(トスカーナ州)
フィレンツェから68km、ローマから230km。
人口:約5万5千人
●トスカーナ地方の丘陵地の中心にあって中世のトスカーナの町の面影を残すところとして知られている。ここもフィレンツェ同様、周囲の豊かな農作物の物々交換の場が大きくなり、商業が栄え、やがてヨーロッパ全域と交易するようになっていった。その頃にはトスカーナ地方の皇帝派の一つになっていたシエナは、教皇派のフィレンツェと摩擦が頻繁に起こり、大きな暴動にエスカレートしたこともしばしばであった。その主役は商人たちであった。ヨーロッパと取引をしていたシエナはフィレンツェにより邪魔されているのではないかと抗争が始まったのがきっかけであった(1141〜1235年)。シエナに今見られるような壮大な建築物が建てられ、シエナ派を生むような絵画の世界が育っていったのもこの時期だった。1348年にペストが大流行して多くの死者が出た頃からシエナは衰退し、やがて16世紀にはメディチ家のトスカーナ大公国の支配下に入っていくことになる。
●いくつかの小高い丘からなるシエナはゆるやかな坂が多いが、中心となるのはカンポ広場で、扇型をしたすり鉢状になっている。町全体が城壁に囲まれており、車の乗り入れは城外の駐車場までで、そこから中には歩いて行かなくてはならない。鉄道の駅も城壁の外にあり、市の中心まではバスを利用しないと坂道はきつい。
●シエナへはフィレンツェからの日帰りまたはローマ〜フィレンツェ間の途中立寄りが多く、宿泊するケースは少ないが、ホテルはそんなに大きいものがない。
●毎年7月2日と8月18日に中心のカンポ広場を使ってパリオ祭りという古くからのイベントが行われる。10に分けた地区の伝統的騎馬競技が行われるため、その仮説スタンドの足場などで夏は広場らしい景色には出会えない。



アクセス
鉄道
ローマ〜フィレンツェの幹線ルートから外れている。ローマからは Chiusi 乗換えで4時間かかる。
フィレンツェからは直通がある。1時間45分。駅は城壁外になるので、市内中心地まではバスで行く。

バス
フィレンツエから直通バスもある。約1時間。日曜・祝日は発着本数が少なく、帰りは満員になることが多い。


見どころ
カンポ広場 Piazza del Campo 
シエナの中心となる広場で、観光客はすべてまずはここに来る。しかしながら夏はパリオ祭りの仮説スタンドで眺めも悪くなっている。夏以外は至って静かな落ち着いたいいムードの広場となる。広場に面してプブリコ宮殿とマンジャの塔がある。現在は市庁舎として使われている。
プブリコ宮殿・マンジャの塔 Palazzo Publico, Torre del Mangia 
1297年〜1342年に建造されたゴシック様式。マンジャの塔は高さ102mで最上階に上がるとシエナとあたりの景色のパノラマが眺められる。
ドゥオモ Duomo 
14世紀のゴシック建築。本堂と鐘楼すべてが白黒の横縞模様で統一されている。内部は56図柄のモザイク画が床に張り詰めてある。約400人の職人を要したという。


パリオ祭
毎年7月2日と8月18日に中心のカンポ広場を使ってパリオ祭り。
10に分けた地区の伝統的騎馬競技が行われる。
周囲を囲む建物のテラスが桟敷席として観光局に売られている。