通常駅ホームにあるパンチ(刻印機)は車内にある。

見どころ
トーデイの町の中心
ボポロ広場 Piazza del Popolo
丘の高台にある旧市街の中心地。
長細い形で,市庁舎として使われているプリオリ宮殿、ポポロ宮、カビターノ舘、それにドゥオーモなどが周囲を囲む。
広場の地下の一部には,古代ローマ時代に造られた9つの貯水槽が発見されている。

ポポロ宮 Palazzo del Popolo
11214〜28年に建てられ、ゴシック様式の重厚な建物。イタリアでも最も古い市庁舎のひとつで、以前はガリバルデイ広場に面して入口があった。
現在は市庁舎となり,4階に絵画館,エトルリアー古代ローマ博物館,市立図書館が入っている。

ドゥオーモ Duomo
12世紀に建立され,その後13〜16世紀に改修が行われた。
高い階段の上にそびえる長方形のファサードは,ゴシック様式の3つの扉口と3つのバラ窓を備える。右側面に鐘楼がある。
内部はロマネスク様式の状態に復元されており,3廊式で,柱頭をのせた円柱と角柱が並ぶ。
右側の,小さな8角柱が並ぶ第4の側廊は,14世紀の増築である。
ファサードの裏面に,フエツラウ・タ・ファエンツアFerrau da Faenza(16世紀)の大フレスコ画「最後の審判」が描かれている。
右側廊には,洗礼盤のそばに壁から剥がされたスパーニヤのフレスコ画「聖三位一体」(1525年),浮彫りで聖母の姿を表した14世紀の祭壇飾り,側廊の奥にジャンニコラ・タ・パオロGiannicola da Paoloの祭壇飾りを収める。
後陣には.1530年の木製の内陣席と,13世紀末のタブロー(板絵)の礫刑像がある。
両脇にスパーニヤのタブロー「聖ペテロ」と「聖パウロ」を飾る。
ロマネスク様式のクリフトは興味深く,大きな後陣を備えている。

サン・フォルトウナート教会 San Fortunato
1292年に建立された教会。
階段を上りつめた上に美しくそびえ建つ。
階段の手前には.先在した教会の柱廊式小玄関に置かれていたロマネスク様式の小獅子の像2体が控えている。
上部が未完のままに残された15世紀のファサードは,らせん状の小円柱を配した中央扉口後期ゴシック様式のもの。
内部はゴシック様式の広々として空間の3廊式で,天井までの高さは身廊と側廊のとも同じになっている。

11月4日広場 Piazza W Novembre
サン・フォルトウナート教会の左にある広場。
14世紀に築かれ1503年に取り壊された城塞の廃墟が婆を見せている。
サンタ・マリア・デ、ソラ・コンリラツイオーネ教会とテヴェレ川流域の眺望が楽しめる。

メルカート・ヴェッキオ広場 Piazza del Mercato Vecchio
古代ローマ時代の壮大な建築物の遺跡(ニッチオーニ・ロマーニ,前1世紀)が深さ9mの地中に厚さも6mも埋め込まれた広場。ドーリス式の桂梁式構造で築かれた4つの大きな二ッチが開いている。
これらは,古代ローマのバジリカの廃墟である。
この近<にロマネスワ様式の小さなサンテイラリオ教会 Sante Ilario(今はサン・カルロ教会San Carlo)が建つ。
ロンパルティア様式のシンプルなファサードを持ち,その上にアーチ式の小さな鐘楼がそびえる。
この少し先に,町へ水を供給するために作られた中世のスカルナベッコの泉 Fonte Scarnabeccoがある。

サンタ・マリア・デツラ・コンソラツイオーネ教会anta Maria della Consolazione
中世の城壁の外にぽつんと離れて建ち,丘陵地帯の風景と美しく調和している。
ウンブリアにおけるルネッサンスの傑作の一つに数えられ,ブラマンテBramanteの設計に基づいて建てられたといわれ,1508年頃に着工し、1617年完成という。
パルタッサーレ・ベルッツィBaldassare Peruzzi.ヴイニヨーラVignola,ミケーレ・サンミケーリMichele Sanrnicheliら数名の建築家が携わり,1617年に完成した。
ギリシャ式十字プランの聖堂で,多角形の後陣を備え.高いドームを戴く。
明るい内部は,建築的には品位の高いシンプルなルネッサンス時代の造りとなっている。
サンタ・マリア・イン・カムッチア教会Santa Maria in Camuccia
13せ紀ロマネスワ様式の小さな教会で,町で最も古い教会の一つに数えられる。
古代ローマ時代の2つの城壁の間に広がる中世の町並みの中に建っている。

ボルコ・ヌオーヴオ Borgo Nuovo
古代ローマの第2の城壁に築かれたサン・プラッセーデ門 Porta San Prassedeから,1209年にはすでに市街地の境界になっていた北端のペルジーナ門 Porta Perginaまで,中世の町並みに沿つて急な下り坂になっている地域一帯をボルコ・ヌオーヴォという。
右手に,明るい色の石でできたファサードと入口を備えた14世紀のサン・フラツセーデ教会が建つ。
少し先に,クララ女子修道院に隣接してサン・フランチェスコ・イン・ボルコ教会San Francesco in Borgoが建つ。
中世に起源を持つこの教会は,18世紀に改造されたガ,最近行われた修復により14世紀の大フレスコ画が発見されている。

中世の城壁 Muramedievali
13世紀に築かれた城壁で、外側の第3の城壁の一部となっている。
いくつかの角塔が残る保存状態のよい区間は,コンリラツイオーネ教会からローマ門 Porta Romanaまでを結ぶ環状線に沿つて見ることができる。
ローマ門の近くに,15世紀に建立されその後改修されたサン・フィリ、ソボ教会San Filippoと,2つの教会堂からなるサン・ニコロ・デ・クリフティス教会San Nico1o de Cryptisが建つ。

古代ロ一マ円形劇場 Anphitheatre Romano
ローマ門 Porta Romana近くにある2つの教会堂からなるサン・ニコロ・デ・クリフティス教会San Nico1o de Cryptisに隣接する。2つの教会堂からなるこの教会の一部が12世紀に古代ローマの円形劇場の観客席の場所に建てられている。

モンテサント修道院 Convento di Montesanto
丘の上のトディから南に少し離れたところにあり、ここからのトディの町の全景を名が得るのには絶好のポイントとなる。
この修道院は、エトルリア人の聖所であった場所に13世紀前半に建てられ,14〜15世紀の拡張と改造によつて要塞の外観を呈するに至つた。
教会には「キリストの降誕」を描いた大きなフレスコ画があり,内陣の階段の上にスパーニヤのフレスコ画「聖ベルナルティーノ・タ・フェルトレ」を飾る。


(参考資料)Guida rapida d'Italia